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色トレスってなあに?

単純に質問をもらったので、回答します。
アニメ業界の、作画と仕上で使われる言葉です。
「色(いろ)トレス」の対は「実線(じっせん)」でしょうか。

作画時に
鉛筆で描く→実線
色鉛筆で描く→色トレス

仕上げ時に
実線→黒っぽい色
色トレス→指定の色に変換

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実線は輪郭線など、仕上がりが黒い線に使われます。
色トレスはノーマル色(基準の色)と影色やハイライト色の区切りに使われます。仕上がりは線は見えません。基本的に隣接する色に変換されるからです。
服の模様など、黒を残したくない場合は、色トレスが使われます。

(ちなみに、部署内容は
作画→線画を描く
仕上→色を塗る
です。)

色トレスの呼び名は、セル時代の名残です。
セルアニメでは動く絵は「セル」に描かれます。作画の時点では、紙に鉛筆で描かれている絵を、
仕上げ時に紙からセルへ「トレース」して描き写すのです。
輪郭線は黒で、区切りの線は指定の色で。つけペンで描きます。(ハンドトレス)
「色」で「トレース」するので色トレスです。


その後、カーボンでセルに絵を熱転写する機械を使うようになりました。(マシントレス)
カーボンが反応するのは鉛筆のみ。輪郭線のトレスは肩替わりされましたが、
色鉛筆で描かれた線は従来通りハンドトレスしていました。
輪郭線を柔らかくしたい場合は、茶カーボンなど、黒以外のカーボンを使用したそうです。

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