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【メモ】ビジュアルシンカーの脳

スピーチ用のメモなので必ずしも本の内容に即しません。本は抜群に面白かったので読むのがいいと思います。

あなたは、物事を考える時、
言葉で考えてますか?
絵で考えてますか?
というお話。

言葉で考える人にとっては、
絵で考える?そんなわけないだろ。と思われるかもしれない。

逆に、え?絵で考えてないの?って思う人もいるかもしれない。

これ、多くの人はどっちも持っている性質のように思うので、どっちの傾向が強いか。という話かもしれない。
ただ、誰しもみんな自分と同じように物を考えているだろうと思っていて、
自分と違う考え方をしてる人がいるということはなかなか想像できない。
だからびっくりする。

言語思考に特化した人は、あらゆることが言葉にできるし、言葉にするということが考えるということで、言葉にちゃんとできないのは考えが足りないのだと感じる。

視覚思考に偏った人(ビジュアルシンカー)は、絵で考えているので、むしろ言葉は不完全なものだと思っている。頭の中が見せられたらそれがいちばんいい。いつも頭に浮かんだ絵を言葉で説明するけど、完璧じゃない。説明したところでどうせ全部は表現できないし、意味変わっちゃうし。
途中で諦めて、結果、言葉足らずになる。

この特性もあって、ビジュアルシンカーは学校教育からはあまり評価されにくい。言語習得前の幼児はみんなビジュアルシンカーだけど、学校教育によって言語を獲得していく。今の学校教育は極論すると言語思考を身につけるためのもので、「賢い人」とは言語思考者の上位層になる。
つまり、この世界のルールは言語思考者によって作られているとも言える。
ビジュアルシンカーが生きづらさを感じるのはここに原因がある。

よく広告クリエイティブの現場でも、巨匠のクリエイターに「イメージできない!やりなおし!」と怒られて、高学歴であるはずのプロデューサー陣が途方に暮れる。という場面があるけど、あれは思考方法の違いによるものだと考えると理解しやすい。イメージできない抽象概念をそのまま伝えられても、ビジュアルシンカーは混乱する。しかし高度な言語思考者はまさか相手が本当に頭の中に絵を思い浮かべようとしているなどとは考えておらず、言葉を尽くして概念で説明しようとする。結果溝は埋まらない。

ビジュアルシンカーに極端に偏った人、言語習得が困難な特性を持っていたりする人は、現代社会では自閉症スペクトラムあるいはアスペルガー症候群と診断されることも多い。

しかし、実は有能なデザイナーやエンジニア、発明家、経営者にこの特性を持つ人は多く、イーロン・マクスもアスペルガーを公表しているし、アインシュタインもアスペルガーだったと言われている。
IKEAの創業者イングヴァル・カンプラードはディスクレシア(読み書きが困難)だそうで、IKEAの組み立て説明書が絵だけで構成されているのはこのためだが、その独自の経営手腕で世界長者7位にまでなった。

このように、完成図が思い描けるビジュアルシンカーは、設計者・危機管理者・発明家・クリエイターに優位な特性を持っているが、学校教育の中では埋もれてしまい、その才能の発見が遅れている。
これからのアウトカムが問われる時代、教育にはビジュアルシンカーを教育する枠組みが必要なのだ。

言語思考者と、視覚思考者、どちらが優れているということではなく、
協業することで成果が出やすいと言われる。
スティーブジョブスとウォズニアックのように。

お互いを尊重し、ともに補いながら進んでいくのが制作の仕事なのかもしれない。
言語とビジュアルの高みを目指して。

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