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Dicey Dungeons(ダイシーダンジョンズ)で運をねじ伏せる快感を感じろ!
どうも、S(h)inと申します。
今回は、私にしては珍しい「直球でゲームを推す」記事を書いてみました。そのタイトルは『Dicey Dungeons(ダイシーダンジョンズ)』!
知らない人向けに作ったので、気軽に読んでいただけると幸いです。
どんなゲーム?
Dicey DungeonsはSwitchとSteemで配信されている「デッキ構築型バトルゲーム」です。これ聞いて「ああ!なるほど!」ってなる人はほぼ存在しないのでは?というくらいよく分からないジャンルですね。初めに言っておきますと、このゲームは「Dice」とあるからってすごろくじゃないです。実際のシステムの説明は少し後回しに。
ストーリーは何でも願いが叶うというダンジョンに突っ込んだ冒険者たちが、主である「レディラック」によってサイコロへ姿を変えられるところから始まります。戸惑いながらも冒険者たちは各々の願いをかなえるため、奇怪なダンジョンの最深部を目指します。
道中出会うモンスターたちも、それぞれの願いのため立ちふさがってきます。ダンジョンという割にショーめいた演出、レディラックの目的は一体何なのか。それを解き明かすためにもダンジョンを攻略しなくてはならないのです。
製作者はアイルランド出身のゲームクリエイター「Terry Cavanagh」氏。代表作として死に覚え系のアクションゲーム『VVVVVV』があります。この作品と『Dicey Dungeons』はゲームジャンルも大きく異なりますが、ある共通点が存在します。それは「一見優しそうな見た目をしているけどガチのゲーム」ということです。
基本システム
ではシステムの説明に入りましょう。まず、ゲームを開始してダンジョンに入るとフロアマップが表示されます。フロアには主人公となる「ダイス」がいますが、彼が階段まで進めば次のフロアへ行けます。ただ、道中に敵がいる場合はそれを無視して通ることはできないので、接敵し開戦と行きましょう。
いざ、戦闘画面。このゲームの戦闘はターン性で、開始時に既定の個数分ダイスが振られます。このダイスはあなたの「行動権」となり、装備品にダイスを入れることで攻撃などが行えます。下の画面で行える選択肢は「剣」と「ローリング」ですね。ダメージを与えられる「剣」は入れたダイスの出目だけの威力となるので、手持ちの6を入れると最大ダメージとなります。
自分の番でできることがなくなったら、今度は相手のターンです。ここでは相手もダイスと装備を使って攻撃を仕掛けてきます。ただ、敵キャラごとに所持するデッキは異なり、場合によってはコンボ性の高いものもあります。
例えば、下にあるスニージー君は「トゲ」という入れたダイスの累積数値が条件(この場合は6)を満たすと発動する装備と、全装備の必要なダイス数値を減らすことのできる「くしゃみ」を持っています。もし彼が6のダイスを2つ以上同時に引いたなら、すべてのトゲが発動して3×4=12のダメージとなる油断ならない相手だということが分かります。
互いのターンを繰り返し、相手の体力を削り切れたら勝利、逆にこちらの体力が0となればゲームオーバーです。無事勝利できれば経験値とお金が手に入ります。経験値はレベルアップのために必要で、レベルが上がるたび「体力が増える」のはもちろん、「ターン開始時のダイスが増える」、「装備品をもらえる」などの特典があるため、戦闘を避けるメリットは少ないです。
ダンジョンを進むにつれて敵も強くなっていくため、勝率を上げるにはダンジョン内にある宝箱や商店から装備品を入手する必要があります。しかし、そこで手に入るものも当然のようにランダムです。何らかの選択ができる部分は商店のアイテムをどれを買うかくらいです。敵から手に入れたお金の配分も大切になります。
