キレイなお菓子が作られる醜い場所
長時間労働とパワハラ
ゴンチャロフ製菓と言えば、神戸の高級洋菓子、
チョコレートやクッキーのパッケージを思い出します。
1923年創業の老舗です。
ここで、2016年に自殺した社員がいました。
長時間労働とパワハラが原因だったと会社が認め、
2021年6月11日に謝罪し、示談していたことが明らかになりました。
上司の懲戒処分も行われました。
自殺した社員は当時20歳。通勤途中の駅で快速電車に飛び込み死亡。
2018年に労災認定は認められたもののパワハラについて会社は認めず、
家族がずっと会社と交渉してきた、ということでした。
友人の息子さん
お菓子というと、友人の息子さんが
もう15年以上昔ですが、
パティシエの道を選び、最初に勤めたのが
確か同じく、神戸の製菓メーカーでした。
その時に初めて
きれいなお菓子の裏側の事情を知って、驚いたのを覚えています。
先輩の職人から罵倒され、文字通り、こき使われ、
友人の息子さんの同僚は何人も、やめたそうです。
それも夜逃げ同然のやめ方だったと言います。
自殺未遂という事件もあったと言います。
会社の寮に住み込みで働く彼らは辞めるに辞められず、
まさに逃げるように姿を消す、という話を聞いて、
現代社会にそんな職場があるのか、と驚きましたが・・・
この事件を聞いて、なるほど・・・と納得でした。
料理職人の世界も古いしきたりや身分制や、上意下達の厳しい社会、
そんな風習の悪い面が残り
今、パワハラ問題として明るみに出つつある、ということでしょうか。
消防署でも多いパワハラ事件
昨年、消防署のパワハラ事件が多かったのも、
命の危険にさらされる職業だからこそ厳しく指導するのが当たり前、
そんな風習がたくさんのパワハラ事件を明るみに出しました。
閉じられた職場という狭い空間でどんな「常識」がまかり通っているのか、
想像すると恐ろしい気がします。
友人の息子さんはたくさんの同僚が辞めていく中、踏ん張って数年、
自分の決めた期間は頑張りぬいたそうです。
その後自分の意志で退職、次の職場へ変わっていきました。
今思えば、
よく死ななかったね・・と、言ってあげたいです。
パワハラされる前に自分が自分をいじめていない?
加害者と被害者、同じダンスを一緒に踊る・・・
関係性を作っていることに自分も加担している、
どうやってその関係性を変化させられるか、
という話を前回、書きました。
パワハラの被害者が私にコーチ依頼をしてきた話。
自分を大切にするという本当の意味
私たちは、自分を守る必要があります。
自分を守るためには、自分の中に潜んでいる
「自分で自分をないがしろにする気持ち」を
どうしてもなんとかする必要があるのです。
パワハラがどれだけ酷かったとしても、
ウツにならずに自分を守り抜く力、
自分を大切にするということを本気で学ぶ必要があります。
だって、世の中からパワハラ上司がいなくなるまで待っていたら、
心の平安は、いつまでもやっては来ません。
自分を大切にするとは、自分の感情をそのまま認めることからスタートします。
感情とは、あなたそのものです。
良くも悪くも、あなたを守ってきたエネルギーなのです。
嫌な感情に蓋をしてはいけません。
無かったことにしてもいけません。
今、自分は怒っているなぁ、とか
あ、今わたしは◯◯を憎らしいと思っているんだなぁ、とか
もしかしてジェラシー?とか
低い評価を受けて、悔しいと思っているんだ、とか
軽くあしらわれて、情けないと思っているんだなぁ、など
その感情をしっかり味わってください。
だからどうしよう、など考えなくてもいいのです、
ただ、味わえばいいだけです。
そして後は、流れるに任せればOKです。
中山さんの思い出
中山靖雄さんが生前言われたこと、
人生とは、毎分毎秒の感情を味わうことだけだ、と。
それが自分を大切にして生きる、ということだ、と。
中山さんは伊勢青少年研修センターで49年間、道場長を勤め、
合間を縫っては全国で講演会活動を続け
生きることの意味を話し続けられた方です。
2015年に74歳で天寿を全うされました。
その数年前に大阪で聞いた講演会の内容が
今でも私の中で鮮やかに残っています。