こども側弯症⭐︎コルセット習慣化への道のり④大衝突編
側弯症の備忘録+旅の備忘録です。
2024/7/31 ⭐︎ リヨン
ギリシャの旅を終えフランスのリヨンの実家に戻ったその翌日、事件は起こりました。
前日は旅行の移動でコルセットが装着無しだったので、朝寝坊をして起きてきた娘に「がんばろう!」と鼓舞しコルセットをきつめに装着しました。12時ごろのことです。
ここで母は心が躍っています!きつめでやろうというのを受け入れてくれたことに!
しかし、1時間ほどであばらが痛むということではずした後、夕方になっても再度付ける気配がなく、付ける付けないで親子3人で押し問答。
ついに娘は部屋にこもってシーツをかぶり泣いてしまいました。
コルセットを装着しなければならないと診察を受けてから、初めて私たちに見せた涙でした。
先ほど「きつめにしてくれた」と喜んでいた私は大バカだったのです。きつめの装着を「受け入れた」わけではなく、私がうるさいからしぶしぶきつく装着しただけで、そこに娘の心は伴っていません。
あばらが痛いとはずしたことで、次に付けることが嫌になるのは当然のことですよね。なのに「痛みがあるということはコルセットが役割を果たしているのかな。もっと慣れたら痛みも減るのかな。」という大バカ発言もしました。
痛みも苦しみもわからない私が「コルセットを付けるのが嫌なのわかるよ」なんて寄り添ったフリ発言をするのは、極めつけに大バカ発言でした。(2日後、娘が「ママが『わかる』というのが大嫌い」と教えてくれました。)
うちの場合、2年間18時間以上のコルセット装着が「今できる最善策」でありながら、たとえ苦しい2年間を乗り越えたとしても最終的には手術適応となりうるという疑念が残ります。
それだったら合併症(呼吸機能障害、腰痛、背部痛など)がないうちは(幸い今は何も自覚症状がない)、身体的苦痛はもちろんのこと、精神的苦痛を考えたら、「自然経過という名の”放置”」がいいのだろうか…。
特に、精神的苦痛の代償は大きそうな気がしてしかたがない…。だって、一番のやすらぎの場であるはずの家庭がギスギスした状態で、健やかな心の成長があるだろうか…?家庭だけでなく、かけがえのない経験ができる学校生活も、人目を気にして物理的にも精神的にも思い悩むことになるのだろうか…?
…ヘドロのようにさまざまなマイナスの考えが頭をゆっくりドロドロうずまきます。答えはでません。そもそも私がコントロールできる問題でもありません…コントロールしようとするから衝突するのですから…。
こんな大衝突の一日となりましたが、煮詰まった親子3人以外にも、おじいちゃんとおばあちゃん、お兄さん一家5人、アメリカから帰省しているお姉さんとたくさんの家族がただ静かにそばにいてくれるのはとても幸いなことでした。泣き疲れて眠りについていた娘も、夕食には部屋から出てきてくれました。
そして、なんと夜にはまたコルセットを装着をして就寝してくれました。
本当にこんなだめな親からこんなに優しくて強い子が育ってくれたことが奇跡です。いや、本当は弱みをみせたいけどだめだめな親だと逆に強い子を装ってしまうのでしょうか…。(いかんいかん、またドロドロマイナス思考ですね。)
2024/8/1 ⭐︎ リヨン
4時ごろ「ベリッベリッコトン」とコルセットをはずす音が聞こえました。昨日の大衝突があったようななかったような微妙な距離感を感じます。ぽつぽつ日中付けてみてはすぐに外しての繰り返しでこの日は終了。
2024/8/2 ⭐︎ リヨン
昨日よりはましですが、まだ一昨日の衝突の余波を感じる一日。でもこの日は「ママが『わかる』って言うのが大嫌い」と心のうちを教えてくれた貴重な日でした。ありがとう。
これまでコルセットをつけて日常動作をしてみようという提案は却下されていて、装着中はKindleかYouTubeかただ寝るというのがパターンだったのですは、この日はなんとトイレにチャレンジしてくれました。
衝突があっての前進でしょうか。
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