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2項強盗、2項詐欺と不法領得の意思

今回は、2項強盗(刑法(以下略)236条2項)、2項詐欺(246条2項)について答案で検討する場合に、不法領得の意思に言及するべきか、について検討したい。

なお、念のため、あくまでも一受験生の私見である事にご留意いただきたい。

さて、結論から示そう。

答案で2項強盗や2項詐欺について検討するときには、不法領得の意思には言及する必要は無い、と考える。

理由は以下の通り。

まず、そもそもなぜ不法領得の意思が要求されるか、考え直してみて欲しい。

おそらく窃盗罪(235条)の文脈で不法領得の意思という概念は登場してくるだろう。

そのとき不法領得の意思を要求する理由付けとしては、不可罰な利益窃盗との区別のために権利者排除意思を、毀棄隠匿罪には無い利欲犯的性格を重罰根拠としているために利用処分意思を必要とする、というものだろう。

次に、この理由付けが2項強盗や2項詐欺に当てはまるかどうか、考えてみて欲しい。

2項強盗も2項詐欺も、「利益」を客体とする犯罪。

すなわち上述の権利者排除意思を要求する理由は当てはまらない。

また、そもそも「利益」を利用するしないという事自体、観念し難い。

したがって、利用処分意思を根拠付ける理由も妥当しない。

以上より、不法領得の意思を要求する理由付けが2項強盗や2項詐欺においては妥当しないのである。

そのため2項強盗や2項詐欺について答案で書く際に不法領得の意思を認定する事は誤りである。

仮に答案上不法領得の意思を認定してしまうと、余事記載になるばかりでなく、減点対象になりかねないと思う。

以上、一受験生の私見でした!

答案作成の参考になれば幸いです。

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ここまで読んでくれてありがとう。

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…あ、参考文献は基本刑法Ⅱです。

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