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ついに


2月の終わりはこの生活が永遠に続くような、もうずっと妊娠するより前からこの病室で過ごしてきたような、遠くを見るような感覚で。
本当にこのまま4月まで、正産期までいくと思っていた。


3月4日、30週0日目。
先生たち、助産師さんたち、すれ違う人みんなに褒められる。
エコーしてもらったら、1250g!
入院した時は235gだったのに…

変わらず毎日赤っぽい羊水は流れてる。
30週かと感慨深く思っていたら、これが張りかと認識できるくらいたまに痛みのような、お腹が張って硬くなるような感覚がきた。


そうか、あなたは3月に産まれたいのね。
早生まれで、早産児で人より苦労するかもしれないけれど
普通に産まれてきたって苦労はするから、人生を楽しめるようにいろんな方法を探して自分に合った道を見つけていこうね。


3月11日、31週0日。

夫を交えての説明会。
30週台は毎日お腹が張っていて、すごく少しずつ赤ちゃんも下りてきていて、私自身も先生たちもいよいよ出産に向かっているなと緊張感が漂っていた。
経膣から産めるならそれが一番だけど、赤ちゃんがまだまだ小さいし羊水も少ないから、しんどくなったり、母体が危険と感じたら、帝王切開になること。

順調すぎて忘れそうになるけど、羊水過少。
無事に産まれても、呼吸の機能がどのくらいなのか誰にもわからなかった。
1300g前後で産まれてくる。
どこかに障害があるかもしれない。

産後の生活が全く想像できない。
けれど、今までと同じ。
赤ちゃんの人生を受け止めて、寄り添っていくだけ。
どんな生活になったとしても受け止めて、楽しむ。
その覚悟は妊娠がわかった時から変わらない。





そしてこの説明会から2日後の2021年、3月13日。
31週2日目、午前3時すぎ。

今までの張りの痛みと全然違う、寝ていられない痛みがきてナースコールを押した。
すぐにエコー検査をしてくれた。
子宮口は開いていないけど、経管長は短くなっていて出産が近づいている。
いつもの張り止めの薬を飲んだけれど、朝になっても痛いままで、なんだか気持ち悪くなって朝ごはんはそんなに食べられず。

午前8時の診察で子宮口3cm。
ついに陣痛室、LDR室に運ばれた。


外は雨が降っていた。
分娩台の上で痛みの波が引いた時に夫に電話する。
とにかく今日が無事に終わりますように。



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