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【ありふれた日常】世界を独り占めにする瞬間

やはり仕事をするなら昼間の明るい時がいい。
夜勤の現場作業は気分が滅入る。

世間の人は寝静まっている。
本来なら自分も寝ている時間だ。

それなのに真っ暗な屋外を動き回っている。
あまりに不自然だ。

この不自然さが心に違和感をもたらす。
"ぼくは何をやっているんだ"
夜中の12時を超えてくると、眠気と疲労が遠慮なく襲ってくる。

それに耐え続けるて平静を装う。
もう違和感しかない。

仕事を終えて、眠い目を擦りながら会社へと戻る。
バタバタと書類作成を済ませて、始発電車が待つ駅へと向かう。
会社のドアを開けて、一歩外へ踏み出す。

この瞬間が好きだ。

まだ光は足りないが視界が広がっている。
暗闇から解放された気分になる。

道路には人も自動車もいない。
世界を独り占めした気分になる。

駅まで徒歩3分。
この贅沢な気分を味わいながら歩く。

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昭真(shoshin)
「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。