
ゲームの音楽に惚れた作品の話:5作品目 Super Glitter Rush
どうも、S(h)inと申します。
この記事は、私が「音楽に惚れ込んでから買ったゲーム」について話していくものです。2年ぶりくらいの更新になるこのシリーズ、5作品目は『Super Glitter Rush』です。
1.購入経緯
ゲーム音楽ファンが集って人気投票を行うことでおなじみ「みんなで決めるゲーム音楽ベスト100」。私はここの投票曲から音楽のよさげなゲームを探したりしているのですが、投票企画の1つ「2021年の新曲ランキング」にて一度聴いただけでとても興味を引かれた楽曲を出会ったのです。
それが『Super Glitter Rush』の楽曲「Wiggly Guys」でした。
ゲームの世界にグッと引きずり込むようなイントロからノリノリなチップチューンサウンドにダイブ。キッラキラなサビが展開して、その後は一度落ち着きながらも少しずつまた盛り上げてイントロに戻る。これが大体1ループ70秒くらいの短い間で繰り広げられるという美しさ。
はちのす(@HACHINOS_)さんが制作中の シューティングゲーム #SuperGlitterRush
— つよみー (@tsuyomi0508) March 27, 2020
以前アップされたPVで流れている曲のFULLバージョンです!
掲載許可はいただいているので、BGMも時々アップしてSuperGlitterRushを盛り上げていこうと思ってます。
ぜひ繰り返し聴いて楽しい気分になってください~~! pic.twitter.com/yJbm6hlhUS
(作曲者様ご本人の投稿でフルが聴けます)
これを聴いたとき「ああ!これぞまさしくゲーム音楽!私の好きなタイプの曲だ!」と直感的に思いました。もともとチップチューンはジャンルとしてかなり好きだったのですが、特にこの曲は私の好みにドンピシャでした。
で、「こうなったらゲーム内で聴きたいぞ」となってゲームの内容を確認。ジャンルがSTGなのはプレイスキルの都合で不安要素だけど、レビューでは初心者でも大丈夫みたいなこと書いてあるので、それを信じてレッツプレイ!
2.基本内容について
『Super Glitter Rush』はiOS、Android、Steamで配信中の作品です。スマートフォン対応ということもあってサクッと楽しめることに重点を置いており、STGでは一般的な「道中」はなく、すぐ行える「ボスとの1本勝負」を詰め込んでいる思い切った内容となっています。

ボスごとの最高スコアなども表示
サクッと遊ぶためにと操作も簡略化されていて、プレイヤーが自機に対してできる操作は「最下段での横移動」と「ショット」の2つのみです。これしかできないとなると、必死に相手の放ってくる弾幕をよけながら、ちまちま攻撃を返すゲームになってしまいそうですが…
なんと、自機の放つショットは相手の弾を巻き込みながら飛んでいくという性質があります。また、巻き込んでいる数が多いほど攻撃力も上がるため、ギリギリまで引き付けて大量の弾を突き返すことが理想です。うまくこれが出来たときの爽快感が本作のポイント!

相手の攻撃を巻き込みながら進みます
ただし、自機のショットはエネルギー制で、相手の弾幕に混じったエネルギーを回収しないと何も撃てなくなってしまうため無駄撃ちはNG。これを忘れると、弾が撃てないのに敵の前に陣取って堂々と被弾する羽目になります。ライフ制なのでいくらかの失敗は許容されますが。
これらの「敵弾との位置管理」、「自弾のエネルギー管理」をしながらボスごとに攻略法を探りながら立ち向かうのが本作の醍醐味となります。
3.個性豊かなボス戦
ボスとの戦闘だけ、と言いましたがその種類は30。どれもバリエーション豊富な攻撃を仕掛けてくるので一筋縄ではいきません。相手ごとに弾幕の性質を理解して、最も弾を巻き込めるタイミングを探すのが攻略の鍵なので、パズル的な要素がある作品と言っていいかもしれません。

どの位置でショットを撃つ?
また、ボスの中には風変わりな特殊ギミックを搭載しているものも。どれも「STGってこういうことをしてもいいんだ…」という感じで発想の自由さを思い知らされると同時に、他の面で使った頭をリフレッシュするような作用があります。

ビリヤードしたり(右)とSTGの常識にとらわれない面がいっぱい!
もし、「クリアが難しい」とか「スコアが取れない」などの壁にぶつかったときは、別の自機キャラクターを選択するといいでしょう。面を進める度に増えていく自機にはそれぞれ性能に差があるので、もしかしたらボスと相性のいい機体が他にいるかもしれません。

