【出戻り採用制度】で採用難、人材不足に対応しよう
多くの中小企業にとって採用難、人材不足は深刻な問題になっています。
求人媒体に求人広告を出してもお金だけが消えていき思ったような採用ができないという悩みも聞こえてきます。
中には、まったく応募がないということも・・・
まったく応募がないというケースでは、求人の内容や求人媒体の選び方に問題があることもありますが、それでも採用に苦労しているケースは少なくありません。
ここでは、求人媒体に求人広告を出すだけではない違った視点からの採用方法をお伝えします。
┃出戻り採用制度
会社によって【出戻り採用制度】【ジョブリターン制度】【カムバック制度】【アルムナイ制度】などなど、呼び方はいろいろですが、意味としては「一度退職した社員の出戻りを制度化した」ものです。
メリットとデメリットをよく理解した上で導入すれば、新たな採用ルートの開拓に繋がります。
┃出戻り採用制度のメリット
採用に関するアプローチ方法が増えるということはなによりもメリットです。
「隣の芝生は青く見える」と言いますが、事情があって退職した社員の中には「前の会社の方が良かった」「できれば戻りたい」と考えている社員も一定数はいるでしょう。
そういった社員にアプローチしてみる、あらかじめ門戸を開けておくというのは採用難な状況の中でとても効果的です。
未経験者や人となりを全く知らない人を雇うよりは、会社側にも安心感があるでしょう。
┃出戻り採用制度のデメリット
気を付けなければいけないのは「その人が戻ってきた後の社内の雰囲気」などがどうなるか、です。
その人が辞めたことで業務のしわ寄せを受けた人もいるかもしれません。
そうすると、その人が戻ってくることに全員が全員、納得するということはないかもしれません。
そういう意味では、その人の「辞め方」も大きく影響してくると言えます。
┃出戻り採用制度で気を付けること
出戻り採用制度を成功させるためには、ただたんに「出戻り歓迎」にすれば良いわけではなく気を付けなければならない点があります。
○出戻り対象者の辞め方
デメリットのところでも触れたように「辞め方」が重要です。
出戻り採用制度の導入にあたっては、希望者には退職時に面談を行うなどして、一定の基準を満たした場合に「カムバックパス」を発行した者についてのみ出戻りを認めるといった制度設計が考えられます。
○出戻り対象者の能力基準
能力が足りない人が出戻りしてきても会社が迷惑するだけです。
退職時のポジションや勤続年数などを基準として一定の条件を満たした人だけが出戻り採用の対象になるようにする必要があります。
○復職後の労働条件
出戻り採用により復職した後、給与やポジションはどうするのか、退職前の勤続年数との通算は認めるのかなどは、事前に決めておいた方が良いでしょう。
復職した後、かつての部下が昇進して上司になっていたということもあり得ます。
そのようなケースでは「元部下」の方がやりづらさを感じるものですが、会社としては出戻り社員よりも、ずっとその会社で働いてくれていた社員を優先する姿勢をもつことが重要です。
┃出戻り採用制度を成功させるために
出戻り採用制度を成功させるためには、「戻ってきたければ戻ってきていいよ」というような行き当たりばったりではなく、事前に決めることはしっかりと決めておくことが重要です。
また、繰り返しになりますが「ずっとこの会社で働いてくれている人を優先する」姿勢は、経営者、経営幹部、管理職、そして全社員の共通認識としてもっておく必要があります。
そうしないと出戻り社員によって雰囲気が悪くなり、長く働いてくれていた人が離職してしまう原因になってしまっています。
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