北朝鮮 肖像画が「3枚」に
北朝鮮では、いたるところで初代元首・金日成(キム・イルソン)、2代目・金正日(キム・ジョンイル)の肖像画が掲げられています。
こちらの写真は平壌駅。
各家庭内にもあり、汚れたり床に落ちていたりすると、その家の人たちは酷い目に遭います。
そこに、ついにというべきか、3枚目の肖像画が加わりました。
もう3代目の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が権力を継承して10年を超えます。なので、彼の肖像画が祖父と父の横に加わることは、初めての構図なだけにまじまじと見てしまいますが、驚くような展開ではありません。
ただ気になるのは、なぜ今なのか、です。2つほど可能性を掘り下げます。
「4代目」への布石?
北朝鮮の指導部とロイヤルファミリーの内部で何が起きているのかを把握するのは容易ではありません。どうしても推測がメインになるのですが、このタイミングで正恩氏の肖像画が加わったことに関する一つの見方は「4代目」への世襲に向けた一手です。
え?正恩氏は3代目ですよねって?
そう、3代目の肖像画なのに4代目に関係するというのは、その4代目に内定したという見方が強まっている娘のジュエ氏を考えてのことだという分析です。
なお、本当に「ジュエ」という名前なのかは断定できません。「ウンジュ」だという説もあります。詳しくはこちら ↓ 。
彼女の名前がどうなのかはさておき…
北朝鮮として初めて女性が最高指導者になるとすれば「これまでの世襲より早く党幹部や人民に慣れさせた方がいい」との判断で正恩氏がまだ幼い娘を連れて現地指導を重ねているとみられます。
その延長線で、「まずは自分の肖像画も祖父や父の隣に掲げることで、3代世襲を完全に定着させる。それが4代目も世襲へのレールを敷くという効果がある」とロイヤルファミリーは判断した可能性は、確かにあります。
肖像画めぐって妙な動きも
もう一つ、私が考える可能性をお伝えする前に、最高指導者の肖像画をめぐっては、最近、驚くような画像もかの国から出てきました。
以前、記事にしたのですが、初代・金日成の画が消えて、正恩氏の父である金正日のだけ掲げられている場面です。
肖像画が3枚になった今回の変化より、1枚だけに減ったことのほうがずっと驚きでした。
このときも書いたのですが、ロイヤルファミリー内の複雑な関係から、金正恩氏は祖父に会ったことがない、という見方が有力です。それもあって、彼は祖父に対して何か思うところがあるのかもしれません。
「祖父と父の否定」からの揺り戻し?
その流れから「肖像画が3枚に」のもう一つの可能性へと話は移ります。
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