【2021年8月版】デジタル・クライシス(炎上)の傾向について
こんにちは!デジタル・クライシス総合研究所です。
菅総理大臣の後継を決める自民党総裁選が近づいていますね。混迷を極める今の日本に対し、新しいリーダーが打ち出す一手に注目が集まっています。
新しい変異株が見つかるなど、まだまだ予断が許されぬコロナウィルスと同じく常に注意が必要となるのが炎上です。
お家時間やリモート勤務をする方が増えたということは、それだけネットを使用する頻度が高くなり、同時に多くの人の目に情報が止まりやすくなっているのです。
今回は以下記事に引き続き、2021年8月に起きた炎上件数や内容・世間の反応などをご紹介していきます。
企業の広報担当の方やSNSを日頃から活用している方など、常に最新の炎上傾向を把握しリスク対策等に活かしていただけますと幸いです!
2021年8月内に起きた炎上件数と内訳
それでは早速、2021年8月内に起きた炎上のデータについてご紹介していきます。
※調査対象は、Twitter・Facebookなどの主要SNSをはじめYahoo! ニュース・アメブロ・Fc2 ブログ・Yahoo! 知恵袋・2ちゃんねるなどです。
8月の炎上件数は全体で144件と、7月の125件と比べやや増加傾向にあることがわかりました。なお、内訳は「著名人」53件(36.8%)、「法人等」51件(35.4%)、「一般人」40件(27.8%)という結果です。
7月のデータを比較をすると「著名人 」54件(43.2%)、「法人等」36件(28.8%)、「一般人」35 件(28.0%)でしたので、法人等の炎上が3割程度増加していることがわかります。
では次に、どのような行動で炎上に発展してしまったのか、問題行動の内容別内訳を見ていきます。
なお、各内容ごと下記のように分類・分析を行っています。
今回炎上の原因となった問題行動の内容としては、
「2-3」 (非常識な発言・行為、デリカシーのない内容・発言・行為 )に該当する炎上が52.1%と最も多く、 次いで「2-4」( その他、特定の層を不快にさせるような内容・発言・行為 )に該当する炎上が多い結果となりました。
この結果から、明らかな暴言・暴力ではなく、何気なく発した言葉や行動が原因で炎上してしまった可能性が十分に考えられ、炎上を漠然と恐れる必要はありませんが、今一度自身の行動や考え方を振り返り、今後の行動に活かすことが重要になってくるのではないでしょうか。
また、炎上内容の詳細を分析したところ、「その他」を除いたコロナ関連に関する炎上事案が34 件と最も多く、次いで「差別・偏見」に関するものが17 件という結果になりました。
今回は、コロナ禍でのイベントの実施に関して炎上した事案や、オリンピックに関連した炎上事案などが多く確認されており、引き続き、コロナ関連やコロナ禍でのイベント実施は炎上につながりやすい期間が続くと考えられます。
2021年8月に起きた炎上事例
それでは、2021年8月に実際に起きた炎上事例を見ていきます。
オリンピック・パラリンピック開催もあり、良くも悪くもいつもとは違う雰囲気に包まれていたのが8月でした。
炎上した事例を見ると、オリンピック関係やコロナに付随した炎上はもちろん、多方面での炎上が相次いだのが特徴的です。
■河村たかし市長の炎上(8月4日)
参照:
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/photonews/photonews_nsInc_202108120000509-2.html
女子ソフトボール日本代表の後藤希友(みう)選手が、出身地である愛知県名古屋市の河村たかし市長を表敬訪問した際、厚意で首にかけてもらった金メダルに噛りつき、これを見ていた視聴者からメールや電話で苦情が多数寄せられ炎上した事例です。
その後、市の担当者は「想定していない出来事」と困惑。当の河村市長は「最大の愛情表現だった。金メダル獲得はあこがれだった。迷惑を掛けているのであれば、ごめんなさい」とコメントを出しました。
■丸川珠代 五輪担当大臣の炎上(8月11日)
参照:https://www.nikkan-gendai.com/articles/image/sports/293154/169308
IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が、9日に東京・銀座を散策したことについて、丸川珠代氏が
「14日間しっかりと防疫措置の中で過ごしていただいているかということが重要なポイント。不要不急の外出かはご本人が判断すること」
と、擁護とも取れる発言をし、炎上した事例です。
長い自粛生活を余儀なくされている国民やネット上では、痛烈な批判が殺到したことは言うまでもありません。
■尾木直樹氏の炎上(8月19日)
参照:https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12156-1206533/
タレントで教育評論家の「尾木ママ」こと尾木直樹氏が、自身のブログ内で「ワクチン副反応ない人ほど感染しやすい」と、エピデンスがない発言をし批判を受けた事例です。
その後、尾木氏のもとに医療関係者などから「デマではないか?」などの意見が寄せられ、「改めて調べましたところ、現時点でそのような科学的根拠は存在しないことが確認できました」と謝罪しています。
炎上事例に対する世の中の反応とは?
