脚攣りについて
脚攣りは、主にふくらはぎで起こることが多いですが、筋肉が異常に緊張してしまい、弛緩せずに収縮状態のまま激痛を伴う症状です。
ランナーさんのようなハードなスポーツやトレーニングをしている方に多い印象でしたが、お客様といろいろ会話していると、日常の生活や睡眠時に脚が攣る方がけっこういらっしゃることに驚きました。
そこで、ざっくり簡単に脚攣りについて、私なりにまとめてみました。
筋肉の収縮
脳が、「収縮しろ!」と脊髄に信号を送り、脊髄から末梢神経(運動神経)へ、末梢神経(運動神経)から筋肉へ送ります。
筋肉は、筋束という束が集まっており、その束の中に筋線維の集まり、更にその中に筋原線維がある。
筋原線維の中には、アクチン繊維とミオシン繊維というタンパク質があり、運動神経の指令を受けると筋線維を包む膜にナトリウムイオンが流れ込み、ナトリウムイオンの濃度が高くなると、筋線維内にあるカルシウムイオンを蓄える筋小胞体からカルシウムイオンが大量に放出されて、アクチン繊維とミオシン繊維が連結することでで筋肉が収縮する。
つまり、筋肉を収縮させるには、アクチンとミオシンを連結させなければいけない。
連結させるには、ナトリウムイオンとカルシウムイオンが必要となる。
筋肉の弛緩
運動神経からの「収縮しろ!」の信号が無くなると、筋肉内のカルシウムイオンを筋小胞体の膜にあるカルシウムポンプで回収を行い、筋小胞体へ戻し、カルシウムイオン濃度が下がることによりアクチン繊維とミオシン繊維の連結が外れ、筋肉が弛緩する。
このときに、カルシウムイオンを回収するのに必要な栄養素が、ATPエネルギー(アデノシン三リン酸)です。
(一つのATPでカルシウムを2つ回収できます)
脚攣りのメカニズム
ATPエネルギーが不足すると、
ポンプ機能が作用せず、カルシウムを回収することができないため、アクチン繊維とミオシン繊維の連結を外すことができず、筋肉はずっと収縮した状態になってしまいます。
筋肉が弛緩しないと、内部の血管が圧迫された状態のため、酸欠になり周囲の細胞が刺激しあい痛みを発生させます。
ATPエネルギーも促進されません。
酸欠状態は、身体からすれば危機的な状況のため、発痛物質を出し、身体は更に緊張状態になり悪循環になりますが、意識を酸欠部に向けるようにして危機的な状況を回避しようとしております。
ATPエネルギー(アデノシン三リン酸)とは
ATPは、私たちが生きていくために必要不可欠なエネルギーの供給源です。主に糖、脂質、タンパク質によって生成され、さまざまな状況に応じて下記3つの主要なエネルギー供給で作り出されます。
①ATP‐CP系
クレアチンリン酸を分解して細胞内ですぐ作られる。
持続時間8〜10秒
(主にジャンプ、ダッシュ)
②解糖系(乳酸系)
筋肉内の糖を分解する。
持続時間30秒〜2分
(主に400〜800m競技)
③酸化系(有酸素系)
酸素を使って糖、脂質、タンパク質を分解。
長時間持続可能
(主にマラソン競技)
脚攣りを防止するには
脚攣りを防止するには、収縮した筋肉の筋原線維内に放出されたカルシウムイオンを回収して、いかに濃度を下げるか、が重要です。
カルシウムイオンを回収するにはポンプ機能の作用が必要です。
ポンプ機能の作用にはATPエネルギー(アデノシン三リン酸)が必要です。
また、筋肉の弛緩や神経細胞への情報伝達に関わるミネラルで、他のミネラルの調整役も担っているマグネシウムが不足すると、筋肉への伝達がうまくいかず、筋肉が硬直したり、痙攣をして脚攣りをおこします。
これらの栄養素は血液から運ばれてくるので、血行促進させることが必須です。
日頃から、血液の循環が良くなる食べ物と飲み物、マグネシウムが豊富な食材を摂取することと、筋肉が強ばったり、コリ、ハリで硬くなっていると血液の流れが悪いので、マッサージや熱いお風呂に浸かったりして、筋肉を解しておくことをお勧めします。
攣りがふくらはぎに多いのは、普段の生活でふくらはぎを酷使して疲労が蓄積されているのと、重力によりふくらはぎに老廃物が溜まっているので、自宅に帰ったら、熱いお風呂(湯煎)にしっかり浸かり身体に水圧を当てて老廃物を流しましょう。
マグネシウムが多い食材
マグネシウムは、サプリメントではなく食材からきちんと摂取してほしいです。
食材からだと過剰摂取分は身体から排泄されますが、サプリだと体内に残ってしまうので、他の疾患を誘発する恐れがあります。
・穀類 ⇒玄米など
・魚介類 ⇒いわし・エビ・かになど
・海藻類 ⇒アオサ・ひじき・わかめ・焼き海苔など
・野菜類 ⇒切り干し大根・ほうれん草など
・豆類 ⇒きなこ・納豆・豆腐など
・きのこ類 ⇒キクラゲ・椎茸等など
その他にもいろいろありますが、私が個人的にお勧めする食材は
・玄米
・いわし
・切り干し大根
・納豆
・わかめ
・焼き海苔
神経疾患は植物性の油が原因
日常的に脚攣りをしてしまう方は、もしかしたら、精製された植物性の油を摂り過ぎているかもしれません。
私が最近YouTubeで動画を視聴している吉野敏明氏(よしりん)の吉野敏明チャンネルでいつも「神経疾患は植物性の油が原因」とおっしゃっております。
脚攣りは神経疾患が原因で起こる可能性があります。また、他の神経疾患で脚攣りを誘発することもあります。
もし、気になる方は、最低3ヶ月、植物性の油をまったく摂らない食生活に改善しては如何でしょうか。