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曖昧な表現にご用心

"ここからそれほど遠くない"の"それほど"はどれくらいなのだろうか。

歩いて二、三分なのか、自動車で五分くらいなのか、人によってその感覚は全く違う。


仕事柄、屋外で作業をすることがある。

知らない場所に行くために道を確認することが多々ある。

打ち合わせをしている時に、"ここからそれほど遠くない"というフレーズをよく聞くことがある。

それもおもむろにそのフレーズを投げかけられる。

ぼくは少し返答に困るが、仕事上仕方がないので具体的に教えてくださいと聞き返す。

必ずとは言わないが、"えっ"っと言う顔をされることがある。

何かぼくが悪いことでも言ったかのような雰囲気になる。

ぼくはどう聞けばいいのだろうか。

"土地勘がないので、距離感がつかめない"、とでも答えればいいのだろうか。

それにしても面倒な話しだ。

仕事上の綿密な打合せの中で、主観に左右される表現はやめた方がいい。

間違いを引き起こすもとだ。


ある日のこと、部下が仕事で使う道具が見たからないから、どこにあるか知らないかと聞いてきた。

"その辺にあるだろう?"

ん?、その辺?、ぼくも人のことを偉そうに言えないなぁ。

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昭真(shoshin)
「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。