手がかかる子ほどかわいいということが子育て歴11年目でやっとわかった
私は私と弟の二人姉弟で、私が手がかからない子、弟が手がかかる子だった。
母はよく「もし、ささ一人だけ育ててたら子育てなんて余裕って勘違いするところやったわ」と言っていた。
でも「手がかかる子ほどかわいい」とも「男の子はかわいい」ともよく言っていたし、そんな発言などしなくても見てるだけでわかるほど母は弟を溺愛していた。
私は心が狭いからか人として小さいからか、絶対手がかからん子のほうがかわいいでしょ、と思っていた。
かわいいというか楽だし手はかからんに越したことないでしょ、手がかかる子ほどかわいいって余裕あるなぁと思っていた。
そして私は男の子ばかりの三人兄弟を育てているのだが、母の「男の子はかわいい」は長男を出産してすぐに納得した。
母が弟を溺愛していたことも納得である。
でも"手がかかる子ほどかわいい"は三男が5歳になった今でもいまいちピンとこなかった。
うちは長男、次男が手がかからず、三男がとびぬけて手がかかる。
三男は甘え上手で、自分でやらないといけないことを隙あらば人にやってもらおうとする。
今は仕方なく自分でやっているが、もう少し三男が小さいころは自分でできるのに「ぼく靴はけない」だの「服着替えられない」だのよく言っていた。
私や保育所の担任の先生などは三男が自分でできるのを知っているので「自分でできるでしょー」と言われてしまう。
そのため仕事が忙しくてあまり子育てができていない旦那や、保育所に新しくきた先生、フリーでどのクラスにも入る先生などを見つけては透かさず「ぼくできない。やってー」と言う三男。
長男、次男よりも確実に賢い。
先週の土曜日、そんな三男の保育所最後の運動会だった。
通っている保育所の運動会は毎年、年長組が竹馬と大縄跳びをする。
長男・次男は、運動会のときに初めて竹馬と大縄跳びをするのを見て、できるんやなぁくらいの感想だった。
ところが三男は運動会の練習が始まった途端に「ぼく、竹馬と大縄跳びできないから保育所に行きたくない。」と言い出した。
毎日「三男なら絶対できるよ!」と応援する生活が始まった。
運動会の3週間前でもまだできなくて、週末に竹馬を保育所が貸してくれるようになった。
長男・次男はできていたので、竹馬を借りたことなどなかった。
それから週末は三男と公園での竹馬練習が始まった。
土曜日に私と三男が公園に行き、私が竹馬にのってみると、のれなくなっていた。
私と三男の目が合い、えっ…どうする?とアイコンタクトでハモった。
日曜日に旦那と三男が公園に行き、1時間程で帰宅した。
のれるようになった?と旦那に尋ねると、公園に着いてすぐ三男が遊具に夢中になったから竹馬してない。と旦那。
月曜日に先生にそっと竹馬を返し、金曜日にこんどこそ!とやる気満々で竹馬を借りた。
三男に「いい?ママ。竹馬はこうやってのるねん」と、三男に教えられた。
三男は5歩程度のれていた。私は0歩。
そこから「えっ!三男すごい!どうやったらそんなにのれるん!??教えて!!」と褒めまくる作戦。
再び月曜日にそっと竹馬を返した。
運動会を翌週に控えた竹馬を借りることができる最後の金曜日は大雨だった。
私は自転車で保育所にお迎えに行くので、普段でも竹馬を持って帰るのが大変なのだが、さらに大雨である。
さすがに先生も持って帰ってとは言わないだろうと思っていたが、お迎えに行くと先生の目には晴天に映っているかのように普通に竹馬を渡された。
次の日は晴れていたので公園に練習に行くと、三男が竹馬にのれていた。
竹馬で永遠に進めるのである。
やはり保育所の先生はすごい。(月曜日から金曜日は保育所で竹馬の練習をしている)
なぜ雨のなか竹馬を持って帰らせた。
そして運動会当日、三男は一度も足を地面につくことなくゴールまで竹馬にのれた。
大縄跳びもできるようになっていた。
マスク着用で本当によかった。私の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。
さすがに人前なので抑えたが、家で一人でこの光景を見ていたら、確実に大声で泣いていた。
母の言っていたことがようやくわかった。
手がかかる子がかわいいとはこのことか!!
でも手がかからない子もやっぱりかわいい。
結果、自分の子はみんなかわいい。
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