ともきさんと「最近の日本のボーイズグループ楽曲」をテーマに対談してみた 【対談/インタビューシリーズ①】
さぁ!今回が第1回となります!
"昭和邦楽研究家 SHU-TO.が好きなミュージシャン/活動者をゲストにお招きして、好きなことを語り合い、気になることを伺う。"
というコンセプトの連載企画
「SHU-TO. プレゼンツ
対談/インタビューシリーズ」
記念すべき第1回のゲストは、SHU-TO.の友人で「SUNRIZE」名義でトラックメイカーとして活動されている、ともきさんです!
ともきさんとは、「w-inds.が大好き」という縁で仲良くさせて頂いていたのですが、今回
「最近の日本のボーイズグループ楽曲をテーマに対談」
という企画をやるにあたり、
"トラックメイクとボーイズグループの知見がお有りで、w-inds.が大好きな方"
ということでゲストにお越し頂きました。
それでは早速本編に入りたいと思います!
■ともきさん プロフィール
X :↓
楽曲 : ↓
ともきさんと「最近の日本のボーイズグループ楽曲」をテーマに対談してみた
SHU-TO : ともきさん今日はよろしくお願いします!
ともきさん : いえいえ、貴重な機会に呼んで頂けて嬉しいよ!
SHU-TO : まず、「なぜ今回ともきさんにお越し頂いたか」という点からお話させて頂きたいのですが、このテーマをやる以上、どうしても"最近のw-inds."を中心にお話しすることになると思うので、ともきさんの知見をお借りしたくお越し頂きました!
ともきさん : 今のw-inds.さんね、面白いことしてるよね。ずっーと面白いことはしてるんだけど、「Beautiful Now」以降の攻め方が思ったより凄すぎて僕もビックリしてる笑。
SHU-TO : さっき対談前に改めて慶太さんのインタビュー読んでたんですけど、「流行っているものを理解しつつ、w-inds.にハマらなかったり、自分の好みじゃないときは、そっちに行かないようにしている」って仰ってました。↓
ともきさん : "我を貫き通す"というのがカッコいいよね。最近はDTMで作曲する人が増えたから、「CD用のマキシマイザーガンガンマスタリング」よりも「配信サービスに合わせたマスタリング」というのが主流になってきていて、慶太さんもそっちでやるのかなと思ったら「いや、俺らは俺らなんで」みたいな音で…。慶太さんはゲーム配信とかもやられてるから、絶対「配信用の音作り」のノウハウもあるはずなのに、"敢えてそれをやらない"のはさすがだと思う。
◯最近の日本のボーイズグループは、どういった勢力が増えているのか
SHU-TO : ここからはセクションを分けてお話していきたいと思うんですけど、ともきさん的には「最近のボーイズグループ」は、サウンド面から見ると、どういう勢力が増えていると思いますか?
ともきさん : 大きく分けて2種類いると思っていて、1つめは「K-POPみたいにエレクトロニックな方向で発展していこうとしている勢」で、2つめは「HIPHOPみたいにルーツを大事に音楽を作っている勢」だね。
SHU-TO : ともきさんはどっちの方がお好きなんですか?
ともきさん : 僕は後者に属するグループの方が好きかな。前者に属するグループも普通に好きだけど、結構楽曲の方向性がバラバラだったりもするから、「このグループはコンセプト迷ってそうだな〜」とかを感じることもある。前者が後者に比べて劣ってるとは思わないけどね。
SHU-TO : "様々なクリエイターさんが様々なジャンルの楽曲を提供するグループ"だとそう感じる時もありますよね。
ともきさん : そもそも"様々なクリエイターが作った様々なジャンルの楽曲をやるグループ"だと、曲のジャンルによっては「ボーカル担当とラップ担当のメンバーの露出の差」があったりして、ファンの中でも不和が生まれてたりするのをよく見る…。全部のグループがDA PUMPやDa-iCEみたいに「ボーカルはこの人!」って割り切ってるわけじゃないからね。
SHU-TO : そんな感じなんですか…。前者に属するグループは僕も何となく分かりますけど、後者に属するグループだと具体的にどういうグループがいるんですか?
