和菓子より"和菓子っぽい"ものが売れている
タピオカが大流行していますね。紅茶があまり得意ではない私はあまりブームに乗れずにいます。
和菓子とコーヒー をやっていても女子は圧倒的に紅茶派が多く、コーヒー飲めない人がたくさんいること、そして女子はもちもち食感が大好きなので、タピオカが流行るのも納得なのですが、ここまではやるのはやっぱりすごいな、と思っていた時に見つけたのがこのnote。
理由の二つ目に気になる表現を見つけたんです。
タピオカティー=黒糖とお茶で構成=和菓子=日本人は好きな味。
え、って一瞬なりました。まさかここを結びつけるのか、と。でも気づいたんです。和菓子ではなく"和菓子っぽいもの"が流行っているということを。そんなわけで、流行と和菓子っぽさをまとめてみました。
🧋ドリンクに見る和菓子っぽいもの
タピオカブームのおかげで、独自性を出してくる商品も増えました。タピオカではなくわらび餅を使ったもの、抹茶ゼリーを使ったもの、小豆を使ったもの、きな粉を使ったものなどなど。いくつかのお店を紹介します。
◼️TP TEA
・タピオカ小豆ラテ
・抹茶小豆ラテ
◼️OCHABA
・トッピングがタピオカではなく黒糖わらび餅or白玉
◼️FUK COFFEE
・黒蜜きな粉ラテ
・みるく金時(抹茶ゼリー+小豆フラッペ+小豆クリーム)
🍡食べ物に見る和菓子っぽいもの
和の要素を含んだ食べ物(主にあずき)を紹介します。パンとあずき、というと洋と和が組み合わさってる感じあるけど、もともとまんじゅうは小麦粉生地なわけで相性が悪いわけないのです。
そして、あんこと生クリーム、あんことバター、あんことバニラアイスなど、あんこと乳製品の相性の良さに最近にようやくみんなが気付き始めたのがブームのきっかけな気がします。(個人的にはあんことクリームチーズの組み合わせが一番好きです。)
◼️あんバター
もともと名古屋のモーニングの名物"小倉トースト"。近年の食パンブームなどからパン+あんこのスタイルがじわじわ人気になり、最近では雑誌での特集、様々なお店であんバターを見かけるようになりました。
・1 ROOM Coffee(食パンタイプ)
・GARDEN HOUSE CRAFTS(丸パンタイプ)
・羊羹で作るあんバターサンド
先日テレビで紹介されていましたが、コメンテーターの方も「これは和菓子ですね!!」とコメントしてました。
これだけあんバターが流行っているのを見ると、決してみなさんあんこが苦手なわけではない様子。和菓子の話をしていると、つぶあんは苦手、という声もよく聞くけれど、あんバターはほとんどつぶあん。和菓子が売れないのはあんこの問題ではなさそう。
◼️アイス
・やわもちシリーズ
元々はあずきバーを作っていた井村屋が出した新商品。
人気アイスブランドからも続々とあずき味が発売されています。
・ガリガリ君/抹茶あずき
・パピコ あずきラテ
・ハーゲンダッツ 和みあずき
・ジャイアントコーン 大人のあずき
今年の夏もあずき味のアイスがはやることを期待しています…!
◼️チロルチョコ×和菓子
ご当地銘菓とコラボしたチロルチョコ。
あんこやまんじゅう生地を果たしてチョコでどう表現するんだ…と思っていたんですが、食べるより前に、まず袋を開けた瞬間にふわっと香る匂いがそれぞれのお饅頭の特徴を捉えていました。
もみじ饅頭のこしあんチョコは若干きわどいかな?と思ったものの、元々のお饅頭がホワイトチョコでコーティングされているかもめの玉子はなんの違和感も感じることなく、おいしくいただきました。
◼️いちご大福
いちご大福は"和菓子っぽいもの"だと思っています。これは決して否定しているわけではなく、むしろいちご大福は一番理想の形だと思っています。
和菓子の要素を含みつつ、いろんな業界がアレンジしているこの感じ。しっかりと和を感じたい人は和菓子屋さんで買えばいいし、いちごを楽しみたい人は果樹園が作るものを、洋風に楽しみたい人はケーキ屋さんで、雰囲気を味わいたい人はパン屋さんで。
先日パン屋さんに行った時にも「いちご大福」というパンを見つけました。白あんに練乳が加えられたあんこにいちごが乗せてありました。いちご大福は約30年前にできた和菓子の中では新しい商品。だからこそアレンジも加えやすいのかもしれません。個人的にはいちごがしっかりと包んであるスタイルのものが好きです。
👗ファッションに見る和菓子っぽいもの
◼️TORAYA×SHISEIDO
去年の3月、老舗和菓子店とらやと有名化粧品メーカー資生堂がコラボした和菓子の色を使ったコスメが誕生しました。
口紅2色(桜貝/花明かり)
ネイルエナメル2色(さくら/さくらふぶき)
食べなくても身につけるのは新しい和菓子の楽しみ方。
◼️桜餅ファッション
春によく使うピンクとカーキを使った桜餅コーデが話題になりました。
和菓子の色は見るだけでほっこりするので優しい色使い。また、色の名前も可愛らしく美しいものがたくさんあります。食べるだけでなく目でも楽しませてくれる和菓子の魅力の一つ。私も配色表を作って遊んだりしています。
まとめ.みんなカジュアルな"和"を求めている
以上のものを見ても分かる通り、みんな"和"を欲しているということ。しかし、"和菓子"という言葉のイメージがあまりにも日常からかけ離れたものになってしまったがゆえにそのものを楽しむのではなく"ぽいもの"として楽しむようになったのでは…と思っています。
和菓子は上生菓子(抹茶と食べるような季節をモチーフにした綺麗なお菓子)から、日常づかいのお菓子まで、多種多様なものが揃っています。
ただ、和菓子=敷居が高いものになってしまったせいで、饅頭や大福、どら焼きなど一般的に和菓子といって認識されない日常的な和菓子が危機的状況にあり、商店街にあるような小さなお店はどんどんなくなっています。
みんな求めているんです"和"を。カジュアルで、日常で楽しめるものを。これからはきっと和菓子、洋菓子の境界線がどんどんなくなっていくんだろうと思います。
だからこそ、和菓子業界が和菓子業界だけで頑張るのではなく、いろんな業界とコラボすることで和菓子そのものを楽しむ人もきっと増えるはず、と私は信じています。
コンビニはコンビニの和スイーツを、デザイナーさんが手がける和菓子屋さん、飲食店が手掛ける和菓子屋さん、そして何十年、何百年という歴史を持つ和菓子屋さん。
それぞれがそれぞれの強みを生かして、これからより一層和菓子が多くの人に癒しのひとときを与える、元気を与える存在であって欲しいなと思います。
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