nihil|ニヒル

1991年大阪・北摂生まれ。文筆家。公園や山々に囲まれたベッドタウンで執筆活動をしてい…

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1991年大阪・北摂生まれ。文筆家。公園や山々に囲まれたベッドタウンで執筆活動をしている田舎育ちのシティボーイです。エッセイやショートショート、短歌、歌詞などを書いています。何かをずっと探すように生きています。

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  • エッセイ

    ただのエッセイです。好きなことを好きなように。思ったことを思ったように残しています。

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    頭に浮かんだリリック・歌詞を投稿しています。

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    ちょっとした物語です。 フィクション98%

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    これまで詠んだ短歌をまとめています。 短歌は独学です。

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自己肯定感

少しだけ恋愛の話をさせてほしい。ここ最近、好きな人がいた。過去形にするには気持ち的にまだ早い気するけど、いっときの恋心やったんかなと一生懸命自分を納得させている最中。俺と彼女は、当然今まで出会ったことないから、これまでに経験したこともない恋愛やった。 彼女は「蛙化現象」と呼ばれるものに悩んでた。蛙化現象とは、かんたんに説明すると「男性から好意を向けられた途端に嫌悪感を抱くようになる」という女性に起こりやすい心の現象らしい。それまで自分が好意を持っていた相手ですら、好きと言わ

    • 意味なんてないよ

      君の笑った顔はどこか切なかった 本当の自分を隠しているみたい 心を開いて その身を預けて 僕といるときは肩の力抜いていいよ 本当の愛の意味を教えて あなたを想う気持ちがある 苦しみも悲しみも愛の形をしている 僕の心を覗いてみて 本当は愛の意味なんてないよ あなたが隣にいるだけで それだけでよかったのに愛の意味を探して 僕の心は彷徨っている 「嫌いじゃないよ」なんて誤魔化さないで 誰かを愛することを怖がる君だけど 君のためなら傷ついてもいいと思えたんだ 君の全部を受け止め

      • 大丈夫

        前を向けず 歩き出せず 一人の夜を今夜も泳いで 人知れず 泣きたくなる 心の中を彷徨う思い出 君の笑顔や困った顔も おどけた顔も全てが愛しくて 君の匂い 短い髪 僕に触れる小さな手はどこにもない あいつが俺に言う 「もう忘れなよ」って あいつが俺に言う 「忘れる必要なんてないよ」 忘れてしまいたかった この愛もあの日君が言った言葉も 離したくなんかなかった ほどけた右手は今誰と繋がっているの 人は誰も心の中に 大切そうに孤独を飼っている 君もそうだろう きっとそうだろ

        • 約3年ぶりの清水翔太LIVEツアーを終えて

          2022年2月27日。清水翔太のLIVEツアーに行ってきた。2021年にリリースされた9作目のアルバム「HOPE」を引っ提げての全国ツアーファイナル。会場は、清水翔太の地元大阪「Zepp Namba」だ。そしてこの日は、彼の33歳の誕生日当日だった。 このご時世にLIVEを開催してくれたこと、そしてみんなで集まって一つの時間を共有できたこと、誕生日をお祝いできたこと、とても嬉しく思う。そして僕の誕生日当日にツアーが始まって、彼の誕生日当日にファイナルを迎えたのもちょっぴり嬉

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        自己肯定感

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          ある町の、ある恋人たちの恋の終わり

          叶わない夢、癒えない傷、戻れない過去、消えない記憶。そういったものが年齢を重ねるほどに増えていった。始まりがあるものには、いつか終わりが来るということを分かっていても、ぼくらは始めずにはいられなかった。 夢のような時間を過ごして、現実を突きつけられて「これが夢ならいいのに」と願っても、時間は止められないし巻き戻ってもくれない。小さな選択を繰り返していくうちに、いつの間にか遠くに来てしまっていて、対岸からこちらを見つめるきみの表情を何と表現したらいいのかわからなかった。 「

          ある町の、ある恋人たちの恋の終わり

          眠れない夜を越えて

          仕事を辞めてフリーランスになってから生活サイクルがどんどん狂って、今ではもう2〜3周回ってわけわからんことになってる。サラリーマン時代もそんなに寝るの早いほうじゃなかったし、仕事がしんどくて辛いときは眠れない日々もたくさんあったけど今もひどい。 今は当時抱えていたものとは違う類のしんどさとか辛さとはあるけど、人間関係とか会社の方向性とか余計なことで悩むことはなくなった。にも関わらず眠れない夜があるのはなぜなのか。 Twitterで流れてきた「耳を温めて寝付きやすくする耳栓

          眠れない夜を越えて

          二十世紀を生きる

          ※小学校5年生の文集より原文ママ ぼくは今、二十世紀を生きている。ぼくは楽しく気楽に生きていきたいと思う。二十一世紀にはアイボや色々なロボットが開発されている。二十二世紀が楽しみだ。空飛ぶ車やペットロボットが作られたりするからだ。二十一世紀を生きている間に自然がいっぱいある所に住んでみたい。だって二十二世紀になるとハイテクぎじゅつが生みだした、機械とかが作られて自然がとりこわされそうだからだ。そんなことになる前に自然とふれあい、きしょうの虫や動物を見てみたい。自然の中にはマ

          二十世紀を生きる

          アマレットソーダ

           一人でいることの良さを僕は知っている。誰にも邪魔をされずに、好きなことを好きなようにできる。最近は、バーで酒を飲むことを覚えた。今日も若いマスターは、爽やかな笑顔を見せながら僕に言う。 「アマレットのソーダ割り?」 「はい。それとミックスナッツもお願いします」  先に出てきたミックスナッツの中からピーナッツを一つ手に取り口に運んで、カラカラとお酒を作るマスターの手元を眺める。氷の音と流れるような作業が心地良い。店内の静かなジャズ音楽も良い雰囲気を演出している。 「アマ