ともきさん : 間違いなく今一番「ゴリゴリHIPHOP勢」なのは、BMSG所属のグループ。BMSGはラッパーさんがやっている事務所なだけあって、ラップのライミング(韻の踏み方)やフロウが桁違いに凄い。前者に属するグループだと、歌詞の翻訳のズレとかもあるからなのか、「フロウは良いんだけど言葉の流れおかしくない…?」みたいなグループもいるからね。
SHU-TO : SKY-HIさんの手がけるラップはやっぱり本格的なんですね。
ともきさん : 僕はAAA時代の2012年からSKY-HIさん(日高さん)のファンだけど、最近の曲(タイトル未定)やLIVEを見ると、歌詞のテーマが「反骨精神/コンプレックス」から「ガツガツしたボースティングな感じ」に変わりつつあるのを感じるから、SKY-HIさんご自身も今は大きなターニングポイントだと思うよ。
ともきさん : 最近のSKY-HIさんはBMSG内のソロのクルーを集めて「BMSG POSSE」っていうユニットを組まれたりしてて、最近リリースされた「Girlfriend」という曲のRemixは、HIPHOPアーティストのJP THE WAVYさんとSALUさんと一緒に作られてる。だから楽曲で「俺らはこうだ!」というのを示していく感じが強くなってて、BMSG は"ボーイズグループ"とか"アーティスト"とか、そういう括りで語れなくなってるね。
SHU-TO : SKY-HIさんが一代でここまで築き上げたのも凄いですよね。僕もこの前ラジオに出た時「21歳の音楽ライターとして、今後生き残っていきそうなアーティストはどの辺りだと思いますか?」って聞かれた時「BMSGです!」って答えました。BMSGは"アイドルをやりたいというよりパフォーマンスを頑張りたい子たちの窓口を作ってあげた事務所"という点でもそうですし、BE:FIRSTがデビューして数年で紅白出場/ドーム公演をされてるので、何十年後も生き残ってそうな気がするんですよね。
ともきさん : 残るだろうねBMSGは。そもそもSKY-HIさんが辞めないだろうし。だって、SKY-HIさんは昔喉の手術した時、療養中にギター猛練習してLIVEで弾き語りするレベルになられてたから、どんなことがあっても音楽に携わるのは辞めないと思う。SHU-TO.くん的には「最近の日本のボーイズグループ」はどういう勢力が増えてると思う?
SHU-TO : 僕は「アルバム"Timeless"の時期のw-inds.みたいな音をやろうとしている勢」と「エレクトロ・ファンクやディスコっぽい音をやろうとしている勢」の2種類がいると思ってます。
ともきさん : あ~!確かにそうだね。
SHU-TO : 「Timeless」のリリースから10年を経て、流行りが一周したこともあって、「K.O.」「Sexy Girl」「Say so long」みたいな曲調がまた流行って来てると思うんですよ。それはNumber_iの1stシングル「GOAT」の収録曲とかを聴いていると強く感じます。
ともきさん : 「Timeless」期のw-inds.やNumber_iの1stシングルみたいな"HIPHOP×R&B"は、どちらかと言うと「HIPHOP勢」寄りだね。
SHU-TO : 後者のエレクトロ・ファンクの方は、それこそK-POPですけど、RIIZEの「Boom Boom Bass」やJUNG KOOKさんの「Standing Next to You」とかもあって。あと女性アーティストですけど、この前美容室で流れてたTWICEのJIHYOさんのソロ曲とか。
ともきさん : 「Killin' Me Good」ね。あれカッコいいよね!
SHU-TO : 日本だと、あとでまた詳しくお話するんですけど、元V6の三宅健さんやDa-iCEとかもそういう曲をリリースされてて。だから来年のw-inds.には是非「Players」をLIVEで披露して欲しいです。
ともきさん : 「Players」は2017年リリースだからかなり早かったよね。サビでガッツリ踊っちゃうのも凄いし。
SHU-TO : 三宅さんの「mydoll」は結構キレイな振り付けだったんですけど、「Players」はかなりゴリゴリに踊りますよね。その辺りは「スタイルの違い」を感じました。
ともきさん : 「Players」はハウスっぽいステップとかも入ってるからね。それこそ僕の知る限りだとFANTASTICS from EXILE TRIBEとかも今年「SUPER DUPER DISCO」っていうディスコ系の曲リリースしてたし、結構波及してるよね。
SHU-TO : 去年は「爽やかなニュートロ系サウンド」が流行りましたけど、今年は「R&B×HIPHOP系サウンド」と「エレクトロ・ファンク系サウンド」が流行った年なんじゃないかと思ってます。
ともきさん : ファンクだとブラスの音が映えるし、ノリやすいからね。実はK-POPでも2015〜2019年くらいに「めちゃめちゃブラスの音を入れるのが流行った時期」があって、もしかしたら昨今のファンクブームはそこの流れを汲んでるのかもしれないね。
◯時代を先取り過ぎるw-inds.とBMSG
SHU-TO : ここからは時代を先取った楽曲を多数リリースするw-inds.(慶太さん)とBMSG (SKY-HIさん)のお話をしていきたいと思います!
