絶望の淵
宇宙で一番
大切な人を
失った。
わたしはわたしでなくなった。
たった小さな亀裂が
わたしの最期の望みを絶って
あなたをどのように受け入れたら良いか
ただわからなくて。
そう。
ただわからなかったの。
愛していたのよ。
でもわからなかった。
だから後から後から
あなたが望んでいてくれた事が
わかっていたから
受け入れ方がわからない私が
悔やまれてならない。
わたしはわたしでありたかった。
どうしてあなたを忘れる事ができよう?
宇宙で一番 大切な人の
宇宙で一番 大変な時に
側にいられなかった。
宇宙で一番 大切な人の
苦しみを 理解しようとしなかった。
これが正しいって
そう思い込んで。
何度も何度も声を上げてくれていたのに
わたしは見ないふりをした。
だからわたしは
そんなわたしだから
信じられない。
世界に終わりが来るなんて
誰が信じられましょう?
あなたとの終わりの時間が
こんなにも無惨に来るなんて
誰が思いましょう?
わたしはどこで間違った?
わたしは何のために生きてきたの??
わたしの努力な何のためにあったの???
真っ黒な底辺の何も動かないその場所で
ただ奈落の底に叩き落とされたわたしが
狼狽し
消えてしまった
あなたがいないこの場所で
悲鳴をあげて絶望しているのです。
そう、絶望ー。
身体中に張り裂けた痛みと
荒廃したハートが
何もない、何もないと
虚無を掴もうとしていた。
それでも尚、わたしはあなたに寄り添うこともできず
あなたが去った後
もう落ちることのない
真っ黒な中心にすげ替えられて
わたしがわたしでなくなったことだけは
明確にわかっていた。
自分を愛するとは
どういうことなのか?
人を愛するとは
どいういうことなのか?
わたしはどうして
わたしを愛することができなかったのか。
悲劇のヒロインとしか言いようがない。
最も愛した人との
誤解が
この惨状をもたらしたのだとして
この怒りや悲しみを
誰に向けることもできず
ただ永遠にも似た痛みと共に
「受け入れる」という行為以外
わたしには残されていなかったのだ。
後に
少しずつ少しずつ
最も愛した人の言葉が
どういう意味だったのか
理解するにつれて
あなたが真実に
わたしを愛してくれていたと気づいて
「ごめん」
「愛している」
その言葉以外
出て来なくなるのです。
愛ゆえの反発は
かくも深く
己を傷つけるのですね。
そしてまた
愛する人も。
今日思うことは
あなたをわかろうとすることよりも
あなたを信じようとすること、
わたしをわかろうとすることよりも
わたしを信じようとすること、
このことの方に
どれだけ価値があっただろう?
ということ。
健気にも
あなたがわかれば
きっと再び愛してもらえると
行った先の
最果ての地は
DEAD END
未来のない場所だった。
それさえも、
ただただ
それほどまでに
わたしがあなたを愛していたと
氣付くためにあったのならば
いや、
それほどまでに
実はわたしを信じていたから
信じられなくなったこと
それほどまでに
現実を信じていたから
目の前のあなたを信じようとしたこと
その真実があるから
だからまたわたしは
わたしを赦して
ありのままを受け入れて
宇宙の偉大さと神秘を受け入れ
次へと進んでいくのだと思います。
あなたからもらった
最後の言葉。
それがまだ、わたしを愛してくれているのだと
それを切に願って
今度はわたしがあなたを永遠に愛せるように・・・。
「ごめんなさい。あなたを愛し抜けなくて・・・。」