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セファロタス 植え替えと再生

初めに

『セファロタス』という食虫植物を知っているだろうか?
正式名称は『Cephalotus follicularis』(セファロタス フォリキュラリス)だ。和名は袋雪の下というらしい。
ユキノシタ属なる植物もいるそうだが、それとは全く違う植物だ。
ちょっとFF7のセフィロスっぽい感じの名前をしてる。
ちょっと脱線したけど、このセファロタスは他の食虫植物にはない特徴がある。
『一科一属一種』なのだ。
例えばバラ科は、林檎やイチゴ、もちろん薔薇など色々種類があるけど、こいつは親戚がいない。
セファロタスといったらセファロタスだけなのだ。
因みに『一族一種』と言うと自分の大好きな魔玉(ラピダリア マーガレット)がある。

魔玉 岩のように無機質な感じがたまらない。


生物学者でもなんでもない素人からすると一族一種だろうが、なんだろうが関係ない気もするが、なんかかっこいいのだ。
さらに身近なところだと、イチョウも一科一族一種の植物で、実はレッドリストにも入ってる。
前振りが長過ぎた…本題に入ろう。


セファロタスとは

セファロタスは南西オーストラリアにのみ自生する食虫植物。
先ほどと話したが、セファロタス科 セファロタス属 セファロタス フォリキュラリス種となる。
壺型の捕虫葉を持っていて、一見ウツボカズラに似ているようだが、よく見てみると捕虫葉のつき方が違う。
ウツボカズラは本体から葉が出て、葉の先に捕虫葉が出来るのに対して、セファロタスは本体から直接捕虫葉が出来る。また捕虫葉じゃない葉っぱも出てくる。

うちにはないので、楽天市場から転用
これがセファロタス、こうして比べるとやはり違う植物だ。

植え替えると…

長くなったが、ここからが本題だ。
このセファロタスとっても繊細なやつらしい。
動画でも話されてるし、書籍にも書いてある。
植え替えをしようものなら今出ている葉っぱを全て枯らし、環境に慣れるまでただの苔の塊になるそうだ。
いやいやまさかね。
それって植え替える時に、根っこを切ったり、なんかダメージ与えちゃったりする初心者さんの話でしょ? 食虫植物歴は浅いけど余裕っすよ!と思ってた時期が私にもありました。
いやこいつは本当に枯れる。
全然ダメだった。

これが植え替え時の様子。 根っこの感じはハエトリに似てる。
これが植え替え直後、セファロタスの蓋のMマークがよく見える。とても良さそうだ。

6/30 植え替え当日
綺麗にピートモスから外して、戻した水苔に植え替えた。
この時点ではよかった。綺麗に植え付けられたし、根っこは傷つけていない自信もある。
よしよし余裕だなと思い、少し別のことをしていた。20分後に突然それは起こった。
捕虫葉の全ての蓋が閉まったのだ。
さっきまで見えていた蓋裏のMマークがもう見えない。

急に蓋を閉めるセファロタス ご機嫌斜めだ。

7/1 植え替え1日後
次の日にはもうダメだった。
緑でツヤツヤしていた捕虫葉は全てかさかさしており、ほぼ枯れかかっている。
脇目の2本以外は無理だろう。

綺麗だった捕虫葉が見るも無惨な事に…

7/9 植え替え9日後
それはもう無惨なことになったので、枯れた葉っぱは剪定した。
あんなに綺麗だったのに、もう何を育てているのかわからない。
脇芽の2つが残ってくれたのが救いだ。

脇芽のみのセファロタス

7/15 植え替え15日後
新しい葉っぱが出るまでは1ヶ月ほどかかると言われていたが、何やら緑のものが出てきている。
手前が脇芽、右側に見えるのは平坦葉だろうか?
脇芽が残っていた分、光合成が出来るから再生が早いんだろうか?

希望の新芽🌱


8/4 植え替え35日後
成長はのんびりだが、再生は進んでいるようだ。
ちっちゃい捕虫葉が3枚、平坦葉のようなものが2枚になっている。

脇芽は出たが、成長はゆっくり

8/31 植え替え62日後
新しい捕虫葉が3枚、平坦葉が3枚になった。
葉っぱの枚数が増えれば、光合成も進み、より安定するだろう。
そしてついに!蓋裏のMマークがついに復活した!!
おかえりセファロタス!2ヶ月でなんとかこの環境に慣れてくれたようだ。

順調に場数を増やしている。この環境にも慣れてくれたのだろう。
復活のM!まだ捕虫葉は緑色一色で若い感じがある。

管理方法

置き場所:室内
:プラステラ105ロング
用土:鉢底に日向土、水苔
:LEDライト直下 チタノタが伸びないレベル
:少し乾かし目、鉢が軽くなってから下から溢れるまで
風:24時間サーキュレーター
温度:東京の室温 25〜35℃台か
肥料:なし

解説

セファロタスがオーストラリアに自生していることは先に話したが、地域によって環境がかなり違うようだ。その環境にも適応することができる能力があるようだ。
順化を促すため、一貫して同じ環境で管理した。
鉢はなるべく長い鉢を使い、水苔を盛ることで、根が下に伸びれるスペースを確保した。
水が切れるまでおおよそ3〜5日、湿原の植物なので、完璧に水が切れるは防いだ。


最後に

結果的にはうまく行ったと思う。
もし次、セファロタスの植え替え時は脇芽以外の捕虫葉は切って葉刺しに使っちゃおうと思う。
書籍には湿度を保てだなんだと言われたが全く気にせず、室内LED下で育ってくれた。
夏だから湿度が高いのも功を制したかもしれない。
ちょっと手間がかかるけど、蓋裏のMマーク、襟首の牙の美しさ、群生した時の迫力は他の植物にないものだと思う。
あなたのコレクションにも一つどうだろうか?

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