新宿御苑の温室が好き
人は非日常を求めて、新たな出会いと刺激を求めて、旅に出るという。
しかし私は根っからの引きこもり気質。あまり外に出ない。遠出もしない。旅行は不慣れだ。
そんな私にとって新宿御苑の温室は、気軽に旅行気分を味わえるような場所なのかもしれない。
私はここが、大好きだ。
温室はちょっとした非日常だ。見慣れない形、色のものたちに脳みそを刺激されるのが、何よりも楽しい。
入り口で出迎えてくれる、頭の上に吊り下がったフウリンブッソウゲ。もうここで、異世界に入るような気持ちになる。
ライオンみたいな色と形。
面白いなぁと写真を撮っても、名前や種類は全然覚えられない。でもそれでも良いと思う。
へぇ、とかほぉ、とか、子どもみたいにただひたすら感心する時間が、大人にだって必要だ。
オオオニバスや熱帯性スイレンのある熱帯池沼が、私はやっぱり一番好き。
ここは、近くで見たあと、坂を登って上から全体像がつかめる構造になっているのも嬉しい。
▲近くから
▲上から
サガリバナも興味深かった。
たった一夜だけ咲いて、朝にはめしべを残して散ってしまうという。
なんて儚い。何か物語の設定のよう。
写真は地面に落ちた花。綺麗。
温室いちの、べっぴんさん。
花を撮る時は「ああ、なんて君はかわいいんだろうねぇ」と思いながらカメラを向けているので、まあまあ気持ち悪いかもしれない。
名前が気に入ったのはこちら。
タコノキ。「珍奇植物」という言葉を恥ずかしながら初めて知った。BRUTUSでも特集されてんじゃねぇか。
うねうねしていて、形が面白いテンリュウ。
毎回つい、見事なうねうねに見惚れてしまう。
季節にもよるが、バナナ、コーヒーの実、レモン、カカオなど、身近な食べ物が実っているのを実際に目にするのも楽しい。
写真はドラゴンフルーツ。
お次は香水にもよく使われる、イランイラン。
名前は知っているけど見たことがないものなんて、この世にゴマンとある。少しでも、「見たことがあるもの」が増えるのは楽しい。
そして美しいラン。
そういえば、初めてこの温室に来たのは、蘭展のときだった。
新宿御苑内をたくさん歩いてくたくたになった後でも、入りたくなる温室。
また折を見て行きたい。
そして今度は、レストランで江戸東京野菜スイーツを食べてみたいなぁ。
庭園散歩はちゃんとした旅行が億劫な陰キャなりの、癒しの非日常体験なのかもしれない。
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