風が強い日にも良いことはある
冬の寒い日に風が強いと、寒さが一段とパワーアップする。
ただでさえ気温が低いのに、強風が寒さに追い打ちをかける。
冬の強風は厄介者でしかない。
できることなら、無風状態で日差しだけが当たってくれればいい。
そんな風の強い日に寒い日でも、何か良いことはないだろうか。
雲が流れる。
雲が風に煽られてバラバラに分断され、破片となった雲が勢いよく空を駆け抜けていく。
まるで孫悟空のように、雲の破片の上に乗れそうだ。
夏の入道雲は分厚くて大きな塊だ。
同じ雲だとは思えない。
冬のオリジナルの景色だ。
枯れ葉が宙を舞う。
紅葉を終えた無数の枯れ葉が視界を閉ざす。
そして舞い踊る枯れ葉に包まれる。
桜吹雪ならぬ枯れ葉吹雪だ。
枯れ葉は枯れ葉でまた味がある。
なんて幻想的なんだろうか。
これも冬のオリジナルの景色だ。
景色が遠くまで見える。
強風が空気中の微粒子を吹き飛ばしてくれるのだろうか。
空は夏のように青く澄み渡る。
普段は見えない遠くの山々がはっきりと見える。
少し雪化粧でもしてくれていたら、見慣れた景色でも写真に収めておこうと思う。
冬にしか見ることができないオリジナルの景色だ。
冬には冬の特別な情景がある。
そんなことを楽しめるように、心にゆとりを持とう。
でもやっぱり寒いのはごめんだ。
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