セックス(性)心理発達…フロイト!

こちらの図は、精神科のお医者さまであるフロイト先生による「性」の心理発達の理論です。

彼のこの理論は簡単にいうと、性的な快感は大人だけではなく赤ちゃんにもあって、赤ちゃんの場合は、その感覚は体全体に拡散されていると言います。
そして生まれてから1歳半くらいまでは、口唇期(こうしんき)といって、母親のお乳を飲むときに、唇の快感を覚えます。
それから年を重ねるごとに、肛門期、男根期(だんこんき)、潜伏期間があり、そして思春期に入ると再び性に目覚めて、ようやく異性との関係を求めるようになるというのが、フロイト先生が唱えている欲動理論です。

異性とのこのような交わりは、基本的には、タブーであると同時に、命を次世代に繋ぐためには無くてはならないものでもあります。
また、それは肉体的なものでもあると同時に、精神的なものでもあります。
そしてそれは、最高の至福の時間にもなり得ますが、精神を病むほどの地獄の時間にもなる場合もあります。
多くのアンビバレント、つまり、両極端なたくさんの側面を同時に兼ね備えているもの…
それが男女のあいだでの性行為と言えるでしょう。

~フロイト先生による「性」発達理論について~

ある日、フロイト先生は言いました…
「性欲は、幼児にもある!」

このようなフロイトの学説は、当時のヨーロッパ人の心を大きく傷つけることになります。
そして当然のように、他の学者や世間さまから多大な批判を受けることになります。

フロイト先生がこのような様々な理論や臨床経験を発表する前の時代では、赤ちゃんとは、真っ白であって、純真無垢な天使のようなものでした。
そのため赤ちゃんは、「性」という下(しも)の話しとは完全に無関係にある、と思っている人が大半であったようです。

ですがフロイトのせいで、ヨーロッパ人にとっての赤ちゃんは、純白の天使では無くなってしまった節(ふし)があります。

このようなフロイトの説が、当時のヨーロッパ人を、どれだけ大きく傷つけたか?
それは、ジェームズキャメロン監督の映画、タイタニックを見ればよく分かるかと思います。

この映画がどれだけ有名であるかは、興行収入と観客動員数を見れば一目瞭然でしょう。

そしてこの映画の35分あたりのシーンでは、上流階級の会食の席で、タイタニック号を建造した社長が、自慢話しをする場面があります。

「これは世界一大きくて、世界一豪華です。これを超える蒸気客船は、今後つくられることはないでしょう」
「タイタニックって名前を考えたのはあなた?」
「ええ。巨大な船を表す名前です。大きさ、すなわち安全性、豪華さ、そして力強さ」

するとそのとき、ヒロインのローズは、このような反抗的なセリフを投げかけます。

「あなたはフロイト先生を知ってますか?なぜ男性がサイズにこだわるのか?フロイトの説は、あなたにも言えますよね」

これは、ペニスが小さいというコンプレックスを持っている男性は、何でもかんでも大きさにこだわる傾向にある、というフロイトの説を使って、ローズが皮肉をいう場面です。
つまりローズは、
「あんたがこの船の大きさにこだわっているのは、アソコが小さい、ということを隠したい気持ちの現われだ」
といったことを言っているわけです。

上流階級のお嬢さまの口から、このようなフロイト先生の名前が出てしまい、みな唖然として気まずい空気が流れます。

この場面からも分るように、フロイトのこの理論は、当時の人びとに大きな衝撃を与えています。

では、もう少し詳しく、この問題の性の心理発達の理論を見ていきましょう。

まず、フロイト先生は、大人の性器性欲と、それ以前の幼児性欲の2つを区別して考えています。

幼児性欲は、男女との結びつきを目標とはせずに、純粋に、身体の様々な快感を求めるます。
フロイトは、「幼児は身体全体が1つの性感帯である」と言っているように、皮膚・粘膜で覆われた領域はどこでも性感帯になりえるのですが、それと同時に、幾つかの特定部位に集中する傾向もあると言います。

そして性の心理は年齢とともに移り変わっていき、まず口唇期(こうしんき)があり、次に肛門期、男根期といった段階を経ていくとされています。

まず生まれたばかりの、0歳から2歳くらいまでの赤ちゃんは、口唇期であって、このときはまだ何よりも、乳を吸うときの快感を持っている、とされています。

これは母乳を吸う、つまり栄養を摂取するという、口唇部位における自己保存の欲動に依存している、ということになります。

これは生物学的欲求に近いものであって、まだ本能に近いものと言えます。
ですが反対に、大人の性欲動は、もっと本能から遠いもので、大人の性行為は基本的に、本能とは切り離されたところにあると考えられています。

そして2歳から4歳ころになると、乳を吸うときに快感を得る口唇は終わり、肛門期と呼ばれる時期に入ります。

このときの性的快感は、お尻から排泄するときの感覚で、この時期に、自分と親などの、自他の区別がつくようになります。
そしてそのことで自我が形成されはじめてきて、子どもの感覚のなかで、自分の存在がようやく生まれてきます。
また、このときの子どもにとって、ちゃんとウンチをすることは、母親に贈り物をすること、という空想を持つこともあるようです。