代わりに初期体力は少ないので油断は禁物
4.カワイイ・グラフィック
本作の売りの1つとして忘れてはいけないのはポップでカワイイの詰まったグラフィック。ボスも自機もどっちも「カワイイ」をドット絵の中にギュッと詰め込んだ素晴らしいデザインをしています。また、ボスごとに設定された弾幕のデザインもキャラクター性を補強しているので注目です。

そのまんま過ぎて逆に面白かった
そして、グラフィックをより際立たされるのがカラーパレット。これはボスごとに設定されているもので、クリア面が増えるごとにプレイヤーが自由に設定できるカラーが増えていきます。オリジナルのセッティングもいいですが、自分の好きなパレットを見つけてプレイしていくのも楽しいですよ。

選択する自機に合わせるのも良し
5.ピコピコ・ミュージック
そして、私の購入理由となっていた音楽は本当にどれも素晴らしいチップチューン曲でした。特に「ゲームの雰囲気にぴったり合った音楽が流れている」という感じがすごかったです。全体的にポップで明るい曲が多めでしたが、ボスによってはダーティな印象を与える曲が流れたりと、ちゃんと場面に寄り添った音楽が提供されるので嬉しい限り。
プレイ前に気に入っていた「Wiggly Guys」も、実際にゲームしながらだと魅力が倍増。プレイ後に一番気に入った曲は「Mysterious Encounters」で、ハイテンポでジャジーな感じがとても好みでした。
どのようにして本作の楽曲が出来上がったのかが気になって、作曲者のつよみー氏のブログを拝見したところ、作曲の流れについて以下のように述べていらっしゃいました。
ぼくは、最終的に10曲のBGMを制作したのですが、その曲数は最初は全く決まっていませんでした。
というのも、BGMに関しては「好きなように作ってください」と発注をいただいていたのです。
そこで今回の制作では、開発中のSuper Glitter Rushをプレイして刺激を受け、思いついた曲を片っ端から作っていく、という方法で作曲を進めていきました。
そして、制作した曲をどのボスで流すかは、本作の開発者であるはちのすさんが決めてくれました。
つまり、ゲームをしっかり理解した上で作曲が行われ、できた曲を制作者自らがゲームに当てはめていったということになります。そりゃゲームにピッタリ合うわけです。
実際にどんな曲があるんだろうな、と気になった方は下記のクロスフェードデモをちょっと聴いてもらいたいです。名曲だらけなので。
6.攻略した感想
1ボスごとの攻略時間が短いので、好きなタイミングで休憩を挟める点がSTGとしては異色ながらもいい点だったように思います。おかげで集中が切れやすい私でも進めやすくて、全ステージクリアまで2.7時間くらいでした。
ただ、30面のラスボス戦がかなり特殊で急に要求される技術が高くなるのが厳しかったです。これはSteamのレビューでもかなり言われている部分で、まず攻略法を理解しないと全く勝ち目がないというのが辛い。理解した後でもタイミングを計るテクニックと、敵弾のランダム要素による運が絡んでくるので、クリアまでかなりの回数のリトライを要しました。
また、ステージクリア以外の目標として存在する実績は「ステージの星3(最大評価)を取る」といった王道のものや「特殊なボスギミックを起動する」などの変わり種もあって申し分ありません。非公開実績もありませんし、難易度も基本的にはそこまで高くありません。
が、やはりラスボスは例外です。クリアにも苦労していた面の最高評価取得はもうとにかく大変。おそらくクリアタイムが21秒を切っていることが条件の1つと思われ、それができるまでおよそ約30分を要し、ほとんど死にゲーの面攻略の様相を呈していました。

(ネタバレ回避用にボス部分は塗りつぶし)
そんなこんなで、実績全回収までの総プレイ時間は3.2時間。サクッと遊べるの名に恥じない出来で良かったと思います。まさにSTGライトユーザー向けのタイトルですが、ラスボスだけは本腰を入れる必要がありますのでご注意ください。
7.まとめ
はい、ここまで『Super Glitter Rush』について語ってまいりましたが、本当に「軽くつまめるSTG」という中にゲームデザイン・映像・音楽などの様々なセンスが光った名作でした。
先に申しました通り、iOS、Android、Steamと広く配信されておりますので、どなたでも気軽に遊んでいただけると思います。特にSteamではサウンドトラックを合わせたバンドルでの販売があるので、そちらでの入手が個人的にはオススメです。
こんなところで今回の「ゲームの音楽に惚れた作品の話」は終了。今までの記事と違ってかなり最近買ったゲームの話でしたが、こういう「熱量があるうちに記事を書く」というのも大切なことだよなぁとも思ったり。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。