Dicey Dungeonsの無料DLC「リユニオン」:ダンジョンの新装開店!
ダイスを使った運と知略のローグライクゲーム『Dicey Dungeons』の無料DLCコンテンツ「リユニオン」が2022年7月8日に配信されました。今回はその内容についてお話しさせていただこうと思います。
なお、この記事では各追加エピソードについてのルール説明などが含まれます。初見で楽しみたい方はご注意ください。
基本内容
「リユニオン」は2019年の「ハロウィンスペシャル」に次ぐ2つ目の無料DLCです。メニュー画面の「追加コンテンツ」ボタンから選んで遊ぶことができます。
物語の設定は本編開始から2年半後で、あのダンジョンから抜け出したみんなで同窓会&ダンジョンへの再挑戦を行うことに。これに対してレディラック側も気合の入った新ダンジョンで応じる構えだ。果たして全ステージを無事にクリアできるのか!?
といった具合で、各キャラクターごとに1つ、計6つの新規エピソードが用意されています。その上、各ステージに出る敵キャラクターの装備は今回のDLC用に全て変更されており、全く今まで通りにはいきません!
エピソード紹介
敵の装備が一新されているだけでも難しく感じますが、なんと各エピソードごとに本編と異なる特殊ルールが設定されています。ここではエピソードごとのルール解説と、ちょっとした攻略を載せておきます。
盗賊(難易度☆☆)
◆基本ルール
本編の盗賊エピソード1・2を足して割った感じのルールです。本編エピソード1と違うのは「借りている装備が手に入る」点、エピソード2と違うのは「全ての装備は手に入らない」点と「盗むのにコストが必要ない」点となります。
「盗む」のワンボタンで相手の装備を固定しつつ、しかも戦闘終了までずっと使い続けられるので、この盗賊の装備スロットは実質7つと言っても過言ではありません。おかげでとにかく安定して強い。
また、リミットブレイクは使用ターンの与ダメージが倍になる「バーサク」になっています。強い装備がしっかり奪えていれば相当な爆発力を見せ、一気に押し切るのに使えて大変便利です。
◆攻略を考える
ちゃんと欲しい装備を見定め、場合によってはターンを待ってまでピンポイントな装備を奪い取る。これを徹底して強固なデッキを作り上げるのが基本となります。せっかくリユニオンの新規装備をいろいろ使いまくれる機会なので「やりたい放題」やって遊びましょう!
ルールにユーザー有利な部分が多いのはおそらく「リユニオンの新要素そのものに慣れてもらう面として作られている」からなのかなぁと思っています。なので、他のエピソードに知識を生かせるように敵のギミック把握などを進めておくといいでしょう。
道化師(難易度☆☆☆)
◆基本ルール
今回のDLCで個人的に「一番分かり辛かったルール」でした。本編では手札が空いていればデッキのカードが自動で補充され続けますが、ここではターン事に規定数しか引けません。ターン開始!3枚引く!3枚使う!ターンエンド!みたいな感じで、配られたカードで戦うスタイルです。
半面、ダイスは補充され続けるので無尽蔵に使えます。ただし1個しか持てないので配られたカードと合わないと動きが取れなくなります。ダイスを切る順番、デッキ構築段階のリスク管理が大切ですね。リミットブレイクの「3枚引く」でどうにかするのも手です。
そして、なにより重要なのが特殊アイテムの「装備?」です。各戦闘1回のみ使用でき、戦闘中に永続のメリット効果を与えます。強化すると必ず1ターン目に手札にくるので、これを主軸とした戦法を組み立てたいところ。
◆攻略を考える
この道化師のエピソードのもう1つの特徴として、本編の魔女で見られた「マナ」に関するアイテムが出てくるという点があります。初期装備のうちのいくつかにも強化するとマナ関連の効果が付くものが存在しています。
が、マナ関係のカードをこのルール内で扱うのは非常に難しいです。マナ要素は「溜める」→「使う」の2ステップの装備が必要にも関わらず、手札に配られるタイミングがランダムなために魔女より安定しないのです。そのため、クリア目的だけなら切った方がいい要素だと思います。
オススメの行動は初期カードの「強烈な衝撃」を強化して2ダメージを取れるようにすることとか、使用条件のきついカードは取らない・破棄することです。ただ、前述のとおり装備品が戦術に与える影響が大きいため、そちらの効果次第では柔軟にデッキ方針を変えるといいでしょう。
戦士(難易度☆☆☆☆)
◆基本ルール
戦いの途中にトレーニングを繰り返すという忙しいエピソードになっています。トレーニングといっても相手にダメージ与える内容もあるので、実質的な追加装備といって構いません。
しかし、本来レベルアップで得られるはずの体力や追加のダイスも全てトレーニング化してしまっています。余裕がありそうな戦闘の時だけこれらの能力強化を進めて、それ以外は攻撃系でサクサク進むというのが理想です。
また、リミットブレイクはバリケード(防御+3)と貧弱ですが、これもレベルアップで得られるトレーニングによって変更することができます。ただし、変更用トレーニングは3種の中からの選択式なので装備と相談して選びましょう。
