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少年隊のユーロビート/ニュージャックスウィング楽曲をまとめてみた

今回は少年隊のユーロビート楽曲とニュージャックスウィング楽曲をまとめていきたいと思います!!

※錦織さんたちが度々語られている"ダンスジャンルとしてのニュージャックスウィング"ではなく、"音楽ジャンルのニュージャックスウィング"のほうです!

↑前作です!

今回も内容がボリュミーなので、
・ユーロビート
・ニュージャックスウィング
という音楽ジャンルについての説明は、この下にWikipediaのリンクを貼っておくので、各自ご覧いただければと思います!

それでは本編に移ります!

※注意


今回も筆者の主観で確実にユーロビート/ニュージャックスウィングだと感じる曲のみを取り上げています。

"ユーロビート×ファンク"という意見があるが、個人的にはThe StylisticsやQuincy Jonesさんプロデュースのような"ソウル"の要素が強いと感じている↓
・「バラードのように眠れ」

ジャンルとしては普通に"ディスコ"の可能性があり、判断が難しい↓
・「Baby Baby Baby」
・「NOジャンルKISS」

などは取り上げませんでした…。

もし
この曲はユーロビート!何故ならこのユーロビート曲に似てるから!
などがあればコメントかリプください!追記します!

また、少年隊の楽曲はほとんど
「錦織さんが加筆修正されている」
ため、正式なクレジットは
・作詞:〇〇さん
・作曲:〇〇さん
・編曲:〇〇さん
・加筆修正 : 錦織一清さん
です…!


少年隊のユーロビート楽曲まとめ

①「サクセス・ストリート」

1986年9月1日リリース
アルバム「翔 SHONENTAI」収録
・作詞:ちあき哲也さん
・作曲:筒美京平さん
・編曲:船山基紀さん

この曲はデビュー前から存在する曲(テレビ披露は1985年の9月)で、元々この曲が少年隊のデビューシングルになる予定でした。

ネット上では「サクセス・ストリートはユーロビートだ!」と仰っている方がそこそこいらっしゃって、その理由は恐らく
「サウンドが84〜85年のHi-NRGやユーロビートに近いから」
だと思われます。

そのあたりのジャンルの手法を用いつつも、ガチガチなディスコサウンドに仕上げるわけではなく、「生楽器」を組み合わせることでしっかりアイドル歌謡に仕上がっています。

②「お探しのパラダイス」

1989年9月21日リリース
サウンドトラック「PLAYZONE'89 Again」収録
・作詞/作曲:宮下智さん
・編曲:石田勝範さん

こちらは恐らくKylie Minogueさんの曲調に影響を受けて作られたユーロビート曲ですね。
当時「ユーロビート×悲しいメロディ」で作られた楽曲がとても流行っていたそうです。

サビ前まできらびやかなユーロビートアレンジが続くものの、サビになると転調してブラスの入ったファンクアレンジになるのは"少年隊ならでは"だと思います!

③「ABC」

1987年11月11日リリース
・作詞:松本隆さん
・作曲:筒美京平さん
・編曲:船山基紀さん

「少年隊のユーロビート楽曲といえばこの曲!」と言われている楽曲です。

錦織さん曰く「Bananaramaの"I Heard a Rumour"などがリリースされた時代に寄り添った曲」で、BananaramaのプロデューサーのStock Aitken Watermanや、Michael Fortunatiさんのサウンドに影響されているようにも感じます。

・当時の歌謡曲よりもBPMが早い
・曲が"循環コードなのにトニックにいかない進行(ユーロビート進行)"のループで構成されている
・「Phil Spectorさんのような分厚い音」を目指すために、「何台ものシンセサイザーを同期させて録った打ち込みサウンドの上から生楽器を重ねている
※そのため、全部の楽器の音が二重となっていて、"敢えてユーロビートにディスコっぽい生楽器を入れることでオリジナリティを出している部分もある"そうです。
などの実験的な要素も多く組み込まれています。

また、Remixもいくつかリリースされていて、
・「ふたり」のシングルCDに「ABC(S.P.DANCE MIX)」
・コンピレーションアルバム「京平ディスコナイト~筒美京平リミックス~」に「ABC (Remixed by 小西康陽) 」
がそれぞれ収録されています。

④「封印LOVE」

1990年4月10日リリース
・作詞:亜伊林さん
・作曲/編曲:杉山洋介さん (元SALLY)

この曲は一番分かりやすいユーロビートアレンジがされていて、今までの少年隊のシングル曲には無かったキャッチーで軽やかなアレンジの楽曲となっています。

また、かなりキーが高い曲です。(その分フレッシュなのですが…)
今年の植草さんのコンサートでは、キー2つ下げで歌われていたのですが、キーがDmになったことで音が太くなり、より本格的なユーロビートサウンドに仕上がっていました!