では、上記の事例に対する世の中の反応はどのようなものだったのか見ていきましょう。
■河村たかし市長の炎上に対する反応
「なんでこんな人が市長選に通ったのかわからない」
「ただただ、気持ち悪い」
「金メダルの重みを理解していない」
金メダルかじり・マスクを外すなどの不適切な行動に出た河村氏に批判が集中しました。
非常識な行為や発言は炎上しやすいカテゴリーなので注意が必要です。また、今回は指摘されなかったものの後藤選手が女性である点から、女性蔑視にもつながってしまう恐れがあったと言えます。
一度炎上をしてしまうと二次炎上に繋がりやすい傾向もあるため、炎上しないための対策のほか、炎上後の対策も重要となってくるでしょう。
■丸川珠代氏の炎上に対する反応
「ご都合主義にも程がある」
「国民に我慢を求めておいて呆れる」
「これを言ったら元も子もない」
偏見やデリカシーのない発言なども炎上しやすいカテゴリーと言えるでしょう。オリンピック担当大臣である丸川氏が発言してしまったからこそ、起きてしまった炎上なのではないかと考えられます。
何かを発言する際は、今一度自身の立場や影響力を考えて発言や行動を行うことが重要です。
■尾木直樹氏の炎上に対する反応
「専門家ではないのにこの発言はおかしい」
「副反応少ない人が不安になる」
「子供が間違った認識をしてしまう」
コロナ関連の発言に関しては、国民も相当敏感になっているため特に炎上しやすいカテゴリーと言えるでしょう。
いまだ、先行きが見えないコロナ禍だからこそ慎重な言動・行動が求められます。また、自身がデマ情報の根源にならないよう、正しい情報の見極めも重要になってきます。
■まとめ
今回も炎上事例・炎上内容の傾向についてご紹介してきました。
炎上事例を見ると、オリンピック関連・コロナ関連が多かったのは言うまでもありません。
やはり、その時に話題となっているイベントやニュースが大きければ大きいほど、炎上へとつながるリスクも増大していくのです。
コロナ感染のリスクが常に隣り合わせな現代において、疲れているのは皆同じと考え、ちょっとした気配りや気遣いを大切していきたいところです。
また、弊研究所では企業の広報担当者などに向けて、最新の炎上傾向を調査・分析し、お知らせしています。
その時期やタイミングによって炎上の傾向というものが変わるため、月に1回炎上研究レポートの配信や、会員企業向けの炎上事例勉強会を行なっています。
その勉強会で得たケーススタディを自社のリスク対策に活かしていただくことで、より強固な危機管理体制の構築ができるかと思いますので、もしご興味をお持ちいただけた方がいらっしゃいましたら、HPのお問い合わせやフォームからお気軽にご連絡をいただけますと幸いです。
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