そして、本エピソードでは各装備に「使用ボタン」が付いており、ダイスを入れた後にわざわざ押さないと利用できません。実はこの仕様、装備にセットしたままのダイスは「振りなおし」ボタンで行える「全ダイスの振りなおし」の対象外になるというシステムのために存在しています。私は途中まで気づきませんでしたが、ぜひ覚えておきましょう。
◆攻略を考える
無視するにしては流石に影響が大きすぎるので、ちゃんと体力とダイスを増やすトレーニングは積んでおきましょう。ただし、トレーニングでは複数のダイスを要求されたりするため「数が足りない」場面が多いです。
そんなときは「プリーチャーカール」がかなり便利。これは使うごとに「揺さぶり」と「ナッジ」の効果が入れ替わる装備なのですが、通常でターンに2回、強化後は3回使用できます。これで「揺さぶり」能力の時に6を使って1と6の目を得ればダイスが1つ増やせておいしいですね。欲しい目が別にある場合は「振りなおし」も併用しましょう。
あとはトレーニングに「ビクトリーポイント」を得るものが4種ありますが、これらは「クリアには全く関係ない」ので無視しても大丈夫です。ギミックとしてはポイントを4つ得ると別のトレーニング「オムニスラッシュ」が解禁され、さらにそれを満たすとリミットブレイクが9999ダメージ与えるものに変化するというものです。正直ここまでコストを払えるなら普通にボスを倒せると思うので、やりこみ要素くらいに思ってください。
魔女(難易度☆☆☆☆☆)
◆基本ルール
魔女のダンジョンは「詰将棋」ならぬ「詰ダイス」です。これは「ハロウィンスペシャル」でも似たようなものがあったのですが、多少ルールが優しい気がします。
ターン事に渡される「クイズ」はダイスの出目を操作する様々な装備を経由してダメージを与える「マスターマインド」の目的のダイスに変換するパズルとなっています。
ルート上ですべての装備、および渡されたすべてのダイスを使い切ることで正解となり、相手にスタンを与えることができます。スタンにできないと相手ターンに1ダメージをもらうことになり、それを3回受けるとゲームオーバーです。つまり問題は2回までしか間違えられません。
もし手順を間違えてダイスを使いきれずにターンを終えても、そこまでに与えたダメージはそのままです。与えたダメージを撤回することで最初からやり直す「リトライ」も各ターンごとに3回まで使えます。とりあえず感覚でダイスを操作してから問題を把握するくらいでもいいでしょう。
さらに、1ダメージ受けると使えるリミットブレイク「スキップ」は問題を変える能力があります。詰んだと思った時に次の問題が簡単であることを祈りながら使いましょう。
◆攻略を考える
パズルなので「攻略法」を提示するのは難しいんですが、しいて挙げるなら「マスターマインドで求められる目・その数に注目する」ことですかね。どのダイスや装備を最後に使ったらあの目が規定個数作れそうか、から考え始めるのがセオリーな気がします。迷路のゴール側からスタートに向けて線を引いてみる感覚に近いです。
あとは「時間制限がないのでじっくり考えよう」、「無理な問題はきっぱり諦めよう」です。システムからもそんなデザイン性を感じるので、ここは意地を張る必要はないと思います。
ロボット(難易度☆☆☆☆☆)
◆基本ルール
ロボット君はダイスを振らせてもらえません。ゲーム名に反していくルールが来るとはさすがに驚き。ダンジョン突入直前にこのシステムをしれっと提示してくるレディラックとの掛け合いも必見です。
初見だと面くらいがちなルールですが、今まで管理していたダイスという「1~6の乱数」がコイン化することで「1か2の乱数」になっており、リスク管理の手触りが変わっているだけなので冷静になれば大丈夫なはず。
ただし、今回のルールで気を付けて欲しいのが「当たり」の仕様です。目標値ピッタリに表裏のコインが出た場合に追加される装備「当たり」は銀貨1枚を要求して1ダメージを与えながら金貨1枚を返却します。つまり、本編と異なって「即座にリターンにつながらない」のです。
この「当たり」でのみ得られる金貨は一部装備で使用できますが、「金貨だと追加効果付き」とか「金貨しか使えないけど高リターン」など安易には入れづらいものばかり。ただ、これがないと本当に当たりを引くメリットがなくなってしまうので、少しだけでも装備しておきたいところ。
◆攻略を考える
「コインの表裏のどちらが来ても大丈夫なようにバランスよく装備を組む」というのが基本だと思います。本エピソードは表裏を問わない装備が少ないので特に「コインを無駄にしない」意識が大切です。豆鉄砲みたいな装備があるなら、発動まで行けなくても余ったコインをとりあえず払っておくのを忘れないでおきたいところ。
また、要点である「当たり」システムをどれくらい生かすかですが、これに関しては道中に拾った装備次第なところがあります。「金貨で追加効果」系は銀貨でも使用可能なので積みやすいですが、「金貨のみ要求」系を入れるなら当たりを狙うサポート装備もセットにしておきたいところです。
個人的には、6つ装備を持ち込めるなら1つくらいは金貨のみ要求装備でも大丈夫かなとは思います。ただ、どうしても肝心な場面での運を信用できない方はエラー耐性装備も存在するのでそちらを活用しましょう。
発明家(難易度☆☆)
◆基本ルール
最後にめちゃくちゃ運ゲーが来ました。装備右上に表記されたダイスが耐久値で、それが0になるとランダムな別装備に変化してしまいます。これで盗賊と同難易度表記は流石におかしいのでは?
