モンゴル帝国がもしなかったら? マンダラートで深掘りした「もう一つの世界」
先日、中学歴史の授業でモンゴル帝国について扱いました。
モンゴル帝国は、13世紀から14世紀にかけてユーラシア大陸を席巻した巨大な帝国です。
東西の交流を促進し、文化や技術の伝播に大きく貢献した一方で、侵略や支配による負の側面も持ち合わせていました。
授業では、モンゴル帝国の功罪を多角的に捉え、その影響を深く掘り下げていくことを目標としました。
今回は、その学びをさらに深めるために、マンダラートを活用しました。
思考を整理するツール、マンダラート
マンダラートは、アイデアを発想し、整理するためのツールです。
中央にテーマを置き、周囲の8マスに関連するキーワードを配置していきます。
さらに、それぞれのキーワードから連想される内容を、周囲のマスに展開していくことで、思考を深めていきます。
マンダラートでモンゴル帝国を多角的に捉える
今回の授業では、「モンゴル帝国とユーラシア世界」をテーマにマンダラートを作成しました。
中央に「モンゴル帝国」と書き込み、周囲のマスに「政治」「経済」「文化」「交流」「技術」「宗教」「民族」「その他」などのキーワードを配置。
生徒たちは、それぞれのキーワードから連想される具体的な内容を、周囲のマスに書き込んでいきました。
例えば、「政治」のマスからは、「チンギス・ハン」「フビライ・ハン」「支配体制」といったキーワードが連想されます。
このように、マンダラートを活用することで、モンゴル帝国に関する情報を整理し、多角的な視点から考察することができました。
議論を活性化させる発問
授業では、モンゴル帝国の拡大がユーラシア大陸にどのような影響を与えたのかを、メリットとデメリットの両面から考えさせました。
生徒たちは、マンダラートで整理した情報を基に、活発な議論を繰り広げました。
メリット
・東西の文化交流が活発になり、様々な技術や知識が伝播した。
・ユーラシア大陸が統一され、交易路が安定した。
デメリット
・侵略や破壊行為により、多くの人命が失われた。
・征服された地域は、モンゴル帝国の支配下に入り、自治権を奪われた。
発展課題で「もう一つの世界」を想像する
授業の最後には、こんな問いを投げかけました。
「もし、モンゴル帝国がなかったら、現代の世界はどうなっていただろうか?」
この問いは、生徒たちにとって非常に難しい課題でした。
なぜなら、モンゴル帝国の影響はあまりにも大きく、現代社会のあらゆる面に及んでいるからです。
生徒たちは、様々な資料や情報を参考にしながら、それぞれの考えをまとめました。
・ヨーロッパとアジアの交流が減少し、技術発展が遅れていたかもしれない。
・日本は、元の襲来がなくなり、鎌倉幕府の滅亡が遅れたかもしれない。
・国同士の交流がなくなり、経済や文化の進歩が遅くなったかもしれない。
・宗教や政治が、今とは全く違う形で伝播していたかもしれない。
モンゴル帝国がなければ、ユーラシア大陸の歴史は大きく変わっていたでしょう。
文化、経済、政治、宗教、技術など、あらゆる面に影響が及んでいたと考えられます。
もしかしたら、私たちは今とは全く違う世界に生きていたかもしれません。
歴史のif…を考えることは、過去を振り返るだけでなく、未来を予測する上でも重要な意味を持ちます。
モンゴル帝国の興亡から、生徒たちは何を学び、未来にどう活かしていくのでしょうか?
授業を通して、歴史の奥深さ、そして可能性について、生徒たちと共に改めて考えさせられました。