【通勤電車の詩】落とし物の事情
駅のホームに耳当てがポツンとひとつ。
だれかが落としていったんだろう。
落とした方も困っているだろうが、落とされたほうは切ない。
ぼくは息子から誕生日にプレゼントしてもらった大切な手袋を、電車の中に落としたことがある。
鉄道会社に電話をしまくって、探し当てることができた。
親切な人が落とし物として、届けてくれていたのだ。
久しぶりの再会。
手袋に手を合わせて謝る。
二度と落とさないと心に誓った。
落とし物にもいろんな事情がある。
あの耳当ても無事に持ち主と再会できたらいいね。
「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。