「びじゅチューン!」愛すべき歌詞係たち【11】 夏にひんやり歌詞係
8月に入り、暑さに拍車がかかってきました。
私の住む地域の昨日の最高気温は39.5℃でした。今日もそんなものではないでしょうか。
ということで、Eテレの番組「びじゅチューン!」、その画面の隅で人知れず仕事をしている歌詞係にスポットライトを当てる企画、第11弾は、ちょっと涼しくなりそうなお二人。
納涼系歌詞係です。
まず一人目
「平熱でうらめしや」の歌詞係、円山応挙大先生
曲自体納涼系ですが、それを支える応挙大先生のパフォーマンスに注目してください。
さすが大芸術家。
どれほどすごい芸術家かというと、「開運!なんでも鑑定団」でよく「丸山応挙筆」の作品が持ち込まれ、安河内先生なんかに「偽物です」と一刀両断されていたりします。
贋作の数も半端ない、それほど人気の画家なのですね。
「平熱でうらめしや」の元となった「幽霊図」、これが足のない幽霊の元祖、現在の日本のユーレイのテンプレートとなった作品と言われています(諸説あり)。
そんな絵を描いてしまった大芸術家なのです。
それゆえ「びじゅチューン!」で歌詞係を務める時も手は抜きません。
曲の雰囲気を盛り上げるための演出、やり切っています。
そんな応挙大先生、他にも幽霊の絵を描いています。
「びじゅチューン!」の物よりだいぶ恐ろしげなものもあり、画像で検索すると見られます。ひんやりすること請け合いです。
もう一人はこの人。
「姫路城と初デート」の歌詞係、お菊さん
なぜ姫路城でお菊さんなのか?
「播州皿屋敷」に決まっています。
「番町皿屋敷」ではないのか、ですって?
私も「播州皿屋敷」という言葉は、「姫路城と初デート」のDVD BOOKで初めて知りました。
姫路に伝わる伝説だそうです。
この「皿屋敷問題」は各地に類話が見られるそうなので、興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。
ひんやり案件です。
いずれにせよ、悲劇の女性お菊。
この「姫路城と初デート」の中でも、何回も何回もお皿が割れてしまい、悲しむ姿が痛ましいのですが・・・
ラスト、なんとお菊さんはお皿を割ることなく、にっこりして曲を終えています。
めでたしめでたし
・・・?
「ひんやりシリーズ」としてそれでいいのだろうか、という疑問はうっすら残りますが、とにかくお菊ちゃんはこの「びじゅチューン!」ワールドの中では微笑んでいます。
きっと各地の類話でも悲劇的な結末を迎えるお菊ちゃん、そんなハッピーエンドの世界が一つくらいあってもいいではありませんか。
夏本番、和風ひんやり、納涼系歌詞係についてのレポートでした。
酷暑の候、暑中お見舞い申し上げます。
皆さまご自愛ください。