【2023夏】就活生に混じって医学生がサマーインターンの選考に参加してみた
はじめに
念の為申し上げますが、就活生を冷やかしたり、貶めようという意図は一切ございません。また、あくまでも個人での経験談ですので、最新の情報はご自身でも調べていただくことをおすすめします。また、具体的な企業名やインターン内容については差し控えさせていただきます。ご了承ください。
どんな医学生がサマーインターンに参加するといいのか
キャリアの中に一般企業を少しでも考えている
必要条件としては、一般企業への就職を1%でもキャリアのどこかで考えているということです。もちろん確率は高い方がいいですが、所感としては、30%くらいでも大丈夫そうな気はしています。さすがに全然ビジネス的なキャリアを考えていない人を参加させてくれるほど甘くはないです。
5年生が一番いい
そしてもうひとつ、大事な条件が、5年生であることです。今回狙っていくのは、2年後に卒業する人に向けた(就職界隈では〇〇卒と言います、2025年卒業であれば25卒です)サマーインターンです。
なぜ5年生かと言うと、就職は3年生の春くらいから早い人は始めています。つまり卒業まで2年ある段階でスタートしているということです。なので、広めに見積もっても、5年生か6年生で参加するのが基本線になってきます。もちろん、それより早い段階の学生に参加を認めている企業もありますが、もし大手企業のサマーインターンに参加したいのであれば、5.6年生でのアプライが基本かと思います。ご存知の通り、6年生ではマッチングや国試など、1年を通じて気を抜けない日々が続きます。大学のカリキュラムにもよりますが、個人的には5年生を推したいと思います。(夏か冬かについては個人的にはまだ就活生が仕上がりきっていない夏で勝負するのがいいと思っていますがここは夏しかやっていないのでわかりません)
既にガクチカ(学生時代に力を入れたこと)が十分にある
個人的にはこちらは必須条件かと思います。邪道ですが、新たに創作するというのも無くはないです。ただ、その事実から何を学んだか、どう今につながっているかなど、細かい設定が必要になるので、そんな暇があれば医学の勉強をするといいと思います。また、既にガクチカとなる事実があったとしても、さまざまな質問に対してどう答えていくかを準備する(いわゆる自己分析)必要があります。力を入れたことトップ3のような質問もあるので、個人的には3.4個語れるエピソードがあるといいかと思います。
僕の場合は宇宙医学の活動やアフリカへの留学、ヘルスケア系学生団体での活動などを中心に話しました。
東京の病院を視野に入れている(have better)
これは必須ではないですが、やはり大手の企業のインターンは東京で開催されることが多いです。大手は交通費、宿泊費までカバーしてくれるパターンが多いので(僕はこれは必須条件にしていました)、上手く利用すれば病院見学もついでに行くことができるので非常に有意義です。
具体的に何をすればいいのか
さて、簡単にではありますが、就活の大まかな流れと概要を説明します。素人知識ですので、詳しくは各種就活サイトやYoutubeなどを参照いただければと思います。
基本的な就活の要素としては、
エントリーシート(ES)、Webテスト、適正テスト、グループディスカッション(GD)、個人面接、その他(事業を考えてプレゼンする、とか、動画を撮って1分以内にまとめてプレゼンする、とか)かと思います。
また、企業側の狙いとしては、この時期に優秀な学生を早めに見つけておきたいということになります。実際にここで内定を出すことはないですが、大手のコンサルなどに優秀な人材が取られる前にリーチしておきたいということです。なので、企業側の期待値としては個人的には来た人全員採用しよう!というよりは、何人か来てくれたら嬉しいな…くらいだと捉えています。(だからこそ、就職する可能性がかなり薄い医学生でも選考を通過できる)
学生側としては、参加者は前述の通り、3年生か5年生(修士1年生)です。この時期に大手企業のサマーインターンの選考を通過する層は当然優秀なので、こちらもまずはこの会社について知ろうということや、この会社のサマーインターンに参加した、という実績を作ろう、と言ったところが狙いになってくるでしょうか。もちろん、本選考をそのまま受ける人も多いと思います。
Apply
各種就活サイトや、企業ごとの採用ページなどで申し込みが可能です。僕は先輩から聞いたgoodfindを利用しましたが、何でもいいと思います。(入り口が若干違うだけでルートは基本的に同じになるので)
自分の受けたい企業を探して条件(日程、選考プロセス、交通費、宿泊費、報酬、コンテンツなど)を確認して受けてみましょう。
ES
ESが無い企業もありますが、大抵はあります。個人的にはこれを出しておけば通る、みたいなテンプレートの文章を用意するのに時間をかけるのがいいかなと思います。聞かれる内容としては、基本情報+ガクチカみたいな形が基本なんですが、ガクチカ部分は自分で考えた時は通ったり落ちたりみたいな感じでした。chatGPTで添削して出すようにしてからは落ちなかったので就活している友人やAIなどである程度完成された文章を用意するといいでしょう。
