"シティポップ"とは異なる存在、"フュージョン歌謡"の定義
今回の記事は、僕自身の思想が結構強い記事だと思います。
というのも昨今「シティポップの定義」というものがよく話題になるのですが、僕は"自分がAORミュージシャンの端くれ"というのもあって、
「"シティポップ"と"AOR"は別物」論者
なんですよ。
「定義で議論するのは時代遅れ」って言われても「そこは俺もプロとして譲れないところなんだよ!」というのがかなりあって、、
それに関連して、ベテランのAORミュージシャンの方は、「歌モノのフュージョン」を作る時、
よく「フュージョン歌謡」という業界用語を使われるんですね。
僕は「フュージョン歌謡」こそが「シティポップ」の対義語であり、ライバルだと思います。
気持ち的には類義語だとか同列なものだとは思っていません。あとAORとシティポップは一緒だとも思っていません。
ですが、どうしても年代や曲調的に
「これはシティポップなのか、フュージョン歌謡なのか、どっちなんだろう?」という曲が出てくるんですよ。
なので今回の記事では、
・僕の思う「"フュージョン歌謡"の定義」
について書いていこうと思います!
・「フュージョン歌謡」の定義について
前提 : 懐かしい雰囲気の「歌モノ」で、この中のどれかに当てはまれば"フュージョン歌謡"な可能性が高いです。
①シティポップと比較して、明らかにコードが複雑でフレーズがテクニカルであること
勿論シティポップもかなり複雑なコードが出てきたりするのですが、例えば
・鍵盤で弾いたときに隣同士の白鍵を抑えるような分数コードが頻繁に鳴っている
・7音以上で構成されるコードが頻繁に鳴っている
・"7thコード、9thコード、分数コードばかり"で曲が構成されている
という場合は完全に「フュージョン歌謡」です。
フレーズの部分で言うと、
・楽器のソロのフレーズが専門的なレベルでめちゃめちゃテクニカル
・楽器のリフが複雑でテクニカルすぎて弾ける人が"プロ中のプロ"しかいない
また、
・フレーズや曲調、やろうとしていることが難解すぎて、最後まで曲が盛り上がらなすぎる
場合も「フュージョン歌謡」な可能性があります。
①の例をあげると、SHOGUNの「I'll miss you」や、寺尾聰さんの「ルビーの指環」などがそうですね。
②歌メロを楽器で演奏して、インスト曲にしても成り立つかどうか
「この曲、例えば歌メロを全部ウィンドシンセサイザーとかエレキギターとかにしたら、もう完全なるフュージョンじゃん!」
という場合、「フュージョン歌謡」な可能性があります。
同じ懐かしい雰囲気の歌モノでも、
「シティポップが歌を含めてシティポップ」なのに対して、
「歌メロが楽器でインストでも曲が成立する」のはフュージョン歌謡の特徴ですね。
②の例をあげると、中原めいこさんの「Paradise Island」や、FIRE BOMBERの「SEVENTH MOON」、AB'Sの「We Just Missed Each Other」などがそうですね。
③楽器のソロの長さがシティポップと比較して明らかに長いこと
まず、フュージョン自体が「音楽的な音楽を追求しているため、テクニカルアドリブ合戦が多い」ので、
フレーズがテクニカルな上で
・曲にジャム的な要素がある
・なかなか珍しい長いベースソロがある
・間奏orアウトロが1分くらいギターソロ
・ギターソロの後にキーボードソロが来て、最終的にギターとキーボードの殴り合いのようになる
などが「歌モノ」で起こっている場合、その曲は「フュージョン歌謡」な可能性がありますね。
③の例をあげると、AB'Sの「Destination」やSHOGUNの「Lonely Man」などがそうです。
まとめ
・フュージョン歌謡は上記のような定義がある!
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