そして、階を進み第6階層までたどりつくといよいよボス戦です。ボスは今までとは比べ物にならない体力と、装備、そしてギミックを持ち合わせています。ここまでくる間に準備してきた全てをぶつけて、勝利を目指しましょう。
ボスに勝てたら1面クリアとなります。1つの面のプレイ時間は個人差があるとは思いますが大体30~45分くらいです。次の面に向かう時には今までの装備が引き継がれたりはせず、各面ごとに常に0からのスタートとなります。おかげでゲームオーバーになってしまってもあまり引きずらなくて済むかな、と思います。
操作キャラが6名いる本ゲームは、各キャラに6つの異なる面が存在します。つまり合計36面のクリアが基本的な目標となります。これらは操作キャラごとに与えられた固有の能力、そして用意された面ごとに設定されたルールによって全く異なるプレイ感を与えてくれてどの面も新鮮に楽しめます。参考までに、私が本作の全面クリアまでに要した時間は約32時間でした。
ポイント1:デッキ構築の楽しさ
このゲームの最大のポイントは何と言っても「デッキ構築」にあります。装備品はスニージー君のあたりで分かる方は分かったかと思われますが本当に多種多様です。
まず、装備へ入れるダイスは基本的に効果の強いものほど制限がかかります。先ほどの「剣」はすべての目のダイスが使えますが、「バトルアックス」という装備では入れた目の2倍のダメージが与えられる代わりに4以下の目しか使えません。一長一短ですね。
他にも、ダイスにかかる条件には以下のようなものがあります。
・複数のダイスを要求する
・偶数、もしくは奇数のダイスを要求する
・入れるダイスに制限がない代わり、特定の目のみ追加効果がある
・上記条件の複合型
これに加えて「トゲ」のような入れたダイスの累積数値が条件を満たすと発動するタイプを含めるとなかなか複雑です。ターン事に貰えるダイスは当然ランダムで決まりますので、条件が厳しすぎて装備を生かせないとなると戦闘に勝つのは難しくなるでしょう。
そこで、大切になるのが「ダイスの目に影響を与えるサポート用の装備」です。例えば、
・ダイスの目を+1する「揺さぶり」
・ダイスをひっくり返す(裏面が手に入る)「へら」
・ダイスを半分に割る「ロックピック」
etc…
などがあります。これらを入れると望むダイスを手に入れることが容易になります。どれも強力ですが、ここで問題なのが装備スロットの数です。実は手に入れた装備のうち戦闘に持っていける数には限りがあります。つまり、サポート系の装備を複数抱えると攻撃用の装備の数が減ってしまい、結果ダメージが与え辛くなってしまうこともあるのです。しかも、「剣」のような2つ分の枠を取る装備などもありますので配分は非常に悩ましいです。
また、単純にターン開始の出目が良すぎて補助装備が要らなかった場合、終盤に使用できるダイスが多すぎた場合など、装備の数が適切でないとダイスが余り無駄が発生してしまいます。
そもそも、装備はただ攻撃する以外にも「回復」、「防御」、「状態異常付与」といった変化球的なものもあります。これらも上手く有効利用しないと敵の猛攻をしのぎきれないかもしれません。こういったことを踏まえながら手に入れた装備の中から取捨選択を行うのです。
ポイント2:戦闘での立ち回り
次に面白いポイントは装備セット構築を踏まえた戦闘です。頑張って作った装備セットでも実際の戦闘で必ず機能するとは限りません。なぜなら相手もただ体力を削りに来るだけではないからです。
戦闘中に特に気を付けたいのは敵がかけてくる状態異常です。例えば、「凍結」はターン開始時に最も高いダイスの出目を1にしてしまいます。これは複数回重なる状態異常なので、最悪持っているダイス全てが1になる可能性もあります。
ですが、もし前述の「へら」を持っていたら1のダイスを6に変換でき、打開の可能性もありますね。奇数や低数値のダイス要求をする装備が多ければ、ダイスを1に変換する凍結がデメリットにならない可能性もあります。ただ対応できない装備の構成だった場合は苦しい戦いになるでしょう。
