![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/150063579/rectangle_large_type_2_f9f390f0799e055c147d538b3c2e8566.png?width=1200)
うつ病はともだち #9
JRはそれぞれ事前に指定席を購入していたため、誰かと隣同士とは限らない。
そんな中、私はたまたま他にメンバーが1人もいない車両の席だった。よかった、これでようやく1人になれる、そう思った。
席に着いたら、寝て身体を休ませよう。ゆっくりしよう。そう思っていたのに。
席に着いた瞬間、私は目に涙がうかんできた。どんどんこぼれ落ちていく涙を止めることはできなかった。
泣いているうちに、刻々と下車時間が迫ってくる。泣いたことがバレないように、私は頑張って泣き止み、真っ赤な顔をマスクで隠した。
下車後。改札の向こうには、昨日は用事があっていなかった私の唯一の同い年メンバーが立っていた。私は緊張が緩まったせいか、また泣いてしまった。たがが外れたように、私は泣き喚いた。
それを見た後輩たちは、私が苦しんでいる様子を気付けなかったことを悔やんだ。それを見て、また私は申し訳なくなる。この繰り返しだった。
ここで、メンバーは私が学校に行けていないこと、最近ずっと泣いてばかりだということを知ったのだった。
だが、それ以上のことは私にもまだわからなかった。何か精神的な病気をかかえているのか、はたまた泣きグセがついただけなのか、そもそもそれを考える余裕が当時の自分にはなかった。