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本の虫が夢見る風景

ーーーークリック? (クラック!)

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 誰が言ったか本の虫。

 小さい頃から私はそう呼ばれてきた。小学生の頃、昼休みになると毎日のように図書室に行き本を借りに行く。1冊読んだら次の1冊、また次の1冊、そしてまた次の…毎日毎日。他の同級生は外で遊んでいるにもかかわらず、私は毎日図書館に通っていた。

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 本の虫と呼ばれることに、怒りはなかった。むしろ誇らしかった。運動ができない私は本を読むことで、自尊心を満たしていたのだろう。子供ながらにあきらめが早い。本当のところは、誇っていたのかそれとも、すがっていたのか、今思うとわからない。

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 そんな私にとって子供の頃から憧れていた景色がある。それはディズニー映画の美女と野獣、そのワンシーン。

 ベルが野獣に目隠しをされて連れられて行く。野獣もベルを期待させるような声色で目隠しをとることを制する。まだかな…まだかな…。そして、ベルが期待しながら目隠しをとると…そこには一面の本が。
 本 本 本
 縦横無尽、天に届くかのようにぎっしりと本棚に詰められた本達。光によって照らされたその景色にベルがは目を輝かせて、野獣に溢れんばかりの感謝の言葉を伝えた。

 ベルが輝かせたように、私にも輝いて見えた。これだけ本があったら楽しいだろうに、退屈しなくて済むだろうに、と。

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 多くのシーンに憧れた事は数あれど、今でも心に残っているシーンはこの1つだけ。今でもそんな家に住む夢は捨てられず、どうにかできないかなぁ?何か方法はないかなぁ?と探している。

 叶えたいことがあるとその道中の悩みさえも楽しい。恋に恋するとよく言うがこの場合は夢に夢見るといったところだろう。私は今までもそして、これからもそのシーンを再現するために考える。

 皆さんもそんな再現したいシーンもしくは再現したい風景ありますか?

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 ハツカネズミがやってきた。はなしはこれでおしまい。

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菫色 紫月(Sumireiro Shiduki)
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