ともきさん : ちょっと前に結構喋っちゃった気もするけど笑。
SHU-TO : 僕は2020年の「DoU」からw-inds.ファンになったんですけど、今考えると「DoU」は発明だったと思っていて。こういう「"Aメロはファンク、BメロはEDM、サビはハウス、ラップパートがトラップ"というようにセクションごとに音楽ジャンルが変わる曲」って今までに無かった分、リリース後に他のグループが一気に追随しだしたじゃないですか。
ともきさん : 一気に色んなグループが「DoU」の手法を真似し始めたよね。今でこそ「DoU」があったから、"シンセベースをしっかり聴かせる手法"が確立されたけど、「DoU」がリリースされる前は「音数少なすぎてちょっとな…」みたいな感じだったよ。
SHU-TO : Snow Manが「JUICY」をリリースした瞬間「ついに来たか!」って思いましたもん。多分日本のボーイズグループのレーベルの人たちは全員w-inds.の新曲をリサーチしてると思いますよ。
ともきさん : リサーチは確実にしてると思うけど、ちょこちょこオーディション番組でw-inds.の曲が使われてるからね。「THE FIRST」「PRODUCE 101 JAPAN」「0年0組 -アヴちゃんの教室-」でも使われてるし。
SHU-TO : 日本のボーイズグループは「革新的なものが出るとみんな追随しだす」というノリがあって、特にEBiDANの「原因は自分にある。」のMV演出は真似されまくってますから。
↓原因は自分にある。の「歌詞表示の演出」
↓「歌詞表示の演出」をそのまま取り入れたSixTONES
↓原因は自分にある。の「アンティーク調のセットをバックに独特なカメラアングルで撮る演出」
↓「アンティーク調のセットをバックに独特なカメラアングルで撮る演出」をそのまま取り入れたSnow Man
SHU-TO : では「w-inds.(慶太さん)のこの曲は早かった!」というお話に戻りたいのですが、BE:FIRSTに提供した「Smile Again」も早かったですよね?
ともきさん : あれは早かったね。2023年の4月リリースだったから。
SHU-TO : 個人的には2023年半ば〜2024年前半にああいう「リズム楽器をめちゃめちゃ重ねた爽やかサウンド」が増えたな〜と感じていたので、BE:FIRSTがあのタイミングでリリースしたのは革新的だったと思います。
↓「Smile Again」後にリリースされた「Smile Again」と近い手法で作られた楽曲
SHU-TO : あとは、「EXIT」も早かったですね。
ともきさん : あー!ニュートロっぽい!
SHU-TO : ああいうドラムンベースの楽曲を2021年9月にリリースされてますからね。最近はNumber_iの「No-Yes」やGENERATIONSの「エンドレス・ジャーニー」みたいなドラムンベースの楽曲も増えてますけど。
ともきさん : ちょうど対談前にNumber_iの曲予習してたんだけど、「No-Yes」を聴いた時はビックリした。
SHU-TO : 慶太さん確かほぼドラムだけの「Don't Leave Me Alone」をw-inds.でやろうとして「ダメだ」って言われてたはずなので、「EXIT」は攻めている新生w-inds.ならではの挑戦的な楽曲だったと思います…。
SHU-TO : あと最新曲ですけど、今年5月リリースの「Imagination」も早かったと思いますよ。近いサウンドのBE:FIRST 「Sailing」は11月リリースでしたけど、SKY-HIさんも前々からああいうサウンドや進行に着目されてたんですかね?
