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地方国立大学卒の純ジャパがアメリカで現地採用を勝ち取って移住するまで
はじめましてゆっといと申します。
日系企業に6年勤務し、駐在員を4年経験した後、今年から米国現地企業に採用され、アメリカで働いています。
今は現職で機械エンジニアとして働きながらグリーンカードのサポートをしてもらう方向で調整中です。
僕は地方大学出身の大して高学歴なわけでもエリートなわけでもありませんし、帰国子女とかでもない普通の純ジャパでしたが、米国の現地採用を勝ち取ることができ、夢のアメリカ移住を実現しました。
そこで、このNoteでは誰にでも再現性のある確実なアメリカ現地採用を勝ち取る方法を解説しようと思います。
まずアメリカで採用されるためには
アメリカで日本人が採用されるにはビザサポートが必要です。カナダのようにジョブオファーなしにビザやグリーンカードを取ることはできません、必ず内定が必要です。
当 然アメリカ人を押しのけて採用する性能な理由がないとビザのサポートはできません。ましてやNonNativeの日本人を採用するので、語学力だけでは問題外です。
これはコストや言語力の問題ではなく、ビザの問題で、外国人を雇用する企業はアメリカ人を雇用せず外国人を雇用しなければならなかった客観的な証明が必要になります、米国現地採用を狙うならアメリカ人ではなかなか見つからない専門性を磨きましょう。
正直言って一石一丁ではいきませんので、学生時代か若手のうちからから世界で通用する高度な専門性を戦略立てて積まないといけません。
アメリカ採用を勝ち取るためのキャリア設計
僕と違って高校生、大学生の早い段階で海外の活躍を意識している学生は優秀だし素晴らしいです、僕はそんなこと考えたことありませんでした。
ただし高校生だとどうしても海外で活躍したいから国際系の学部と、安直な選択をしがちです。
断言しますが、国際系の学部は日本でグローバルな活躍をするのにはいいかもしれないが、海外に行くと途端に無価値になります。
海外の文化を学ぶ、語学を学ぶのは”日本の国際化”には貢献しますが、現地の企業からすればあなたより現地の文化を知っているし、当然英語もうまいネイティブではなくあなたを採用する理由がありません。
現地採用の日本人の知り合いはほぼ全員理系、一人は会計関連の専門家です。国際関連学部や外国語学部出身者は今のところ見たことありません。
工学系の理系が強い、ただしITはきつい。
将来海外で活躍したい!と国際系の大学に行ったものの、外国語学部や国際系学部では海外で価値がないことに気づき、何とか海外で需要がありそうな専門性を取り戻そうと独学でプログラミングを勉強する人もいますが、これは悪手です。
IT分野はかなり需要が高いのも事実ですが、一方で技術的にコモディティ化しやすく、他にもあなたと同じ専門性を持っているアメリカ人がたくさんいます。
先に行った外国人へビザを発給する要件である「外国人を雇用する正当性」の証明が難しいので、ビザサポートありの場合かなりの狭き門になると思います。
さらに上記のような、海外活躍を夢見て慌ててプログラミングを始めてしまう文系人材が理解していないことが、IT分野で言うところの専門性というのは、プログラミングできます、PythonやJavaScriptでアプリ作ってます、のようなことではなく、コンピューターサイエンスのことを言うのです。
コンピュータサイエンスとはデータ処理やアルゴリズムなどの高度に数学的な学問分野のことで、Udemyで受講できるjavaScriptプログラミングコースでアプリを作ろう!とかのことではありません。
アルゴリズムやデータベースの理論を習得していればアメリカの現地採用などでも戦える高度人材になれるとは思いますが、IT技術とはどのIT企業でも必要なコモデティ化しやすい分野であるのも確かです。なのでビザサポートをもらって働いている日本人はアメリカ人でもなかなかいないレベルの相当優秀な工学技術者であり、文系の人が独学で到達できるものではありません。
今アメリカで現地採用ビザで働いている人が一番多いのはインド人ですが、彼らは母国もしくはアメリカでコンピューターサイエンスを修了している人たちで、コンピュータサインスの数学理論を理解できていない独学プログラマーは一人もいません。
ではどの専門分野を選ぶべきか:工学系一択
日本人から一切離れてアメリカ企業でアメリカ人しかいない環境で働きたい!と思っている人が多いと思います。
ただし、それはかなり狭き門です、GoogleやAppleで働いている日本人もいますが、彼らは日本のSTEM分野ではトップオブトップの人材だということを忘れてはいけません。
凡人でもビザが出やすい条件は
・日本が強い分野である
・日系企業である
この二つです。
結局日本との関わりを頼りにしないといけないことに失望する人もいますが、やはりわざわざビザサポートするからには専門性プラスアルファがあったほうが強いです。我々日本人が労せずに手に入る、しかし他国の人材ではなかなかそうはいかないことは、どうやっても日本人で日本語が分かるということです。
