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ぼくを強くしてくれる場所

島根県に日御碕という場所がある。

断崖絶壁に小さな灯台が建っていて、一般客に開放されている。

冬には海猫が帰ってきて、岬は海猫だらけ。

あまり一面、真っ白になる。

この場所が好きだ。

何もない。

土産物の店と出店が少しあるくらい。

なぜかこの場所が好きだ。

子供の頃に岬という場所を初めて見た。

高さ20mは軽くある断崖。

荒れ狂う涙波。

落ちれば確実に死ぬ。

その岬の先端に立ってみる。

世界に自分がたった一人になったような気がした。

でも、そこに一人で立てたことで、自分が強くなったような気がした。

子供だったぼくには、その時のインパクトが強かったのだろうか。

その感覚が今も残っている。

寂しくて恐ろしい場所。

でもそこに行けばまた強くなれる気がする。

かなり歳を取ってしまったけど。

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昭真(shoshin)
「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。