ともきさん : SKY-HIさんもああいうサウンドに目をつけてて準備はしてたと思う。リリースのタイミングがw-inds.よりちょっと遅れただけで。
ともきさん : 僕が思うw-inds.の「時代を先取った楽曲」は「Get Down」のカップリングの「Take It Slow」なんだけど、最近のDTM界の流れを見てると、あれと似てる曲そろそろリリースされると思うよ笑。
SHU-TO : では、BMSG (SKY-HIさん)による先取り楽曲のお話に移りたいと思うんですけど、僕は「D.U.N.K.」が早かったと思っていて。
ともきさん : あの曲はジャージー・クラブの5つ打ちのビートをCreepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」より先にやってたからね。ガッツリボーカルチョップを音にのせまくる手法も早かったし。これらの手法は今まで「クラブシーンでたまに見かける」くらいの手法だったんだけど、それを「メジャーな楽曲/フェスのテーマソング」でやるという。
SHU-TO : 「D.U.N.K.」のリリース後にME:Iがデビュー曲の「Click」でボーカルチョップのイントロをやったじゃないですか。あれを聴いた瞬間に「SKY-HIさんが慶太さんの声をサンプリングしてやりたかったことはこれか!」って思いました。ちなみに、ともきさんがお考えの「BMSGの先取り曲」はどのあたりなんですか?
ともきさん : 実はあんまりBMSG自体は先取り曲は少なくて。唯一「これは先取り曲だ!」って思ってる曲は、SKY-HIさんの2017年1月リリースの曲「アドベンチャー」なんだけど、「早い段階からブルーノ・マーズの24K Magicみたいな音楽に目をつけてたんだろうな」って思ってる。
◯共に90年代HIPHOPをオマージュしたw-inds.とNumber_iの楽曲の"イントロが被った"件について
SHU-TO : ではこのあたりで、共に90年代HIPHOPのオマージュが入っている楽曲、w-inds.の「Say so long」とNumber_iの「JELLY」のイントロが被った件についてお話していこうと思うのですが…。これNumber_iのアルバム「NO.I」のリリース日にビックリして、ともきさんに連絡しちゃったんですよね。
ともきさん : 正直「Say so long」は、「夢で逢えるのに〜Sometimes I Cry〜」のカップリング曲なことくらいしか印象が無かったんだけど、SHU-TO.くんからこの2曲のURLが送られて来た時「え!?」ってなったよね。
SHU-TO : 「Say so long」は2022年のLIVEツアーで、涼平さんがメロディ担当、慶太さんが掛け合い部分担当でパフォーマンスされてたこともあって、僕の中ではとても印象深い楽曲だったんですよ。なので「イントロの感じとキーがほぼ一緒!?」ってなりました。
SHU-TO : でも、「JELLY」の評論とかを色々調べてみたら、この曲は「90年代HIPHOPのオマージュが入ってる」と書かれていて、「確かに90年代のDA PUMPの曲とかもこういう始まり方の曲ちょくちょくあるな〜」と思って。結局どっちの曲も「90年代HIPHOPのオマージュをやろうとしたら被ってしまった」という結論に落ち着きました。
ともきさん : サブスクに曲を投稿する時の審査も通ってるだろうし、全然そのあたりは問題無いと思う。オマージュ元は一緒でも曲調や方向性は異なっているしね。
SHU-TO : 「Say so long」はイントロのループを軸にTimbaland系のビートが入ってきたりしますけど、「JELLY」は終始緩めの爽やかなHIPHOPトラックですからね。まぁ「どっちも良い曲なのでこれを読んでいる方にはどっちも聴いてほしいです!」っていう話です!笑
◯流行りのクラシックサンプリングについて
ともきさん : ただサンプリングについてはね、リスペクトが無いサンプリングはあんまり好きじゃなくて…。特に最近流行ってるクラシックのサンプリングは「原曲へのリスペクトがしっかり無いと恥ずかしくないか!?」とも思う。
SHU-TO : クラシックの名曲の印象的なフレーズを使えば、確かに耳に残りやすいでしょうけど、そういう点も気になりますからね。
ともきさん : 言い方良くないかもしれないけど、「リスペクトの無いクラシックサンプリング」は「CMソング」の作り方と一緒なんだよね。耳に残れば良いみたいな。特に"サンプリング元と全然関係ないテーマの楽曲"だと「それサンプリングでやる意味ある?」とは思うよ。
SHU-TO : 今のところw-inds.(慶太さん)やBMSG(SKY-HIさん)はクラシックのサンプリングとかはされてませんよね。
ともきさん : SKY-HIさんは、"HIPHOPの古典"のサンプリングもあんまりしないと思う。逆に国内HIPHOPのレジェンドの方々がまだまだ現役な分、レジェンドの方々と一緒に曲作りをして、プロデュースしてるユニットに提供されそうな気はしてる。
◯2人が最近注目しているボーイズグループ楽曲
SHU-TO : さて、ここからは僕たち2人が最近注目しているボーイズグループ楽曲のお話に移りたいと思うのですが、ともきさんはどういったグループの楽曲に注目されていますか?
