UiPathアソシエイト合格の道
2024年7月に、UiPathのオートメーション デベロッパー アソシエイトの資格試験を受験し、無事に合格しました。
備忘録も兼ねて、資格取得までの体験記を残しておきたいと思います。
UiPathはエンジニア人口も熟練者も多く、今からこういった試験を初めて受けようという方はもはや多くないかもしれません。
しかしながら、私自身が受験対策をしようとした時、ネットでもそんなに多くの対策情報が得られず不安に思いましたので、ひとつの事例として参考になればと思い、書いておくことにしました。
何かひとつでも、どこかでどなたかのプラスになれば幸いです。
※2024年7月時点の情報です。
UiPathについて
UiPathはRPAツールの中でもシェアが大きく、また無料で学習できる範囲も多いため非常に入りやすいツールだと思います。
先人たちのノウハウもネットでたくさん公開されており、困った時に頼りやすい点も◎です。
RPA自体が初めて、開発言語の知識がないという人でも使いやすいですし(StudioXがある)、またエンジニアとして案件を受注したい場合にもUiPathはやっぱり使えるほうが有利だと思っています。
(採用している企業が多い分、使用可能ツールにUiPathがあると無いとでは案件数が全然違います)
ただ、Studioは色々なことができて便利である反面、全部を網羅して使いこなすのはけっこう大変だと個人的には感じますね。
筆者のRPA経歴
ご参考までに、私のRPA見識を載せておきます。
これくらいのスキル感でも合格可能です。
・数年前にRPA市民開発からスタートした非エンジニアでした
・半年ほど、会社でStudioXを学習しながら業務で自動化しました
・RPAのためにExcelVBAを学習、資格取得済み、現場でも多少使います
・UiPath以外のRPAツール(複数)で、多少のRPA開発・保守経験あり
・UiPath Studioは、ソースの解読のみ使用経験あり(開発は未経験)
資格取得のための学習開始:2024年3月頃
1日の学習時間:0時間~4時間くらい
※足かけ4か月くらい?を学習期間として使った計算です。
ただし、毎日はやってないです。
学習の序盤
体験記を探す
最初にやったことは、既に受験を経験された先人たちの体験記を探して読むことでした。
あまり多くはヒットしないかもしれませんが、ネットで検索してみなさんがどんな風に受験へ向けて対応されたのか拝読しました。試験記述文書を読む
UiPathのサイトで掲載されている、認定資格の試験記述文書を読みます。
https://www.uipath.com/ja/learning/certification
なお、これは私は後からやったのですが、試験記述文書に記載の「試験範囲」をExcelに書き出しておくとわかりやすいかもしれません。
このあと、アカデミーで受講が終わったらそのExcelに受講済みフラグを立てていき、学習プランが完了した段階でフラグのついていない項目(=試験範囲のうちの抜け漏れ)が無いかを確認すると管理に便利だったりします。
抜けている箇所はドキュメントや個別のコース等で補うとよいかなと思います。UiPath Academyを受講する
無料で学習できるアカデミーを最大限に利用します。
試験記述文書にも「推奨されるトレーニング、ハンズオン経験、実務経験」の記載がありますので参照してください。
私自身が利用したものは次の通りです。
【メインで受講した学習プラン】
・RPA デベロッパー 基礎
・オートメーション ビジネス アナリスト基礎
【過去に受講した実績のあるプラン、コース】
・RPA スターター
・StudioXに関する学習コース(複数)
メイン学習で受講した2つでも、相当なボリュームがあって大変です。
記載の目安時間よりも、もっとかかると思ったほうがいいです。
時々心が折れそうになりながらも、受講完了まで頑張りました。アカデミーで不足する部分のUiPath公式ドキュメントを読む
受講中、やっぱりアカデミー学習プランで説明されている内容だけではわからないことが出てきます。
UiPath公式ドキュメントも折に触れ読むようにしました。
学習の中盤
試験記述文書にある模擬試験(練習問題)を解く
学習プランをひと通り完了したら、公式で提供されている模擬試験をやります。
模擬試験は公式サイトや試験記述文書にURLがあります。間違えた箇所、自信の無い箇所を潰す
模擬試験やアカデミーの理解度テストで間違えた箇所、また自分が苦手に感じた箇所が理解できるまで繰り返します。
模擬試験は覚えてしまうとあまり意味をなさなくなるので、短期間に何度も受けるのはあんまりおススメできないです。
私は本番の受験までにたしか2回しかやってないと思います。
ちなみに、模擬試験を利用する際は、スクショを撮ったりしてExcelにメモしながらやりました。
最後に間違えた問題だけを提示してくれますが、自分がどの問題でどれを選択してなぜ間違えたのかはわかりません。(涙)
学習の終盤
手書きする
自分が覚えやすいやり方でよいのですが、私は自分の記憶に残すため、覚えたい内容を手書きでメモ帳サイズのミニノートに書いていきました。
最終的に、受験会場にそのノートを持って行って直前まで見ました。受験準備をする
受験場所を自宅にするか会場にするかによって異なると思いますが、私の場合は会場へ足を運んで受験することを選んでいたので、受験当日の流れをピアソンVUEの動画で確認する、受験予約を入れる等、実際に受験するのための準備をしました。
受験
受験当日は少し早めに会場へ行って、お手洗いなども済ませて万全な状態で受付へ。
受付後、写真撮影もあります、悲しい一発撮り…。(泣)
ここの写真は会場で発行されるスコアレポートくらいにしか使われないみたいですが(多分)、一発撮りの写真なんて嫌で嫌でたまりませんでした。