では実際にどういう分野に行けばいいのかというと
工学系
電気電子
メカトロニクス
機械工学
材料工学からの設計者CAD
流体工学:CFDができると強い
化学
バッテリー関連
などの「製造業」、つまり工学が強いです。
はっきり言って最近製造業分野は人気がありません。特に都会のキラキラしたキャンパスで留学生と交流して「国際的な俺/私イケてる!」ってやっているような学生には特に人気がありません。
やっぱり工場のイメージがあってキラキラしていないからでしょうね。
ただし、日系企業で圧倒的にグローバルなのは間違いなく製造業です、日本は結局製造業大国で、国際的に日本人であることが生きてくる強い分野も製造業が多いんです。
なので英語ができて、かつこういう製造業分野で専門性を高められたらそれだけで突出できます、工学部機械工学科出身でなおかつ英語ができる学生は今本当に珍しいですが、需要がものすごいので間違いなく国際的な分野で突出できます。
ちなみに僕の専門分野は燃焼モデリングで、燃焼関連のMBD(モデルベース開発)というのをやっています。
これでビザサポートが出た理由は主に二つあって
1.そもそもこれができる人材がいなかった
うちの会社の求人は、リンクドインに5年間求人が出続けているが、1件も応募がなかった。ビザ発給の要件である「アメリカで代替人材が見つからない」ことを簡単に満たしていました。
2.日系企業と取引がある会社なので日本人エンジニアが欲しかった
燃焼器やプラントの分野は日系企業がまだまだ世界中で強く、うちの会社も日本に顧客が多いです。
エンジニア同士でやり取りすることがあるので、技術のわかる日本人は欲しかったようです。
僕はたまたま運がよかったんだけで、学生の頃は単に車が好きだから機械工学にしようとただそれだけの理由でした。高校生が大学の学部を選ぶ理由なんてこんなもんです。
なので海外で活躍したいから国際系の学部!という選択をした学生を責められたもんじゃありませんが。
なんとなく車関連の仕事ができそうと理由で燃焼関連の研究室を志望して、そこで燃焼モデリングの研究をしていました。
それがきっかけで日本の前職で燃焼シミュレーションの仕事をしていて、機械の性能をシミュレーションするモデルベース開発の経験を積みました、これはまさにニッチだが需要のある分野で、数が圧倒的に多いわけではないです。ただし出ている求人はずっとなくならない、ニッチすぎて応募者もいないので。
IT分野と違って機械工学系はあまり転職が盛んではないイメージがあると思います、それはアメリカでも同じらしいです。
なので僕は高度な専門性+アメリカ人の応募者がいないのでビザの要件を満たして無事採用されました。
アメリカでの現地採用就職活動編
転職エージェントは使わないでください。
はっきり言って求人サイトの日本人向け求人にまともなのはないです。
公開求人の日本人向けのオファーは$50,000くらいのオファーを平気でしてきます、日本円で年収800万円弱になるので悪くないと思いきや、フルタイムで$50,000はアメリカウォルマートの店員さんくらいの賃金で、かなり貧しい生活が予想されます。
ではどうするかというと、自分でLinkdedinのアカウントを作って、採用担当者のアカウントを見つけ次第直接コンタクトを取ってください。
ビザサポートは上記の需要の強い専門性があってもなお難しいので、受け身ではなく積極的に行動しましょう。
アメリカではビザサポートありの条件の場合、30社受けてやっと一社連絡くれるくらいだと思ってください。
でも前述の通り、結局連絡くれるのは日系メーカーが多い印象です。
アメリカで企業活動している純粋なアメリカ企業の場合そもそも外国人が一人もいなくてビザサポートが何かピンと来ていないことが多くて対応してくれないことが多いです。
アメリカ移住を目指している人にとって「日系企業」と聞くとがっかりするかもしれませんが、当然アメリカでは日系も外資系企業なので、アメリカの中ではグローバル企業です。
僕の前職は日系のアメリカ拠点でしたが、アメリカ人しかいないドメスティックな会社よりビザをスポンサーすることにオープンで、色んな国籍の人がいます、日系だからと言って日本人が多いというわけではありませんでした。
最後に
アメリカで現地採用を勝ち取るには、アメリカ人ではなかなか代替できない専門性を磨くことで初めて、ビザスポンサーを得るだけの「雇う理由」をつくることができます。
英語力 × 日本語力 × 専門スキル
ニッチだけど需要がある領域を突く
日系企業が強い分野も視野に入れる
などの戦略を立てましょう。動き出すのも早ければ早いほどいいです。
しっかりと“海外で戦える武器”を身につけることで、アメリカでの現地採用への道は切り拓けます。アメリカ永住は他の先進と比べても特に難しいですが、ちゃんと戦略を立てれば決して夢物語ではありません。
みなさんのアメリカンドリームの成功を祈っています。