次に、3、4歳から6歳くらいになると、男根期となります。

このとき、さまざまな部分欲求が性器の下に統合されます。
ただし、思春期以後の性器性欲とは違って、この段階の子どもは、男子も女子も男性性器しか、まだ知らないと言います。

つまり、男はアソコを持っている者、女はアソコを消去された者、と思い込む時期だと言います。
そのため、男の子は女の子のアソコを見ると、「ちょん切られちゃったんだ」と思い込んでしまい、自分も悪いことをすると「取られちゃうかもしれない」と不安を抱くことがあると言います。

女の子も、男の子のアソコを見ると「自分は取られちゃったんだ」と思うとのことです。

ですが大人になると、幼いころはそう思っていた、ということを、ほとんどの人は完全に忘れてしまいます。

そして6、7歳から12、3歳くらいまでは、潜伏期間(せんぷくきかん)となります。
この時期では、性の発達は一時的に中断されます。
子どもは、この時期から好奇心が旺盛となり、よく遊んだり、よく学んだりするようになります。
この時期のこどもは、色々と物事を知りたがる時期なので、義務教育も7歳からはじまり、小学校の入学は、7歳からとなります。

なのでこの時期に、エロい何かを見せたり聞かせたりすることは、教育上よろしくありません。
とにかく性的な快感はいっさい忘れているかのような時期となるので、いっぱい遊んで、いろいろと学ぶべき大切な期間と言えます。

その後、ようやく、思春期でもある性器期となります。
この時期のことは、ほとんどの大人は覚えているかと思いますので、説明するまでもないかも知れませんが…
思春期に入ると、再び、性的な快感に目覚める場合が大半です。

このときは、幼児のときのような、ただ快感さえ得ていれば良いと言うことではなくなっていて、異性のあいだでの性に向かいます。
これは言うまでもありませんが、根本的には種の保存が目的であって、子孫繁栄に繋がる欲求とも言えます。

さて、赤ちゃんが生まれてから、
口唇期→肛門期→男根期→潜伏期→思春期である性器期という発達のプロセスを見てきました。

ですが、段階と言っても、そのときそのときで完全に終わってしまうわけではありません。

例えば、口唇性欲に関しては、キスがそうですし、タバコが止められないというのも唇の快感に執着することが一因になっていると思われます。

また、フロイト先生によるこのような発達の理論は、オイディプスコンプレックスと深く関係しているのですが、オイディプスコンプレックスのお話しは、また別の動画での解説を試みます。

フロイトのこのような学説の背景という視点からみると、このような、性欲がいくつかの段階を経て発達していくという彼の理論には、
「個体発生は系統発生を繰り返す」
という深い考え方があります。

個体発生とは、この図のように、それぞれの動物が発生するプロセスのことを言います。

そして系統発生とは、その動物の進化のプロセスのことです。

つまり「個体発生は系統発生を繰り返す」とは、私たちが胎児であったときの姿は、魚のような姿をしていて、それが人間の姿になるまでのプロセスは、進化のプロセスと似ている、というこのことと関係しています。

こちらが、進化のプロセスの図であり、こちらが、84受精から人間の体が構築されていくまでの図です。
確かに似ているのではないかと思います。

フロイト先生は、次のように言っています。

自我の発達とリビドーの発達の、このふたつを評価しようと思うなら、私たちはまず、これまでまだその価値が認められていなかった1つの観点について、お話ししないといけません。
このふたつは根本的に、とても長い月日をへた、人類全体の、原始時代からの発達の遺産であり、短縮された形での反復なのです。
リビドーの発達には、この系統発生的な由来がたやすく見られると私は言いたいのです。
ある種の動物は、性器と口とは密接な関係を持っています。また他の種の動物では、性器が排泄器官と分離していません。更に別の種族では、性器が運動器官と結びついていることを、考えてみてください。

フロイト先生は、いままで見てきた
口唇期→肛門期→男根期→潜伏期→性器期という、このような性の発達のプロセスは、古いの時代から、現代に至るまでの進化のプロセスが、ここに集約されていて、それぞれの個体によって反復されている、という仮説を唱えています。
私は学者ではないので、この考えがどの程度正しいかは、もちろん分りませんが、説としては、かなり面白いと思っています。

私たちの身体は、古代からの人類の進化のプロセスをそのまま反復して形成されるんだ、と思うと、原始的な時代は、決して遠い過去のものではなくて、急に身近なもののように感じてくるのは、私だけではないのかも知れません。

いかが思いますでしょうか?

このチャンネルが、ほんの少しでも視聴者さまの楽しみとなれば嬉しく思います。

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最後までご視聴頂きありがとうございました。
ちゃんと歯を磨いてから寝るんだぞー!w
〜完〜

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結内狼

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