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2festival
そのシャーペンはぼくの宝物だった
小学校5年生の時だった。
ぼくには7歳上の兄がいた。
その兄がその当時では珍しいサイドノック式のシャーペンを持っていた。
初めて見るサイドノック式シャーペン。
デザインもカッコいい。
ぼくが羨ましそうにそれを見ていると、兄は学校のテストで100点を取ったら譲ってくれると言い出した。
ぼくはいつあるともわからないテストのために勉強を始めた。
普段は100点なんて取れることはない。
しかし執着心というのは恐ろしいものだ。
何のテストだったか覚えていないが、ぼくは100点を取ってしまった。
兄は潔くそのシャーペンを譲ってくれた。
その時からぼくの大切な宝物になった。
あれから四十数年が経ったが、そのシャーペンはまだぼくの手元にある。
兄は20年前に黄泉の国に旅立って逝ったけど・・・。
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