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ファッションは生き方 / #ファッションが好き

私の仕事は洋服の販売だ。このところの「断捨離、終活、モノを持たない生活のススメブーム」は、物販の仕事にはとても迷惑な話だ。それでなくても「アパレル不況」と言われて久しく、安けりゃよしとされるような流れ。一時期のブームは少し落ち着いたと思われるが、高いものが売れず、使い捨てのようなファストファッションがもてはやされ、TPOを考えずどこにでもどんなファッションで行ってもOKとされるようになったのは女性たちの緊張感とオシャレ心のテンションを落とし、安っぽくランクダウンさせたのではと思わざるをえない。(あくまでも一個人の見解ですのでファストファッションを冒涜するような意図はございません。)

良いものはその人の佇まいをも変える。

高けりゃいいというわけではなく、良い品質の物はそれなりの値段がついてしかるべきだと思う。素材のよさ、作る工程の手間隙や拘りは、やはりコストがかかるもの。海外の安い人件費で作る大量生産の物とは明らかに違って当然なのだ。

そしてそれなりの値段のものを買うとなると、やはり丁寧に扱うし、着たときの心持ちも違うはず。シャンとするし、「良いものを着ている」と自覚する。それは自信や安心にも繋がるので、人前で堂々としていられる。そしてなにより、上質なものは身体にも良い。時間とコストがかかった品物はデザインやパターンの段階で確実に違う。

よく言われるのが、「若い人の店で買ったもは着心地が悪くて結局着られない。」という話。若い頃から体型が変わらず、スマートでスタイル自慢の40代以上の女性なら経験あるのでは?

これは体重やパッと見が変わらずとも、確実に加齢によって肉の付きかたが変化したため、平面的な若いパターンに身体が合わなくなったからだ。サイズは合っているのに着心地が悪い。

いくら細くても背筋が落ちて皮膚が弛むと背中の脂肪がダブつき、肉が下がってボトムのウエストの上に乗っかる。

腹筋が無くなり、胃や腸などの内蔵が押さえられなくて出っ張る。いわゆる「下っ腹」というやつ。

そしてお尻や肩まわりや太ももの肉が落ちてなんとなく貧弱になっていく。ここら辺の肉が落ちると一気に「婆さん気(ばあさんげ)!!」になるので要注意。特に太ももとお尻は最重要だ。若い頃は太ももが痩せたい、お尻も小さくなりたいと切に希望したが、お尻が落ちて太ももが細くなるとパンツが似合わなくなる。ショボくなって、それこそ「ばあさんげ」。だからパーーン!としたお尻と太ももをお持ちの方は大切にしてください。お尻を上げるヒップアップ体操と太ももを維持するスクワットやウォーキングをオススメします。

おっと、話が反れたが「良いもの」を厳選して揃えると、少ない数でも満足できる。自信を持って心地よくいられる。

私がオススメするのは、その年買ったのもをフル回転させ、その年に着潰すこと。数は沢山いらない。ただ、その年の新鮮なファッションを着ることによって自分自身がリニューアルされ、いつも新しい気持ちでいられて気分がいいのだ。それによって仕事や人とのつきあい方もパフォーマンスが上がって結果的に満足感が得られることが多くなる。俄然、誉められる事が多くなる。女性はこれ大事!

何年も前の、滅多に着もしないタンスの肥やしをいつまでも捨てられず、勿体ないからと時々出しては古くさい着こなしをして何か良いことがあるだろうか?私はないと思う。それらは思いきって一度断捨離してみては?タンスから消えたあと、しばらくしてそれらを惜しいと思い返すことはたぶんないと思う。何を持っていたのかさえきっと思い出しもしないだろう。そしてスッキリとスペースが空いたところに、今年買った新しい服を余裕を持って丁寧に収納してみてほしい。きっと心がウキウキして、沢山出番があるはずだ。

洋服で「一生もの」は存在しない。定番と言われるテーラードジャケットやトレンチコートやコットンシャツも、毎年パターンは変わる。アームが細くなったり太くなったり、身幅がゆったりしたり肩がドロップしたり。新しい素材が開発され、着心地が格段に良くなったり取り扱いが簡単になったり。どこかしら何かが変化してゆく。変化するからこそ、ファッションなのだ。

私は毎年、シーズンが終わるときと翌年のそのシーズンが始まるときの2回、思いきって断捨離する。ワンシーズン着倒してヨレたものは迷わずシーズン終わりに処分。来シーズンもきっと着るだろうと思う物だけ残しておく。そして1年後の同じシーズン頭に再度それらをチェックすると、「あ、やはりもうこれは違うな…」というのが必ずある。それらを思いきって処分してから新しいシーズンの物を買うようにしている。するとクローゼットの中の洋服の数はずっと一定数のまま。パンパンになって「やたら数はあるのに着るのもがない」という状況には決してならない。

「モノを持たない生活」とは、「何も買わない」ということではなく、「既に持っているものを見直し、新しく買うものを厳選する」ということだと思う。裸で外を歩くわけにはいかないので、毎年必ず買いますよね?その前にまず、今の自分の持ち物を再点検してみてはいかがでしょう?要らなくなった物たちは心を錆び付かせ、身動きが取れない手かせ足かせになっているかもしれませんよ。

さあ、今日も風通しの良い、見晴らしの良いクローゼットから新鮮な服を選んで出掛けよう!

いつまでも心も身体もフレッシュで軽やかに生きていくために。


#ファッションが好き #エッセイ #断捨離 #私の仕事 #生き方



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