ともきさん : 最近リリースされた楽曲じゃないんだけど、今年に入ってからSTARTO ENTERTAINMENTのグループが続々とサブスクを解禁し始めてて。その流れでNEWSの「チャンカパーナ」がめちゃめちゃSNSでバズってるのを見て、「やっぱり名曲はよりオープンになればなるほど色んな方に刺さるんだな〜」って思った。
SHU-TO : あー!「チャンカパーナ」がバズった時期ありましたね!
ともきさん : 「NEWSの他の曲知らないけどチャンカパーナは知ってる」って方も勿論いるだろうし、4〜6人時代のNEWSを知らない子たちにも刺さってるから、曲としてのパワーを再確認したな〜。今年NEWSは「チャンカパーナ」1曲で間違いなく世間を動かしたからね。
SHU-TO : 鎖国してたSTARTOが開国すると、こういうことが起きるんですね。
ともきさん : だから、尚更早くSMAPもサブスク解禁してほしい。サブスクで「がんばりましょう」聴きながら出社したいもん笑。あとはKing & Princeの「moooove!!」も凄い良い曲だし。
SHU-TO : 僕あれ聴いた時「この曲調、DISH//が2016年にLoop.でもうやってたんじゃん!?」って思っちゃったんですけど。
ともきさん : あの曲調をキンプリがやるのがいいんだよ!僕はあの2人のバランスも凄い好きだから、それ込みで聴いちゃう面もあるね。逆にSHU-TO くんはどういうグループの楽曲に注目してるの?
SHU-TO : 僕はさっきもちょっとお話したんですけど、三宅健さんの楽曲に注目していて。「最近トラックがカッコいいアーティストを教えて」って言われたら「三宅健さんと木梨憲武さん」って答えてます。
SHU-TO : 三宅さんは「自らクリエイターさんたちにオファーをして、LINEでやり取りをしながら、自分の声質に合う楽曲を作って貰っている」らしくて、歌声主体のサウンドメイクはされていないんですよね。恐らくマスタリングの時にスネアの音イジったりとかもされてるはずなので、結構攻めた感じの音像に仕上がってます。
ともきさん : あーそういう感じなんだ。じゃあ色々要望を出されてるんだろうね。
SHU-TO : 三宅さんご自身がミックスに立ち会われてるそうなんですよ。楽曲のジャンルもロックやハウス、エレクトロ・ディスコ/ファンクなど幅広くて、最新曲「スーパースター」は2019年くらいに海外で流行った感じのゴリゴリHIPHOPトラックでビックリしました。
ともきさん : ジャンルを限定せずに「自分の声に合うトラック」を探して、1つ1つにしっかり意見を言われてるんだろうね。めちゃめちゃ楽しそうな音楽活動されてるんだろうなー。
SHU-TO : 多分数年後には"トラックが好きでw-inds.ファンになった方"みたいな"トラックが好きで三宅さんファンになった方"がLIVE会場に増えてると思いますよ。というか、w-inds.と三宅さんにフェスとかで対バンしてほしいまであります!
ともきさん : そういうごちゃ混ぜのフェスは見てみたいよね。「D.U.N.K.」も楽しく見てるけどさ、「w-inds.Fes もう1回見たいよ!」っていうのは常々思ってる。
SHU-TO : 僕は「BE:FIRST TV」で構想されてた「w-inds.とDa-iCEとBE:FIRSTによる3世代フェス」をずっーと待ってますよ!