少年隊のニュージャックスウィング楽曲まとめ

①「HEVEAN」

1990年4月10日リリース
「封印LOVE」カップリング
・作詞:覚和歌子さん
・作曲:安田信二さん
・編曲:寺田創一さん

「少年隊のニュージャックスウィング曲といえばこの曲!」と言われているのが「HEAVEN」です。
「封印LOVEのカップリング曲」なのですが、コンサートでは封印LOVEより歌われています。

ハウスに強いアレンジャーの寺田創一さんがアレンジされている分、本格的なニュージャックスウィングに仕上がっていますね。

余談ですが、「封印LOVEがレコードで発売された最後のシングル」らしいので、最後にレコードで発売されたシングルの収録曲が「ユーロビートとニュージャックスウィング」なのはとても時代背景を感じます。

②東山紀之さんソロ 「千年メドレー(のうちの"千年の季節"と"She’s a Woman")

1990年6月30日リリース
サウンドトラック「PLAYZONE'90 MASK」収録

「千年の季節」
作詞:森浩美さん
作曲:林田健司さん
編曲:船山基紀さん

「She’s a Woman」
作詞:森浩美、小倉めぐみさん
作曲:林田健司さん
編曲:新川博さん

東山さんソロのいわゆる「千年メドレー」と呼ばれているメドレー曲の1曲目と3曲目もニュージャックスウィング調です。

千年メドレーの曲はニュージャックスウィングを得意とされている林田健司さんが制作されているため、このようなアレンジになっているのだと思われます。
(当時の東山さんは"林田健司さんのアルバムを全曲歌えるレベルの林田さんファン"だったそうです。)

また、このサウンドトラックに収録されているver.とPLAYZONEで披露されたver.では歌詞が異なっていたり、
林田さんご自身が2曲目「Ever Dream」と3曲目「She's a Woman」をそれぞれ「Heart Of Gold」「Jealousy In Love」というタイトルでセルフカバーされていたりします。

「Jealousy In Love」のジャケット

③東山紀之さんソロ 「どうなってもいい」

1990年12月23日リリース
アルバム「Heart to Heart (以下略)」収録
・作詞:松井五郎さん
・作曲/編曲:荒木真樹彦さん

この曲は東山さんが大好きな曲である田原俊彦さんの「どーしようもない」の制作陣が「"どーしようもない"と対になるような内容の曲」として作ってくださった曲だそうです。
("ファンク"の「どーしようもないに対して、「どうなってもいい」は"ニュージャックスウィング"なんだ!?と驚きました…。)

リズムがニュージャックスウィング調なのが一番の特徴なのですが、
・イントロがサイケデリックなスキャットから始まって、本編はいきなりニュージャックスウィングになる
・ギターやピアノが強めに入っている
などのサウンドメイクも魅力的です!

④錦織一清さんソロ 「のどもとすぎれば恋も忘れる」

1993年12月1日リリース
アルバム「愛は続けることに意味がある」
・作詞/作曲:尾関昌也さん
・編曲:尾関昌也さん、松本浩之介さん

この曲は、アルバム「愛は続けることに意味がある」の1曲目なのですが、何と1曲目からニュージャックスウィングです。

メロディが印象的で、コーラスやハーモニカが入ってくるなど、かなりポップス寄りなニュージャックスウィング曲ですね。⑤と制作陣が全く一緒なので、このアルバムの錦織さんのソロ曲は全てニュージャックスウィングです。

最後のジャズコードがカッコいいですね。

⑤錦織一清さんソロ 「What is Love!」

1993年12月1日リリース
アルバム「愛は続けることに意味がある」
・作詞/作曲:尾関昌也さん
・編曲:尾関昌也さん、松本浩之介さん

この曲は隠れたニュージャックスウィング曲です。錦織さんのソロ曲ですが、東山さんがコーラスで参加されています。

歌詞の通りグルービーで明るいリズムの楽曲なのですが、オケヒが多用されていたり、完全にGUYなどのニュージャックスウィング曲からドラムのリズムパターンや間奏のフレーズをオマージュされていますね。


総評

前回の中山美穂さんの時もそうだったのですが、やはりユーロビート曲の多さに関しては完全に筒美京平さんと船山基紀さんの影響が強いと見られます。

こうして曲をまとめてみると、
(京平さん+船山さん+ディレクターの鎌田さんの意向だと思われるのですが、)
少年隊はユーロビートに生楽器を取り入れることによって"アメリカのディスコ"的な要素を付け足し、オリジナリティを出している
という特徴があることが分かりました。

また、実は「Stripe Blue」も元々"ドラムが打ち込みでデッドオアアライブっぽくなる予定"だったそうなので、そのあたりから既に本格的なユーロビートの予兆はあったのかもしれません…。

一方、ニュージャックスウィング曲は東山さんがソロ曲で好んで歌われているため、"東山さんソロを掘っていくとニュージャックスウィング曲が出てくる"ということが多かったです。


まとめ

・少年隊のユーロビート曲の多さは筒美京平さんと船山基紀さんの影響が強いと見られる。
・東山さんソロのニュージャックスウィング曲の多さは東山さんの好みが反映されていると思われる。

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