「筒描き」という染色技法
妻は 染色作家 Rie Susa+souco
日本の伝統技法である「筒描き」と「捺染」を用いて、布を染めています。
「筒描き」とは、色糊を筒に入れて、絵を描くように染める技法。
「捺染」とは、型に色糊をつけて、ぺたぺたと模様を染める技法。
絵柄も、色彩も、ある程度自由にできるので、
デザインの自由度がとても高く、
絵を描くように、布を染められます。
今回は「筒描き」を紹介したいと思います!!
手順は下記です。
①色糊を作る
②絵柄を描く
③色糊を置く
④蒸す
⑤洗う
※絵柄を考えたり、色彩を考えながら、①②③を繰り返します。
①色糊を作る
染料や助剤を調合し、糊に混ぜ、色糊を作る
妻は化学染料と餅米糊を使っています。
色糊は、少し硬めのカスタードクリームのような感じです。
これを筒に入れて描くので、「筒描き」と呼ばれています。
②絵柄を描く
絵柄の線を描く
絵柄を自由に描くことができます。
筒先を小さくすれば、緻密な模様も描くこともできます。(当然面倒、、、笑)
③色糊を置く
描いた絵柄に、色糊を置く
塗り絵をする感じです。
ビビッドカラーにするのも、パステルカラーにするのも、作った色糊次第。
染色教室では、色糊置きだけのコースもあります。
まさに塗り絵のように、同じ絵柄でも十人十色の作品となりとても興味深いです。
④蒸す
色糊を置き終えた後、蒸す
蒸すことで、染料が布地に定着します。
ここが一番むずかしい工程です。
蒸す時間が短いと色が入らず、薄い仕上がりになり、
長いと糊がふやけ過ぎて、色が垂れるように流れてしまいます。
(顔などから色垂れするので、「泣き」と呼んでいます)
何分間蒸すかは、気候や布の大きさなどで変わるので、経験しかないとのこと。
この写真では50分間蒸しましたが、あと2分くらい蒸した方が良かったそうです。
微妙な感覚は職人技としか言えないです。
⑤洗う
糊を洗い落とす
洗うと糊が落ち、定着した染料が浮かび上がってきます。
ここでやっと色が出てくるので、最後の最後まで仕上がりが分からず、
楽しみでも、不安でもあるり、産みの苦しみを毎回味わうことになります。
でもそれがこの「筒描き」の面白いところだそうです。