マガジンのカバー画像

エッセイ

4
運営しているクリエイター

記事一覧

祖母と私の歴史について

祖母と私の歴史について

今回は数ヶ月前に亡くなった大好きだった祖母についての話です。デリケートな表現も含まれているため、辛い気持ちになってしまいそうだという方は読むのをお控えいただけたらと思います。

数日前に祖母が夢に出てきてから、祖母のことを文章に記しておきたくなりました。正直なところ祖母のことを書いているだけで辛い気持ちになったけれど、なぜかどうしても書かずにはいられなくて、祖母への弔いのつもりで何日もかかって書き

もっとみる
映画が私の生活になるまで

映画が私の生活になるまで

気がつけば、私は映画好きになっていた。

小学1年生の頃、当時の6年生が卒業記念の音楽会か何かでリコーダーでサウンドオブサイレンスを演奏していて、私はすっかりその旋律が気に入った。

その後親からサウンドオブサイレンスは卒業という映画の主題歌であることを教えてもらって、それからまた数年経ったある日、DVDショップで500円で卒業のDVDが売っていたので買ってもらった。
数年経ったとはいえまだ小学校

もっとみる
夏が苦手な私の、夏の楽しみ方

夏が苦手な私の、夏の楽しみ方

夏は苦手だ。

茹だるような暑さ。
身体中から噴き出る汗。
首元にへばりつく髪。
崩れる化粧と髪型。
日焼け。
どこからともなく湧いてくる虫たち。
無数の虫刺され。
熱帯夜。

夏が苦手な理由を挙げはじめるときりがない。

そんな私だけれど、なんだかんだで毎年それなりに夏を楽しんでいる気もしている。

夏に1番幸せを感じるのはクーラーの効いた部屋で布団にくるまって眠りに落ちるとき。
なんともいえな

もっとみる
ランデヴーへ、行きませんか(ほんの少しの自己紹介も兼ねて)

ランデヴーへ、行きませんか(ほんの少しの自己紹介も兼ねて)

夜が更けて、そろそろ寝ても良いけれどこのまま眠るのは少し惜しいよね、という時。

「アイスでも買いにいこっか」、隣にいるあの人とふたり、財布と携帯だけをポケットに突っ込んで、ほんの少しの喧騒と着々と広がる静寂の入り混じった通りへふらりと出る。

昼間と比べてひんやりとした、それでも優しい風に包まれながら、私たちは街に溶け込んでいく。

他愛もない話をしながら、涼しさと人通りの少なさをいいことにいつ

もっとみる