採用活動の【競合調査】┃その求人広告で競合他社に勝てますか?
「求人を出しているのに応募がない」という人はその後、ハローワークが悪い、イ○ディードに求人を出しても来ない、他の求人媒体に出してみよう、と媒体のせいにしがちです。
そこで、自社の求人広告を同業他社などと比較して客観的に見たことはあるでしょうか。
求人のタイミングや職種による難易度もありますが、まずは、自社の求人広告を見直してみることをお勧めします。
┃最近の採用求人市場
採用活動を成功させるためには、最近の採用・求人市場がどうなっているかを知る必要があります。採用・求人市場の動向を知るための指標として有効求人倍率というものがあります。
簡単に言えば、求人者(人材を求めている企業)と求職者(仕事を求めている人)の割合のことで、求人者と求職者どちらが多いかを表しています。
求人者>求職者のときは求職者有利
例えば、求職者50人に対して求人数が100社の場合、求人倍率は2.0になります。これは、1人の求職者に対して2社の求人があり求職者はそれを選べる状態であるということができます。
そうすると2社のうち1社は人材を確保できますが、もう1社は人材不足が解消しないままということになります。
求人倍率が1.0倍を上回っていれば求職者側が有利な状態と考えることができます。
求職者>求人者のときは求人者が有利
逆に求職者100人に対して求人を出している企業が50社しかなかったらどうでしょうか。この場合は求人倍率は0.5、1社の求人を2人の求職者が取り合うことになります。
企業としては、どちらか優秀な方を選ぶことができますが求職者のうち1人は職を得られないままということになります。
このように求人倍率が1.0倍を下回っていれば求人者側が有利な状態ということができます。
最近の求人状況は?
厚生労働省では、公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめ、求人倍率などの指標を作成し、一般職業紹介状況として毎月公表しています。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、採用を控える動きもありましたが、2020年から2021年末にかけて有効求人倍率はゆるやかに上昇しています。2021年10月は有効求人倍率1.15倍でした。
なお、求人倍率には、「新規求人数」を「新規求職申込件数」で除して得た「新規求人倍率」と、「月間有効求人数」を「月間有効求職者数」で除して得た「有効求人倍率」の2種類があります。
これからの求人倍率は?
現在も若干ではありますが求職者が有利な状態ですが今後、さらに求職者有利の状態が続いていくでしょう。それは、もう誰もが知っている通り少子高齢化により働き手が減少しているからです。
すでに一部業界でも人材不足が深刻化しています。その一つが飲食業などです。新型コロナウイルス感染症の影響によりこの1年近く、ほとんど営業らしい営業ができなかったところが少なくありません。
そんな中でも給与を払い、雇用を守ろうとしていたところは別として、スタッフを一度辞めさせてしまったり、給与を支払っていなかったりした飲食店などでは、緊急事態宣言後、お店を開けて営業時間を元に戻したくてもスタッフが戻ってきてくれないから開けられない、という状況に陥ってしまっています。
┃求職者が求めているもの
求職者が求めるものは人それぞれ、正社員かパートタイマーやアルバイトかによっても違ってくるでしょう。
人間関係や労働環境の良さ、福利厚生の充実、会社の掲げるビジョンに共感できるか、など求職者が会社を選ぶ理由は様々あります。
しかし、いくら会社のビジョンに共感していて、人間関係が良かったとしても周辺企業や同業他社よりも明らかに給与やその他の労働条件が劣っていたら、長期的にみて人材が定着することも新規採用をすることも難しくなる可能性が高いと言わざるを得ません。
「うちは経営理念を大切にしている」
と言っても社員の給与は最低賃金ギリギリ、社長はイイ車に乗っている、という状況では定着率は上がりません。
┃採用活動でも競合調査が重要
求人を出しているのに応募がない、という場合には一度「競合調査」をしてみることをお勧めします。
ハローワークが悪い、イ○ディードに求人を出しても来ない、リク○ビがマ○ナビはダメだ、という前にまずは自社の求人の内容を見直してみるとよいでしょう。
それも自社の求人だけを見ていても改善点が見えてこないこともあるので、競合調査が有効です。
【求人/地域/職種】の3つのキーワードの組み合わせで、近隣地域で似たような求人を出している会社の求人広告を見てみましょう。
・給与に大きな差がないか
・手当の充実度はどうか
・賞与の金額や支給実績で負けていないか
・労働時間は長くないか、残業時間はわかりやすく記載してあるか
・「社会保険完備」など当たり前のことも書いてあるか
・休日日数は少なくないか(年間休日120日未満は不人気)
その他、社内の雰囲気がわかるような記述だったり、研修制度の有無や入社後のフォロー体制などもよく見られるポイントです。
こうしたことを一つ一つ丁寧に見ていく作業がとても重要になります。
┃まとめ
今回は、採用活動における【競合調査】の重要性についてお伝えしました。
ただでさえ求人が難しい状況です。一人の人材を採用するのは簡単なことではありません。
採用活動の精度を上げるためにも一度、競合調査を試してみることをお勧めします。
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