◯今後の日本のボーイズグループシーンはどうなっていくのか
SHU-TO : 最後に伺いたいのですが、ともきさん的には「今後の日本のボーイズグループシーン」はどうなっていくと思いますか?
ともきさん : シーンだけ見てると、「D.U.N.K.」の功績やSTARTO ENTERTAINMENTの開国のおかげで、「別の事務所のグループ同士による共演」が一般的になってきてるよね。
SHU-TO : 「良い世の中になったな〜」とは思いますよ。楽曲提供面でも、三浦大知さんがKing & Princeに「WOW」を提供されたり、Da-iCEがKing & Princeには「My Love Song」、timeleszには「Try This One More Time」をそれぞれ提供されていますね。
SHU-TO : あと、山下智久さんが提供されたtimeleszの「Anthem」も垣根を超えた楽曲提供ですよね。
ともきさん : SuperMの「Super Car」みたいな曲ね。
ともきさん : だから、以前よりも「個人個人の競争力」が大事になってきていて。出来れば「グループ活動と並行してソロ活動をする子」が出てきても、非難されないで欲しいとは思う。BE:FIRSTとかだとソロプロジェクトがあるんだけど、K-POP系のグループだと「完全にソロ名義で1曲リリースする」とかはあんまりない。だからK-POP系のグループも「もっと個を出してもいいんじゃない?」とは思うよ。
SHU-TO : 「個人個人の競争力」が大事だからこそ、グループと並行してソロ活動をしてもいいんじゃないかとお考えなんですね。
ともきさん : あとは、"事務所ごとの色"も薄れて欲しくないから、より「個人&グループのブランディング」をしっかりしていかないといけないと思う。K-POP界だと事務所が沢山あってアーティスト間の仲も良いけど「やっぱりこの事務所の歌い方/踊り方だね〜」っていうのはしっかりあるからね。例えば「YGだったらワイルドでアーティスティックだよね」とか。日本みたいな「この事務所がこうしてるから真似をしよう!」とかだと新しいものも生まれづらくなるだろうし。
SHU-TO : その点「それSnow Manにやらせてください」の「ダンス完コピレボリューション」は事務所ごとの踊り方の違いを詳しく見ることが出来て良い企画ですよね。
ともきさん : あの企画は「STARTOのダンスは手を腰の近くに置く」とか「LDHのノリ方」とか、事務所ごとの踊り方の違いが伺えるよね。
SHU-TO : 今後はどういう方々がシーンを作っていくのかも気になりますけど、海外シーンの状況も含めてその辺りはいかがですか?
ともきさん : 僕が最近見てる限りだと、あんまり日本のマーケットには来てくれないけど、フィリピンや中国のボーイズグループにも凄い人たちが沢山いるから、あの辺りのグループが日本進出する可能性もあるね。LDHもタイで武者修行してたし、韓国以外のボーイズグループも強くなってきてると思うよ。
SHU-TO : いや〜とても楽しい対談になりました!ともきさん、今日はありがとうございました!
ともきさん : ちょっとズレたりしたかもしれないけど、こんな感じで良かったかな笑?こちらこそありがとうね!
※対談に入りきらなかったこぼれ楽曲
①RUI,TAIKI,KANON 「Forked Road」
ともきさんが「3人組ユニットで明確に役割が別れていない中、ここまで親和性が高いのは凄まじい」と語られるBMSG TRAINEEのユニット。
SHU-TO.は「少年隊やw-inds.のように得意な役割がハッキリしている3人組」しか存じていなかったため、ローテーション体制の3人組でこのクオリティなところはとても新鮮に感じました。
②花村想太さん 「Let me love you」
橘慶太さんが"シンセベースをしっかり聴かせる手法"の真髄に辿り着いた楽曲。僕とともきさんは「音源ならではの手法だけどめちゃめちゃカッコいい!」と感じました。
③EXO 「Tempo」
ともきさんの考える"K-POPの最高到達点"
◆企画/取材交渉/文章…SHU-TO.
(スポンサーさん&この連載企画を買ってくださる編集者さんガチで大募集中)
ここまで読んで頂きありがとうございました!
次回の
「SHU-TO. プレゼンツ
対談/インタビューシリーズ」
は、1月17日更新で、
「60〜90年代の旧ジャニーズ楽曲対談」
をお送りします!
次回もお楽しみに!