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2019年8月の記事一覧

教室は水深1.6m 少し背伸びしないと苦しい

教室は水深1.6m 少し背伸びしないと苦しい

「おいしいの?」

 放課後、文庫本を読んでいると、斜め上から声がした。視線を上げると、机に置いてあった黄色い箱を手にとりながら、西田麻衣が見下ろしている。

 おいしいかどうかなんて、考えたこともなかった。キャラメルはキャラメルの味で、それ以上でも以下でもない気がした。そのことをうまく伝える自信がなくて、黙っていた。

「よく食べてるよね。よっぽど好きなんだね」

 (好きだから、ってわけじゃな

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