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ニコ生で1000回負けるまで非想天則をした話

この記事は僕がニコ生で東方非想天則をしていた時代の話である。
具体的に言うと2009~2010年頃の話である。

もうすでに開幕2行読んだだけで体力10割削れたオッサンたちもいるかもしれないが、この記事はオッサンが当時の経験を「うそぉんニコ生全盛期ってそんなに昔なの?」と胃に穴をあけながら振り返る記事である。

東方非想天則 ~ 超弩級ギニョルの謎を追え

今の若い子は知らない人がいるかもしれないが、当時はとんでもなく人気な覇権コンテンツのひとつだった。
ジャンルは弾幕アクション。格ゲーのようで格ゲーではない格ゲーのような何かである。

当時の僕は今以上にゲームの腕がボロクソで、前作の東方緋想天ではEasyスレでなんとか戦え、Normalスレではボッコボコにされる程度の腕前であった。

当時はランクマッチやフリーマッチなんていうマッチングシステムはゲーム内に無く、掲示板で強さ別に戦うスレッドが立てられていてそこで野良対戦をしていた。
ちなみにスレッドはVery Easy / Easy / Normal / Extra / Hard / Lunatic / Phantasmでランク分けされている。

ニコ生で天則をした経緯

僕がニコ生をはじめるぞ、という時に選んだタイトルがこの東方非想天則だった。
なんでわざわざ得意でないゲームで? と思うかもしれないが、これにはワケがある。

理由1:ひとつの対戦環境として優秀だった

ひとつは多種多様な人とたくさん対戦できること。
前述した通りこのゲームにはマッチングシステムなんていう便利なものはなく、1P側がサーバーを立てて2P側がそこに接続しにいくことでのみネット対戦ができた。
これがニコ生ととても相性がよく、生主がサーバーを立てながら待っていると視聴者が現れて接続して対戦開始という、ゲーム的にも放送的にも美味しいシステムだったのだ。

理由2:腕前の上達を目指して

もうひとつは本気で上手くなりたいと思っていたこと。
ニコ生は対戦するだけでなく、その対戦を配信を通じて視聴者が見ることができた。
今でこそ当たり前な配信風景ではあるが、当時Webサービスでこれができるのは日本人にはかなり珍しかった。

WMEやピアカスの話をすると多分またオッサンたちの屍が積み上がるので今回は無しとする。
僕はニコ生時代の前は実VでWME使って配信をしていた。

無差別でいろんな人が対戦にきて、さらにそれを見て反応してもらえるというのはこの上ない上達方法だったのだ。

理由3:好きなゲームだったから

あと純粋に東方が好き。
レミリアお嬢様が大好き。

いざ、ニコ生へ

さて、配信で非想天則をやることに決めた僕にはひとつ決めたことがあった。
それは「100枠やるまでは非想天則以外の配信をしない」ことだ。

ニコ生では1回の配信は基本30分であり、その30分を1枠と呼んでいた。

これは対戦を重ねるためというのもそうだが、視聴者に「この生主は非想天則をする人」と覚えてもらうことが大きい。
これは現代の配信にも言えると思うが、ターゲッティングを明確にした方がリピーターが増えやすい。これは当時でもそうだった。

そうしてニコ生をはじめ、非想天則でレミリアを使ってせっせと戦っている時、その人は現れた。

師匠との出会い

僕が師匠と呼んだその人は、当時のレミリア使いなら知らない人はいないレベルのトッププレイヤーだった。
いろんな配信を見に行ってはアドバイスをしていたらしく、おそらく今はもう僕のことなんて覚えてないと思う。
それでも僕にとっては今でもめちゃくちゃ尊敬する人だし、あの時の経験が今にいきることも多くて、すごく大切な記録となっている。

1000回負けてから文句を言おう

これは僕が配信しながら「勝てないよ~~~」と泣き言をほざいている時に師匠が放った言葉だ。
対戦回数が少ない状態で勝てないのは当たり前。世の中にはもっと対戦を重ねている人はいっぱいいるしセンスがある人もいっぱいいる。
その差を埋めようとするならたくさん戦って、たくさん負けて、たくさん覚えるべきなのだ。
でも当時の僕はそんなに意味はよくわかっておらず「じゃあ1000回負けるまでやったらぁ!」と馬鹿丸出しで戦っていた。台無しである。

実際に1000回負けて

そして僕は1000回負けるまでやった。
強さ的には「まぁ多少は強くなったか……?」程度の感覚だったがまぁ強くはなった。具体的には住むスレッドがNormalからExtraに変わった程度。
まぁそんなもんかと思うかもしれない。
でも腕前が上がるとかそんなことどうでもいいくらいにこの1000敗は大事なことを教えてくれたのだ。

理解できる負け方が増えた

わけもわからずに死ぬのと、どうして負けたか理解して死ぬのでは得られるものが天と地ほどの差がある。
「こいつはこうやって俺を殺してくるんだ……ッ!」と覚えることができるようになった。
まぁ対処できるかは別の話なのだが。

視野が広くなった

対戦慣れしていくうちに、見える範囲が広がっていった。
自分のキャラとよくて相手のキャラしか見えなかったのが、体力、霊力、天候、セットされたカード……と、見えるものが増えた。

できることが増えていった

コンボ、スペカの選択、固めの抜け方などなど、いずれも完璧ではないが徐々にやれることが増えていった。
次はあれをしてみよう、これをしてみようとチャレンジしていくようになった。

対戦が楽しくなった

これが一番大きかった。
ただただ無意味にボロクソに負けるんじゃなくて、あれが出来てればまた違ったかなぁみたいな次に繋がる負け方ができるようになったおかげで「勝てない、つまんない、やめる!」みたいな小学生のような思考をしなくてすむようになった。
実際少しは成長もしたし、オラもっと戦いてぇって気持ちになれたのはとても良かった。
もしかすると1000回負けたオラにはもう失うものなんてねぇと思い切りがよくなったのもあったかもしれない。

さいごに

未だに格ゲーは全然勝てないジャンルのゲームではあるけれど、それでも楽しく遊べてるのは当時の経験が本当に大きい。

ありがとう師匠、あなたのおかげで僕は今もゲームを楽しめてます。


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