第2回ジョージアフェスティバルへの道(7)~サフィロネビ・プログラム
アンサンブル・サフィロネビのショーの解説付きプログラムです。
オープニングは大コーカサス山脈のロシアとの国境に近い山岳地帯の踊りです。
1)シムディ(古典)
オセチア(オセット人)の結婚式の踊りです。南オセチアはジョージアに北オセチアはロシアに属しているのでコーカサスで広く踊られています。通常は男性が黒い衣装、女性が白い衣装を着て、直線などの図形的なフォーメーションが醍醐味です。サフィロネビは男性がまだまだ少ないので女性のみで踊っています。
2)イロウリ(モダン)
イロウリのタイトルの意味は「イリコの」という意味です。スヒシュビリの創始者夫妻の夫であるイリコ・スヒシュビリのことを指しています。彼らの孫のイリコ・スヒシュビリ Jr. が祖父母がLekuriを踊る思い出を2001年に作品にしました。
オセチアから大コーカサス山脈を西へ向かって、タマル王が愛したスバネティ地方の踊りです。
3)ナニラ(モダン)
楽曲はスヴァネティ山岳地帯の古い子守唄です。鳴り響く教会の鐘を視覚化した動きが印象的な踊りで最後は子守歌に揺られた赤ん坊がこっくりこっくりと眠りに落ちた様を踊りにしています。
イリコ・スヒシュビリJr. の2003年の作品です。
4)スワヌリ(古典)(モダン)
スバネティ地方(スヴァン人)の踊りです。古典では男性のみが踊る踊りですが、イリコ・スヒシュビリ Jr. によって新たに女性の踊りも作られました。「男性によるつま先立ち」でも有名な踊りです。
さて、ここからは黒海沿岸のアジャラ地方の踊りです。
5)アチャルリ(古典)
アジャラ地方(アジャール人)の踊りです。ジョージア人もダンスを習うときに一番最初に習う踊りです。男女の軽い恋の駆け引きを踊ったコーカサス全般で人気のある踊りです。
6)アチャルリ(古典)
群舞に続いて男女のデュオダンスです。アチャルリ(アジャルリともいう)とはアジャラ地方の踊りという意味なので楽曲名ではなく、アジャラの様々な楽曲で踊ります。一番有名なのはガンダガナという曲ですが、こちらの楽曲は「オリオン」です。そのほかにも「グザヴレビ」「イベリア」などがあります。
7)ラズーリ(モダン)
同じくアジャラ地方からラズ人の踊り。ラズ人はジョージアよりトルコの方が人口が多いのですが、ラズ語がジョージア語の方言とされていることからトルコでは異民族とされています。ラズーリはイリコ・スヒシュビリ JR.の2002年の作品。アチャルリにはないラズーリ特有の動きが入っています。
8)サマニ(モダン)
女性版ホルミダンスで、女性のみの兵士(ジョージア版アマゾネス)の踊り)です。イリコ・スヒシュビリ JR. の2000年の作品です。
場面はジョージアの首都トビリシに移ります。
ジョージ王朝時代の古き良きトビリシの街の様子を踊ります。
9)ダブルリ
華やかな宮廷舞踊です。
本来なら男性と女性がペアになって踊ったりするのですが、サフィロネビは男性ダンサーが少ないので女性のみで踊ります。
10)サマイア
王朝時代ジョージアを最大最強の国にしたタマル王をたたえる踊りで、中世時代のフレスコ画のタマル王が蘇生したような演目です。サマイアの演目名はジョージア語で3を意味する「サミ」に由来します。この踊りは3人で踊られ「天上(神、または未来)」「地上(今生きている人々、または現在」「地下(先祖、または過去)」をキリスト教の三位一体のアイデアで表しています。
スヒシュビリの創設時1945年にイリコ・スヒシュビリとニノ・ラミシュビリによる作品です。
12)カラチョヘリ
トビリシに住む職人の踊りです。黒い(カラ)チョハを着た人(チョヘリ)という意味です。職人たちは誠実で、戦で夫を失った未亡人や子供たちにも優しく助け合って暮らしていました。街の電燈に火を灯したり消したりすることも彼らの仕事でした。この踊りに出てくる女性は「火」のイメージの赤い衣装を着ています。
13)キンタウリ
コーカサス全般では「シャラホ」と呼ばれている踊りです。スヒシュビリがストーリーのある演目に作り替えた時に「キンタウリ」キントさんの踊りというタイトルが付きました。アルメニア人のキントは低所得者や失業者を集め、外国で商品を仕入れたものを販売していました。宿付きのレストランなどで興行しながら物を売っていたその様を踊りにしています。アンサンブル・サフィロネビではジョージアのコメディ映画「ケトとコテ」に出てくるちょっとふざけたキントさんたちをイメージして作品にしています。生徒さんたちの大好きな踊りです。どうぞお楽しみください。
振付:サフィーラ
14)ティウルリ
ジョージア語で山のことをムティといいます。ティウルリはやまの踊りとという意味で「山のお祭り」を表しています。ムティウルリと書いてもよいのですが最初の子音のムの音はほとんど聞こえません。今回はリオニ君のソロでお届けします。
振付:ノグチマサフミ
ここからはサフィロネビオリジナル作品です。
私たち日本人はどんなに努力してもジョージア人になることはできません。正しく学び、理解した上で彼らの踊りを敬意を払いながらアーティストとして新しい作品作りにも取り組んでいます。
15)アチャルリ(フュージョン)
2000年頃イリコ・スヒシュビリ Jr. が「クラブで踊れるジョージアンダンス」というコンセプトで全く新しいジョージアンダンスの演目群を作りました。その頃、若者には外国のストリートダンスはじめ様々な踊りを好みジョージアンダンス離れが起きていました。この作品群は若者の心をつかみジョージアンダンスは復活したのです。その時にアチャルリはアジャラの音楽だけでなくどんな楽曲でも踊れる踊りとしてカテゴライズされました。
今回は、クレモンティーヌの歌声に合わせて日本の皆さんが知っている曲をアチャルリダンスで踊ります。
監修:サフィーラ
16)ナルナリ(フュージョン)
ナルナリはカルタとも呼ばれていてジョージア人女性の美しさと誇りを表現しています。今回はジョージア人のGeo Folk が歌う「桜さくら」にナルナリの踊りを合わせ日本女性の美しさと誇りを表現したサフィーラの作品です。衣装にはジョージアの生地を使用し楽曲、踊り、衣装がジョージアと日本の融合(フュージョン)となっています。
振付監修:サフィーラ 2024年
最後は生徒さんたちの大好きなこの踊りで、観客の皆さんと共に踊ります♪
17)ラチュリ(古典)
シュクメルリ発祥のシュクメリ村があるラチャ地方の踊りです。村人たちの日常の様子から物語りが始まります。観客の皆さん、踊りを知っている方はぜひ一緒に踊ってください。
18)フィナーレ
出演ダンサー紹介
以上です。
どうぞお楽しみに♪