もしくは、ESを何パターンか作って、5社くらいずつ興味のないところに出して、一番成績が良かったものを採用する、とかでもいいかもしれません。(僕は面倒だったので行きたいところにしか出していないです)
Webテスト、適正テスト
ここで心が折られるケースが一番多いと思います。問題は医学部入試を突破した人なら難しいということはないと思うのですが、単純に面倒です。一回で2時間くらいかかり、しかも締め切りがタイトなので、複数インターンに同時にアプライしているとかなり大変です。
Webテスト無しの企業もあるので、無い企業に絞るのもいいかと思います。コンサル企業はかなり足切り点数を高めに設定していると聞きます。(ソースあんまりなので詳しくはお調べください)避けるのも手かもしれません。
肝心のテスト対策なのですが、はっきり言うと何もしてないです。友人に聞く限りだと、ある程度練習すれば高い点数が安定するらしいんですが、力を入れなくてもそこそこの点数が取れるので個人的にはコスパが悪いかなと思っています。もしWebテストで落ちてばかり、ということであれば対策する、とかでいいと思います。(落ちたのは大手コンサルのだけだった気がします)
適正テストはただのアンケートなので、あまり気にせず答えるといいと思います。
GD
個人的にですが、GDは勝ちにいくよりも、負けない立ち回りが大切だと感じました。立ち回りとしては役職(司会、タイムキーパー、書記)を取るか取らないか、というところは大きな分かれ目で、役職(特に司会)を取れば割と有利に進められますが、司会を取らなくても随所でいい発言をすれば負けない気がします。唯一の負け筋は、司会を任せた人が暴走するパターンです。それ以外はまあ大丈夫だと思います。
対策としては、何回かYoutubeのGDの動画を見て、友達5人くらい集めて2回くらい練習すれば通ると思います。
個人面接
ここまで来ればほぼ勝ち確と言ってもいいでしょう。30分ほどがデフォルトな気がします。個人的には、この時期のサマーインターンだと、その企業に特化した理由というよりも(あるに越したことはないが)、ガクチカ(これまでに乗り越えてきた困難など)の方に重きがある気がしました。なのでここだけの話、その企業についてはほとんど調べていません。
対策としては、特にないというか、ありのまま起こったことを話せばいいという感じなんですが、唯一しっかり用意しなければいけないのは、「なぜ医学部なのに一般企業への就職に興味があるのか」という点です。ここは流石に理に叶っていないことを言うわけにはいきませんので、自分の将来やりたいこと(ビジョン)に対して、なぜそのキャリアパスが考えられるのか、というところは考えておくといいかと思います。
インターン当日
本題とは外れるので、簡単なおまけです。もちろん、その企業に対して悪い印象を与える理由はないので、それなりの態度で振る舞うべきですが、卒後すぐの就職を考えているわけではないのであれば、気楽に参加するといいと思います。せっかくの出会いなので、色んな人と話してみましょう。参加している中で自分より学年が上の人は(5年生であれば)いないはずなので、年の功で頑張ってください。
本音と建前
ワンポイントアドバイスです。面接は通常1回ではなく、複数回(最初は人事でその後他の部署、など)行われることが多いです。もちろん、自分を良く見せることは大切なので、嘘をつきたい場面もあると思います。ただ、安易な嘘は後々帳尻合わせが面倒になるので、自分を良く見せたい時は、「真実を話すか、嘘を話すか」ではなく、「真実をどこまで話すか」で調整するといいと思います。こうしておけば、仮に齟齬が生まれたとしても、前回の面接の際はここまでお話しできなかったんですが…と上手く繋ぐことができます。
実際に参加してみての小感想
最終的に、某大手インターネット企業と、某大手SaaS企業のサマーインターンに参加させていただきました。片方は完全に地頭というか、実力で選んだようなもので、もう片方は、本人の地頭だけじゃなく、パーソナリティをかなり見て選んでいる印象でした。このように、企業によって求めている人材は違うので、そういうのも事前に研究しておくと面白いかもしれません。
どちらのインターンも課題解決系だったのですが、医学以外のドメインで頭をフル回転させる久しぶりの経験で、非常に有意義な時間となりました。また、企業で働く、ということの解像度がかなり上がった気がします。普段狭い世界で生きている分、世の中にはこんなに優秀な人がいるのか〜と当たり前の感想を抱いでみたりします。いい経験になりました。
最後に
元も子もないことを最後に言ってしまうのですが、サマーインターンに参加するために、面接対策やWebテスト対策を一生懸命やらなければ通らないのであれば、あなたは多分、これをやるべきではない医学生だと思います。単純にタイムパフォーマンスが良くないと思います。片手間にやってみて、最小の努力で簡単に通ってしまうくらいの感じが理想です。そのために、僕の事例を参考にしていただければ幸いです。
普段は宇宙医学分野をメインに活動しております。宇宙医学やこの記事の内容に興味がある方はお気軽にご連絡ください。
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