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採用活動がうまくいかない、失敗する理由とは

採用活動の支援をしていると「採用活動がうまくいかない」、「採用に失敗した」、という相談をいただくことがとても多いです。

そもそも、採用活動の失敗や成功とはどのように判断するのでしょうか。うまくいかなかったり失敗してしまう理由はどこにあるのでしょうか。

採用活動が失敗するか成功するかは、労働条件以外の部分が占める割合が意外と大きいのです。

┃採用活動における失敗とは

採用活動における失敗とは、どのような状態のことをいうでしょうか。考え方や感じ方は人それぞれですが、一般的には大きく分けて次の2つに分けられます。

  • ・求人に対して応募がない

  • ・採用をしたがミスマッチが起きてしまった

この両方、または、どちらかの状態になったときに「採用活動が失敗した」と感じることになります。

まずは、自社の課題がどちらにあるのかを考えた上で改善策を検討していくとよいでしょう。

┃採用がうまくいかない理由

「採用活動の失敗」がどういう状態のことを言っていて、自社がどちらかに当てはまったかを整理した後は、うまくいかなかった理由を考えてみます。

求人に対して応募がない

求人を出したのに応募が無かった、あるいは想定よりも少なかったということがあります。ですが、採用を本質的に考えると応募数が多い少ないは採用活動にはあまり関係がありません。

10人採用したいと考えたとき、5人しか応募が集まらなかったら「応募が少ない」と感じるのも仕方ありませんが、無暗に応募者数だけを集めようとするのは得策ではありません。

応募者数を求めるあまり、採用基準に満たない人まで応募が来てしまい採用選考に無駄な時間を浪費することにもなりかねません。

まずは、どのような人に応募して欲しいのか、採用ペルソナを明確に設定する必要があるでしょう。

それから、求人原稿の見直しや求人媒体の見直しを検討することをお勧めします。

間違えやすいミスとしては、応募者数を増やすために求人サイトの広告費を無計画に増やしてしまうことです。「応募したい」と思えない求人原稿にいくら広告費をかけても応募は集まりません。

採用をしたがミスマッチが起きてしまった

採用選考を経て採用を決定したのはいいが、その後ミスマッチが起きてしまうこともあります。

書類選考もした、適性検査もした、採用試験もした、もちろん面接もした、それでもミスマッチは一定数、5~10%程度の確率で起きてしまうものです。

「一度、採用してしまうと辞めさせるのが難しい」のが日本の法制度です。教育を施して会社にマッチングする人材になってくれるのが一番ですが、それでも合わない場合には、最終手段として解雇や雇い止めを選択することになります。

教育、解雇、雇い止め、退職勧奨など、いずれにしても法律上の規制や制限、定められたルールがありますから、社会保険労務士や弁護士という専門家の指導のもと進めていくようにしてください。

手順を間違えると金銭的な損失の他、企業イメージのダウンによる社会的損失などのリスクを負うことになるので注意が必要です。

┃採用は労働条件だけではうまくいかない

採用をするときは、労働条件通知書や労働契約書、就業規則などによって労働条件の決定を行います。

(やっていない会社は必ずやった方がいいです)

それでも起こるミスマッチというはどういったものがあるかというと、

  • ・能力不足

  • ・できると言っていたことができない

  • ・人間性、性格が社風や文化に合わない

こういったことが考えられます。面接という特殊空間の中でよく見えた受け答えも実際に一緒に働いてみると違って感じることが多いです。

ある調査によると、早期退職理由の第1位は「職場の人間関係」であることからもわかる通り、採用する側もされる側も労働条件以外のところがとても重要なのです。

┃採用はビジョンや文化のマッチングも大切

採用活動を成功させるためには、ビジョンや文化、社風とのマッチングも大切です。ここでいう成功とは「採用におけるミスマッチを無くし、人材定着を図る」ことを意味します。

「ビジョンや経営理念ならホームページにも載せてあるよ」という経営者もいますが、それをどれくらい丁寧に詳しく求職者に伝えているでしょうか。

もっというと、既存の社員はどうでしょうか。求職者が初めて会社に訪問したとき、採用後出社したとき、「ビジョンや経営理念が社員にも浸透しているな」「ビジョンや経営理念が体現されているな」と感じさせることができるでしょうか。

多くの会社では、ビジョンや経営理念をホームページに載せたり額縁に入れて飾ってあるもののそれだけになってしまっています。

採用後、すぐに辞めてしまったり、会社と合わないと感じていたりする場合には、採用活動の最初の段階で会社のビジョンや文化、社風、言い換えれば会社の個性・性格のようなものをしっかりと伝えた上でその後の選考に進むかどうかを判断してもらうといいでしょう。

┃まとめ

今回は、採用活動がうまくいかない、失敗する理由とは、というテーマでお伝えをしてきました。

採用後のミスマッチや早期退職を防ぐためには会社のビジョンや文化、社風の理解が大切です。

当社では入社時に労働契約書や秘密保持誓約書とは別に「入社にあたっての約束」という書面があります。

労働条件や秘密保持についての書面だけではなく、ビジョンや文化、社風についても理解を促し合意した上で入社をしてもらうような書面や説明書に署名をしてもらう、というようなことも取り組んでみてもいいでしょう。



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