自分が放置子だったと気づいた時
親になって、自分の娘が小4くらいになった時、ふと気づいた。
あれ?そういえば私が娘くらいの時って、
朝も夜もいつも1人だったよな。
夜は、母の帰りを待ちながら、そのまま風呂も入らずに寝落ちして。
朝はギリギリに起きて、歯も磨かず、昨日と同じ服を着て学校に行ってた。
小4って、まだこんなに幼くて、自分の感情もままならない年齢だったんだ。 そんな子供を、私の母は放置してたんだ。
男を家に連れ込んで、騙してたんだ。
バレバレなのに。
私だったら、こんなにかわいい娘にあんなこと、絶対にできない。
夏休みには、私の知らない人の家に1ヶ月以上預けられていた。
初めて会う人、知らない子供たちの中に放り込まれて、楽しいわけがない。
母にも、預けられた家でも、いつも疎まれてた気がする夏休み。
あぁ、母は私のことがかわいくなかったんだな。いらなかったんだな。
こんなにかわいい子の毎日を、見逃すなんて考えられないもん。
寂しい思い、させるなんてつらいもん。
あぁ、私って愛されてなかったんだな。
きっと当時も、薄々は感じていたんだろう。
クラスの子たちが、家族との楽しそうな話をしてるのが、うらやましくて仕方がなかった。
学校で楽しそうに、兄弟や親との面白い出来事や、旅行の話なんかを聞くのが、うらやましくて妬ましくて。
その気持ちを隠して、自分も同じだと言う顔をして聞いてた。
自分だけ知らないことがたくさんあるのが悔しくてムカついてたまらなかった。
ずるいずるいずるいずるい。
悔しくて悔しくて。
周りの誰よりも「すごい」って思われたくて、いつもマウントを取ろうとしてた。
みっともなかったな。
嫌な子供だったな。
あぁ、私って放置子だったんだ。
母は毒親だったんだ。
大人になってから気づいてもどうしようもない。
ついこの前まで、女1人で育ててくれて尊敬すらしていたのに。
気づかなければよかった。
気づいたら、あの時の言葉も、態度も、全部が放置と結びついて思い出されていく。
30も後半になって、今更反抗期なんてできない。
でもあの時の惨めさ怒りの感情がそのまま蘇って、母に怒鳴りつけたくなる。
この消化できないイライラやモヤモヤはどうしたらいいんだ。