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「顔」1999年TBS秋のドラマスペシャル

脚本 大石 静(光る君へNHK)

『顔』(かお)は、松本清張が1956年10月に出版した短編集
顔を覚えていますか。

不思議なことに顔は見分けはつくが、記憶するのは難しいものだ。目と鼻と口と輪郭だけでできているが、人の数だけ顔がある。また顔は変わるのだ。当然、整形という方法もある。リンゼイさん殺人犯の高橋も整形し逃げていた。いまなら韓国で整形すれば、捜索は難しくなるかもしれない。
「顔」
誰でも人は顔を持っているなぜ顔があるのか考ええたことはありますか?
「人にはなぜ顔があるのか」
いま自分がどんな顔をしているのか、顔は心の鏡。その顔を整形して逃避行をする犯人にはそれなりに訳があるのだろうか。
 TBS"99"秋のドラマスペシャル松本清張特別企画 「顔」松本清張の代表作を、戸田菜穂を主演に据えてドラマ化した『松本清張「顔」』を放送。小林稔侍、赤井英和、斉藤慶子、石黒賢ら個性派俳優が脇を固め、重厚なテーマの中にも、人生最大の夢に賭ける女性の「生きるための性」を丁寧に描いた問題作。女優になる夢を今まさに叶えようとしている良子。だが彼女は恋人を殺害しており、さらに当日、自分の顔をある女性に見られた。井野良子(戸田菜穂)の人生最大の夢は女優だった。上京して貧しさにあえぎながらも、昼間は劇団、夜はスナックでアルバイトと無我夢中で生きていた。自動車修理工場に勤める寺島則夫(石黒賢)とは同郷で半同棲の仲だが、足踏み状態の良子を見かねて則夫は結婚という堅実な生き方を彼女に勧める。やがて、資産家の息子で劇団員の吉脇(袴田吉彦)に惹かれた良子の環境が急変。それを察知した則夫は嫉妬に狂い、2人のときの写真をばらまくと良子を脅す。朝ドラのヒロイン役が決まるか否かのときだった。良子は夢を砕こうとする則夫に殺意を抱き、言葉巧みに草津温泉に誘い絞殺する。だが、草津に向かう車中、則夫は偶然、中学時代の同級生・石岡貞子(斉藤慶子)と出会っていた。一瞬だが彼女に自分の顔を見られたという猜疑心が、その後、良子をつきまとうようになった。確信の一つにほくろが、同じ位置にあることを発見する。あの時見た殺人鬼と同一人物であることは間違いないのであった。悪事はいつか白日の元にさらされる。顔は本人そのものである。

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