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2人がいれば音楽が生まれる、2人はいつも走ってる!「キャロル&チューズデイ」にわくわくが止まらない!

人類が火星に移住して50年。
火星の大都会アルバシティで、施設育ち、歌うのが大好きなキャロルと、お嬢様育ちでギター片手に家出してきたチューズデイが出会う。

人生にいつも何か欠けていた2人が、音楽においてはぴったり合わさるピースに出会う。

運命の出会いに、なにかが始まる予感。

美しく響く歌声と、じんと心に沁み入る旋律。

2人がいれば、いつでもどこでも、音楽が生まれる。
2人はいつも、走っている。

心地よくて、美しい。今期最高に楽しいアニメ「キャロル&チューズデイ」をおすすめしたい!

わかってる、こんなとこで、誰も本気で聴いてくれたりしない。
わかってる、みんな私なんかに興味はないんだ。
でも、私は歌いたいんだ。そんな気持ちを……

豪邸から自動走行するスーツケースと、ギター片手に家出する上品なワンピース姿の女の子。

本作はそんなシーンから始まる。
正直、お嬢様の家出には興味ない。案の定、大都会の景色に見惚れている間にスリにあい、あっという間にすっからかんになってしまう。
ああ、お嬢様。迂闊な子は好きじゃないわ。
でもみるのをやめないで!この後に最高が待ってる。

そんな彼女がお腹をすかせてとぼとぼ歩いていると、道端で歌う少女に出会う。

褐色の肌にスポーティな装い。その指先からは繊細なキーボードの音、唇からは美しいメロディがこぼれる。

その音楽に惹かれ涙するチューズデイ。

あ、あの、わたし………、ありがとう!
あ、わたし、何言ってるんだろう……わけわかんないよね……?
さみしいけど、さみしくないって言いたい。ひとりだけど、ひとりじゃないって言いたい……そんな風に思ったの。
そう、そうだよ…!

何かを通じあった2人はそのまま路上演奏を咎める警察官から逃げ、キャロルの家へ。チューズデイの居候生活が始まる。

惹かれ合う2人。
はじめて出会ったにもかかわらず、メロディはいくらでも浮かぶが詞は浮かばないというキャロルに、さっきの歌を聴いて浮かんだ言葉を書き留めたというノートをチューズデイが示したことから、2人での曲作りがはじまる。

この作曲シーンは、音楽など作れない私からするととても不思議で、奇跡のよう。息を飲むほど美しく、神聖さすら感じてしまう。

一気にひきこまれてしまった

2人がいれば、音楽ができる
出会った夜でも、洗濯機を回している時でも。
歌う楽しさ、音楽が好き、という気持ちが溢れている。
みている私もわくわくしてしまう。

そして2人はいつも走っている。
警察官に追いかけられたり、勝手に借りたホールのスタッフから逃げたり、売り込み先のDJからバカにされてやらかして逃走したり。

2人の手には何もない。ただ音楽があるだけ。
何もないから、いつも無茶して走っているけど、それでも、なんだか楽しそう

2人の出会いは運命的。カチリ、とピースがはまる音が聞こえたような気がした。
こんな出会いが大好きだ。そして、人と人の出会いが人生を好転させていく様が好きだ。

人生が好転するといっても、何もかもがうまくいくということではない。
逆境も、つらいことも、乗り越えていくエンジンになるような出会いが好きなのだ。

キャロルとチューズデイもまだ道半ば。
たまたま盗撮されていた演奏動画がバズったものの、まだなにも得てないし成し遂げていない。

チューズデイは家出中の身で家族との確執はそのままだし、キャロルは今日もバイトをクビになった。学校になじめず引きこもる苦しい日々があったり、親の顔も知らず難民キャンプや施設で育ったり。
人生には足りないものだらけ。

でも、2人の先には何かが起こる!という確信がある。
みていて楽しいことこの上ない。

音楽はAIが作る時代、という設定や、子役モデルから歌手に脱却しようとするアンジェラ、ヒットメーカーで冷たく合理的なタオ、旬が過ぎた中年マネージャーのガス、かわいい顔なのにオタクで童貞っぽいAIプログラマーのロディも見逃せない。

なんだこれ無茶苦茶いい!と思ったら監督は「カウボーイ・ビバップ」の渡辺信一郎。

声優とは別に歌担当の歌手を置く本格作品で、楽曲提供アーティストも多数
歌は全編英語歌唱

各話タイトルは名曲から取っており、ストーリーとも重なって、音楽好きにはぐっとくるようだ。

1話「True Colors」(トゥルーカラーズ)
2話「Born To Run」(明日なき暴走)
 3話「Fire and Rain」(ファイア・アンド・レイン)
4話「Video Killed the Radio Star」(The Buggles)
5話「Every Breath You Take」

ああ、これは人生に彩りをくれる作品だ。

今期いちばん楽しみな「キャロル&チューズデイ」よかったらご覧ください。

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しいなかおる
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