装備変更の仕様として、変化前後で装備のサイズは変わりません。1マスの耐久が0に→1マス装備の中からランダム出現といった感じです。装備に強化を付与した場合、別装備になる際も強化装備が配られます。
特筆すべき仕様として、使用後に耐久が残ってさえいれば同ターンでも再使用が可能な点があります。なので、強力な装備をピンチの時に連打するというプレイングもありです。
システム装備がローリング、リミットブレイクが集中(全ダイス目を6にするやつ)とダイス目をいじる手段が多いので、戦闘中に変な装備が来た際は上手くダイスを捻出して3回使用することで別装備に切り替えましょう。
◆攻略を考える
基本的に「強い装備が出たらできるだけ温存」というのがセオリーになるでしょう。発明家の本編エピソードでも装備が壊れる都合上、強力なものをボス戦に向けて貯めておくのが重要だったので原点回帰ですね。
また、微妙な装備が来た時、戦闘中でなければバックパックの別装備と交換しましょう。私はルールに思考を囚われ「どうにかダイス調達して3回使わなきゃ」と考えがちでしたが、素直に装備を入れ替えた方が早いです。
あとは「使用しなくても効果が発動する装備」を活用したいところです。ルール的に使用さえしなければ装備は変更されませんから、こういった装備は安定したメリットを得ることができます。店で並んでいたら必ず買っておきましょう。
新規楽曲に注目
各エピソード自体の出来もいいですが、私が特に本DLCの魅力として挙げたいのは音楽。今回のために書き下ろされた全11曲は本編から続投して「Chipzel」氏が担当していらっしゃいます。ご本人による動画もあります。
新曲で気に入ったものをいくつか紹介いたしますと、「It Is What It Is」が通常戦闘曲ながら爽やかめな曲調で良かったですね。バックで流れていてもあまり圧迫感がなく、心地良いくらいの曲というのはあまり本作になかったので「番外編っぽさ」が演出されているように思います。
また、ボス戦で流れる「Not Today, Satan」はサックスが主役でぐるんぐるん暴れているのが楽しい。それでいながら、本編同様に観客の声援と拍手の音が入っていたり、高速アルペジオのチップチューンメロディがバックで流れるところが「いつも通り」を感じさせていいですね。
あと「No Time To Dice」はタイトル通り時間がない様子をスピーディな曲調で表していて面白い曲でした。いや、別に本作の操作に制限時間とかはないんですが。様々な楽器のメロディが繰り返しながら重なっていく部分なんかは焦ってぐちゃぐちゃになったプレイヤーの思考のようです。
総じてどの曲も「本編で聴いたことがないのにスッと馴染む」感じでなのがいいなぁと思います。これもひとえにChipzel氏が期間が空きながらも『Dicey Dungeons』というゲームの雰囲気を覚えたままでいてくださったからなのかなぁと思います。
おわりに
今回のDLCをきっかけに『Dicey Dungeons』を久々に触りましたが、やっぱりこのゲーム面白いな!と再認識しました。ゲーム内でいろんなキャラクターが「ダンジョンに戻ってきた挑戦者」に向けて話しかけてきますが、プレイヤーに向けた言葉のようにも感じられるのも良かったですね。
そして、「リユニオン」がこんなに作りこまれているのに無料というのに感謝感激です。本当に既プレイヤーの方ならやって損しない内容になっていますので、ぜひ遊んでみてください!
といった具合で今回はここまで!読んでいただきありがとうございました!また別の記事でお会いしましょう!