敵の装備は戦闘中に確認可能ですから、初見の敵に相性の悪い装備で戦闘を仕掛けてしまった場合にもあきらめずに1ターン目に最善のムーブを目指しましょう。何とか乗り切れるかもしれません。
また、相手によって「短期戦」、「長期戦」それぞれに向いた構築になっている場合もあります。高火力装備に依存した攻撃特化構築、使う度だんだん威力の上がる装備で戦う構築など、手法は様々ですが「とにかく相手のペースに付き合わない」ようにこちらも手を進める必要があります。
特にボス戦はトリを飾る存在だけあって完成度の高い装備を用意しています。その頃にはこちらの装備の選択肢もある程度幅があり、ダイスの量も多いはずです。戦闘中に装備を使う順番にも気を配る必要があったりと考える部分は多いですが、持てる全ての知略をもって攻略しましょう。
ポイント3:運と戦略のせめぎあい
そして、肝心なポイントとして運と戦略のバランスが挙げられます。ここまで戦略をいろいろ紹介しましたが、どんなに完璧な戦略も運が底抜けに悪ければゲームオーバーです。自分のダイスは全部望まない方が出たが、敵は的確に欲しい出目を引いてくるとか、そんな感じですね。
逆に運が良くて勝てたってこともあります。ここぞって時に欲しい目がぴたりと来たとか、相手の出目が悪すぎて何も攻撃してこなかったとか、運に救われたと感じるときは多いものです。
では、本作はいわゆる「運ゲー」なんでしょうか。私は「そうだけど、そうじゃない」と思います。このゲームのベースは運によって決まりますが、そのリスクをプレイヤー自らが減らすことが可能であり、それを楽しむゲームだからです。
ハイリスクハイリターンな構成でも、独特なコンボを基軸とした作戦でも、全てが勝利を目指した結果であり、どれも戦闘時の操作手順次第で攻略を目指せるでしょう。「最後は運が物を言う」のは分かっていますが、「その運にどうやって抗い、ねじ伏せて勝利をつかめるか」を試行錯誤する快感が本作にはあります。
ポイント4:音楽も要チェック
さて、ここまでゲーム性について熱く語ってまいりましたが、最後は音楽の話をしましょう。実は私が本作を手に取った理由はBGMを聴きたかったからなんですね。それぐらい魅力ある楽曲が多いです。
音楽の担当は「Chipzel」氏。ゲーム製作者と同じくアイルランド出身の女性ミュージシャンでチップチューンを専門に楽曲制作を行っている方です。チップチューンというのはざっくり言うとファミコンの頃の楽曲をリスペクトして作られた楽曲です。本作でもその手腕が遺憾なく発揮されています。
特に面白いのは、本作の雰囲気に合わせて楽曲が8bit風音源のみでなく、通常の楽器と組み合わせたものになっていることです。特に戦闘曲はピコピコした音が冒険者たちの真剣な戦いがゲームとして「見世物」にされていることを感じさせつつも、戦闘の緊迫感を全く削がないのがすごいです。
加えて、どの楽曲もゲームの仕様上発生するプレイヤーの長考の間にも聴き疲れないのもいい。余裕があれば是非じっくり聴いていただきたいです。Steemならサントラもゲームと同時購入できますよ。
まとめ
はい、ここまで読んでいただきありがとうございました。少しでも「Dicey Dungeons」の魅力が伝われば幸いです。
このゲームを特にオススメしたいのは以下の項目に当てはまる人とです。
・じっくり考えるゲームが好き
・リスク管理するゲームが好き
・チップチューンが好き
是非買って楽しんで貰いたいです。よろしくお願いいたします!
あ、最後になって言い忘れていたことを思い出しましたが、冒頭に少しだけ触れた「ストーリー」、あれもちょっと期待してもらってもOKです。壮大ってほどのものではありませんが、思ったよりアツい展開が待っています。購入した方は頑張ってEDまで行ってもらいたいですね。
それではこの辺で今回の記事は終了となります。またの機会にお会いしましょう!