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泥中に咲く一輪の白い花(7)

   うちに来て

「私ねぇ、中卒なの。高校に行かないで、いきなりキャバレーで働き始めてさ、、、」
「そうなんですか、、、そうな風には見えませんでした。」
「ホテトルもしたし、時々スナックで客も取ったりしてて、、、ソープへ移ってさ、7年頑張ってみたの。」
「桜子さんは、普通の人だと思ってました。」
「ええ?、普通って何?、、、昼の仕事してたら普通なの?」
「ああ、すいません。そうですよね、、、俺が変でした。夜の仕事してても、普通ですよね。」
「要はさ、その人がどうかって事じゃない?、、、おかしな奴はおかしな奴。まともなやつはまともってね。ま、どっちかって言うと、私は普通じゃないかもね。」
「そうなんですか?よく分かりませんけど。」
「そりゃ、会ったばっかしじゃん。お互いにまだよく知らないしさ。」
「知りたいです。桜子さんの事。昔の事とか、、、」
「昔の事は言わない。知って欲しくないもん。今の私だったら、知って貰っても良いんだけどね。」
「……じゃ、昔の事は聞きません。今の桜子さんの事が知りたいです。」
「うん、全部知っても良いよ。今の私なら、、、って言う事で、私のおうちへいらっしゃい。」
「はい、行きます。俺、行きます。」
幸太郎の車は、今朝のコンビニへと向かって走る。走る。走る。

桜子の部屋。日はまだ暮れていない。
「お風呂入ろうか。今、入れてくるね。一緒に入ろうよ。」
「え、一緒ですか?」
「うん、嫌なの?」
「い、いえ、、ちょっと恥ずかしいなって。」
「元、泡姫だよ。幸太郎君もソープ行ってたんでしょ。」
「ええ、でも、、、やっぱ、見られて断られたらって思っちゃって。」
「うん、その為にもさ、良く見ておこうと思ってね。それにさ、私の方もよ~く、ほぐ しておかなくっちゃ。」
「解す?」
「うん、お風呂入って、血行良くして、柔らかくして、痛くない様にしないといけないでしょ。」
「・・・柔らかくする?、、、そうなんですか?」
「そうよ。泡姫時代もね、一週間休んじゃったら強張っちゃって痛かったのよ。それに今、10年以上、男の人としてないからさ。よ~く解しておきたいの。そりゃ毎日、オナニーしてたら解さなくてもいいけど、もうそんなにしないし、、、年だもんね。ハハハ、、」
「知らなかったです。そういうもんなんですね。」
「じゃ、幸太郎君も協力してね。解すの、、、うふ。」
「あ、、、ハイ。、、、えへ、、、」


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