コンテンツを盛り上げる素敵な嘘
学生時代漫画を描いてる時に、「そのアングルで人体を見ると確かにそうなるんだけど、もっと誇張した方がカッコよくなるね」とアドバイスをもらって目から鱗が落ちたことがあります。
アニメをコマ送りにして見る作画厨の友人からも、嘘と感じない程度の嘘が画面を引き締め迫力を出してることを知りました。
上手に嘘をつくのも大事なテクニック。
そこで私が最近大好きな嘘をご紹介します。
私の好きなアニメキャラには筆跡があります。
手書きメッセージを何度も何度も目にしています。
例えばこちら。
こちらは、「映画 ハイ スピード!−Free! Starting Days−」の入場特典ポストカード。裏側にキャラクターの直筆コメントが載っています。
読んでいただくとわかるのですが、文字にも文章にも個性が出ますね。
どちらも中1の男の子なんですが、上はなぜか丁寧なですます日記調。字は上手いわけじゃないけれど、丁寧に書いている。文字サイズはやや小さめ。彼は将来身長180㎝超の筋肉質なデカイ男になるのですが、今は少し臆病で根は真面目な様子が伝わってきます。
下の子は、もう、元気いっぱい。ほぼ全ての文末につく「!」、さらによく見ると日本語が間違っています。漢字は少なめ。元気で大らかな雰囲気が出ていますね。
なんていうかもう、めっちゃ可愛くないですか?
推しの文字が可愛くてつらい。
推しの文章がまじ推し。
ちなみに表面のシチュエーションに合わせてコメントが書かれています。
もうほんと、眺めているだけで顔がほころぶ。
これが好評だったようで、同シリーズ別映画のDVD特典にも同じようなポストカードが付いています。
上は几帳面さが、下はファンシーさが滲み出る直筆コメント。
念のため申し上げておきますが、誰かが書いていることなんてわかってるんです。
でも、そんなことはどうでも良い。目の前に推しの文字があり、文章があって、それを推しのものと信じられるんだから何の問題もない。
そしてこの手書き文字がすごくてですね、時にアイドルのように直筆コメント入りブロマイド等を放出してくれます。
これは映画「特別版 Free!-Take Your Marks-」の半券キャンペーン。半券2枚をハガキに貼って応募すると、抽選でキャラクターの直筆御礼メッセージつきブロマイドが当たります。
欲しいいいいいいいい!!
実は以前も同じようなキャンペーンを行っており、当選者に景品が発送された後、大変な騒ぎとなりました。
推しキャラから、直筆メッセージが、届く……!
この衝撃を想像して欲しいのです。
二次元キャラから自分宛の直筆メッセージ。ゆれる時空。融解する次元の壁。
当選者の方がTwitterに景品の画像を上げるなどしてお祭りとなりました。「◯◯さんへ」と宛名入り。メッセージも、ちゃんとそのキャラが言いそうな内容なんです。皆で衝撃を分かち合いました。画像をアップしてくださった方には心から感謝です。
そして先ほどのキャンペーンを注意深く読んだ方はお気付きかもしれませんが、なんと13キャラクターもの筆跡が既に定まっております。
書き手を13人も集めたんですね……途中で誰か離脱するリスクとかありそうなのによくやってくれているなと思います。
ですので、こんなこともできます。
寄せ書き〜〜〜〜〜〜!!!
こちらはキャラクターの誕生日に合わせて発売された特製カード付きラバーストラップセット。
誕生日のキャラクターへのコメント(主に何をプレゼントしたか)が寄せ書きされています。
かわいいの暴力。
何をプレゼントしたのか、妄想も広がります。
普段グッズは厳選したものを、しかも好きなキャラクターのものしか買わないのですが、このシリーズはあまりにも寄せ書きがかわいすぎて全種類集めてしまいました。
後悔はない。むしろ満足だ。
この彼らの直筆メッセージのおかげで、入場特典を得るために映画館に通いましたし、メッセージを見るドキドキも楽しめました。半券を偶数枚にしたくてまた足を運び、円盤も購入し、キャンペーン当落も楽しみで、結果が出た後もまたお祭りになるんだろうなとワクワクしています。
いいんです、集団催眠で。これが白けずに受け入れられる土壌が既に出来上がっていたのも、作り手の功績かもしれません。
おかげで、映画やテレビアニメといったメインコンテンツが無い時期でも楽しみ続けることができています。
ヴィジュアルと声と各種設定とストーリー、それに加え手書き文字が加わることで、物語世界に奥行きと新たな楽しみが生まれました。
終わらないコンテンツの楽しみに、彼らの直筆メッセージがひと役買っているのです。
あ〜〜半券キャンペーン当たりますように!!!
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