          アマレットソーダ

          誰かの詩

          ごめんな この世に生み落とされたくせに 何も生み出せなくてさ 「夢か」 憧れ描いてたはずなのに いつの間にか醒めてたの 誰かの声にはもう耳を貸したりしない 惑わされ掻き乱されて閉じ込められて 誰かと背比べなんてもうしたりしない 僕が僕であること それだけをわかってよ 美しく見せるための飾りは 本当は何一ついらないんだよ 君がその身に付けている全てが剥がれ落ちても 僕は目を逸らしたりしないよ 笑った 誰かを悲しませないように でも吐き出したかった 君だけはいつも僕のこ

          ふやけた過去と、腑抜けた今と、ぼやけた未来。

          ここ最近、何事も無気力になっている。相変わらず「自分が何をしたいのか」とか「何のために生きているのか」とかそういうことばかり考えていて、挙げ句の果てには仕事に対してもネガティヴモード。その結果、クライアントにも迷惑をかけることになってしまった。本当に自分は何がしたいんだろう。自分には合っていないんじゃないかとまで考える始末。誰のために何のために頑張ってるんやろ。いや頑張ってすらないのか。知らんけど。 ふやけた過去と、腑抜けた今と、ぼやけた未来。漠然とした不安を感じながら何と

          ふやけた過去と、腑抜けた今と、ぼやけた未来。

          蝉時雨はもう聴こえない。

          今年もまた8月31日がやってきて、夏の終わりを迎えようとしている。9月に入ったって急に秋らしさが訪れるわけでもないのに、夏休み最終日のイメージがあるからか、昔から8月31日がくると「あぁ、今年も夏が終わったな」という気持ちになる。 8月も後半に差し掛かると、明らかに鳴いている蝉の数が減っていることに気づいた。ほんの数日前までは、まるで機械音のようにその音色を掻き鳴らしていたというのに。何年もかけてやっと地上に出てきた彼らは、およそ2週間という長く短い命を一生懸命に燃やしたの

          蝉時雨はもう聴こえない。

          愛されたいという願望は自惚れの最たるものだ。

          かれこれもう、4年くらい恋人がいない。この期間中、誰かを好きになったこともあるし、頑張って出会いを求めたこともある。しかしどれも恋人という関係性に発展することはなく、そのほとんどがぼくの心からフェードアウトしていった。好きという感情は、どのようにして生まれて、そして育まれていくのか。自分の心の中の出来事なのに、未だにわからない。むしろ歳を重ねるほど、難しい存在になっていくような気がする。 いいかもと思う人がいても、そこまで気持ちが盛り上がることもなく、ダラダラと連絡を取り合

          愛されたいという願望は自惚れの最たるものだ。

          ぼくの心に住まう赤髪のシャンクス

          ぼくは、基本的に心の中に「赤髪のシャンクス」を住まわせている。ジャンプコミックスのONE PIECE第一巻を読んだことがある方ならお分かり頂けると思うが、シャンクスが酒場で山賊のヒグマにちょっかいをかけられるシーンがある。 シャンクスは、山賊に酒やら何やらぶっかけられててもヘラヘラと笑って済ますのだが、主人公ルフィはその姿に情けなさを感じてシャンクスに嫌気がさす。その後、別の日に再び酒場にやってきた山賊たちがシャンクスたちのことを馬鹿にするのだが、それを聞いたルフィが怒って

          ぼくの心に住まう赤髪のシャンクス

          男だけど浮気する奴の気持ち理解できない件

          Twitterのフォロワーさんに、ぼくの恋愛コラムを読んでみたいと言っていただいたので、普段感じていることや思っていること、考えていることをできるだけそのまま書き綴っていこうと思う。とりあえず、いろいろタイトルだけ下書き状態で保存しているので、今回はその中から一本。 知り合いに、器用に要領よく生きてんな〜って思う人がいる。恋愛に関しても常に途切れずエンジョイしているけれど、いわゆる“あたおか”ってやつで本当に芯から浮気性。本人は、上手に誤魔化して浮気を楽しんでるつもりだけれ

          男だけど浮気する奴の気持ち理解できない件

          春、きみを思い出す

          「桜でも見にいこうよ、カメラでも持ってさ」  寝起きの人に対する第一声がそれ? と心の中で思いつつ「んん〜」と、片目でスマホをいじりながら『はい・いいえ』のどちらとも言えない返事をする。そんなぼくをきみは、ただ黙ってじっと見つめ続けた。無言の圧力に負けたぼくは、のそのそと起き上がって洗面所へ向かう。適当に着替えて、寝癖は面倒だから帽子で隠した。 「じゃあ、行こうか」  色違いのケースに身を包んだiPhoneと小さなレザーの財布、そして家の鍵を持って玄関を出る。家から徒歩3分

          春、きみを思い出す

          ヒルナンデス!のような存在になりたい。

          毎日びびらせようとしているかのように「大阪の感染者数が過去最多を更新」と、誰からも賞賛されない記録更新のニュースを嬉々としてーー実際に嬉々としているわけではないがそう感じてしまうーー報道し続けるお昼のワイドショー。 もちろんワイドショーに限った話ではないけれど、どのチャンネルに変えても見かけるのは似たような評論家やコメンテーター気取りの芸能人たち。世間を笑わせてくれるはずのお笑い芸人ですら、苛立った表情・口調で感染対策や政府のやり方などについて話している。 毎日飽きもせず

          ヒルナンデス!のような存在になりたい。