荷物は完全にロッカーへ預けますので、会場に持って入った物はマスクくらいです。
メガネもしっかり入室前にチェックされます。
時間配分について。
私の場合ですが、極力さくさく解くように心がけて1周解き、もう1周見直しがギリギリできる、くらいの時間がありました。
2週して残り時間が3分か5分か?ほどのところで、自分で終了ボタンを押しました。
最後にスコアレポートが画面に表示され、合否がわかります。
退室後は、紙で印刷されたスコアレポートを受け取ります。
一応、裏返した状態ではありましたが…スタッフの方が見ようと思えばいくらでも結果は見られちゃいますね。
貰った用紙のすべて、自分のものか確認することをおススメします。
「ご自身の名前か確認してください」と言われて一番上の用紙だけ確認して「大丈夫です!」と答えたのですが、ビルを出る際に、最後の用紙が自分のスコアレポートではないことに気づきました…。
(本来は2枚なのに3枚あり、3枚目だけが別人の結果だった)
ちなみにまだビル内だったので、他の方の結果は返しに戻りました。
そんなこともありますので、名前と結果をよく確認してください。
受験後
受験日から1週間くらいで、メールの案内が届きました。
その案内に沿って、証明書やデジタルバッジの取得が出来ます。
所感
ひと通り終えての感想です。
・模擬試験が満点なら大丈夫、ではない
当然かもしれませんが、模擬試験よりは多少は難しいかなと。
本番は解きながら何度か「これは落ちたかも…」と思いました。
過去問を公開してくれないので、学習中はずっと不安ですね…。
蓋を開けてみたら、ギリギリではなかったです。
でもいくつか落としていたので、どこを落としたのか気になります。
・開発経験があればやはり有利
システム開発やRPA開発など、IT知見があればやっぱり多少は有利です。
UiPath以外でも、経験があれば無駄ではないと思います。
・実務で暗記不要でも、覚えるものは覚えておくと楽
VB.netのコードなど、通常業務では丸暗記する必要はないと思います。
いくらでも調べられますし、サジェストされるものを使ったりできます。
ただ試験対策としては、使用頻度の高い(アカデミーで登場する)ものは
覚えておくのがよいです。
暗記しておけばその場で考える必要がなく、時間節約になります。
・UiPath製品について知っておく
あくまでUiPathの資格。
UiPath製品については、大体どんなものなのか知っておくべきですね。
・個人的なおススメ:「オートメーション ビジネス アナリスト基礎」
資格対策の中核とはちょっと違うのですが…。
知りたかったけどあんまりネットで情報が無かったことが載ってました。
開発の中でいわゆる「上流工程」にあたる部分ですね。
小規模な開発だと、この工程も開発者が担うケースは多いと思います。
テンプレートみたいなものを見たかったので、単純に勉強になりました。
もっと早く存在を知りたかったな~と思っています。
・大変だった点
アカデミーの学習プランが大ボリュームで、仕事の合間にこなすのって
かなり大変です。
アカデミーのデモと現行バージョンも違い過ぎて、クラシックに
切り替えられない、アクティビティの仕様が違ってデモの通りに
作ることができない、などといった困ったことも起きました。
正直なところ、そういうつまずきで調べる時間をかなり取られたのが
しんどかったです。
それから、アカデミーは英語⇒日本語の直訳表現のような文章も多くて、
読解がとにかく疲れます。
無料だからありがたい反面、大変なところもたくさんありました。
ひたすら根気強く、辛抱強く。
本当の本当に忌憚ない本音は、もう受験したくない、な…。(笑)
学習のポイント
・アカデミーでは、デモ動画を見ながら自分でも同じ操作を行う
(ただしまったく同じようにできないこともあるので注意)
・Studio、Orchestrator等々、出来るだけ実際に触ってみる機会を増やす
・公式ドキュメントも読む
・UiPath製品について、不明点や疑問点は調べる
・VB.netの頻出コードは覚える
基本的なアカデミー受講だけでは少し足りないと思います。
でも公式ドキュメントとずっとにらめっこしてても、よくわからないです…。
やっぱり実際に触りながらドキュメント見つつ、がいいのかな、と。
私は受験料が半額になるバウチャーを買っておいたのですが、有効期限ありだったのでバウチャーの有効期限に合わせて受験日を設定しました。
いつまでも自信が持てなくてずるずる学習期間を延ばしてしまいがちなので、最初に受験日を決めてから取り組むほうがいいかもしれません。
最後に
以上、簡単な受験備忘録でした。
実務でUiPath開発実績を持っている人についてはわざわざ受けなくてもいいのかな、と私は感じています。
資格の有効期間もありますし、更新するために毎回これをやるとなるとちょっと大変で、お金もかかりすぎる…という印象。
ただ勉強のためにアカデミーを使うのはありですし、私自身は「UiPathの開発実績は無いけど知識はある」という証明をしたくて資格取得に至りました。
現状、UiPathを使って開発するような予定はすぐにはないのですが、特にアナリストの部分などは学習できてよかったと思いますし、今の実務にも多少はその知識を生かしていけると思います。
勉強しても、すればするほど果てが無いな…といつも途方にくれます。
おしまい。
・UiPath公式:https://www.uipath.com/ja
・UiPath認定資格:https://www.uipath.com/ja/learning/certification
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