治療開始までも結構大変(中咽頭がん)
CTとMRIは何回もやるのね
2023年4月下旬に先進医療B(陽子線と抗がん剤の併用治療)で治療をすることを決めました。(詳しくはコチラ→治療方法決定まで)
しかし、治療を決めても、すぐに治療を開始できるわけではなく、いろいろなことがありました。
今回は治療を開始するまでのあれやこれやをつづりたいと思います。
治療を開始するにあたり、様々な検査を受ける必要があります。
体が治療に耐えうる状態かどうか、治療が効果がある状態にあるか、などを確かめるためだそうです。
ご存じの方も多いかもしれませんが、大学病院や総合病院では、受付の機械に診察券を入れると、その日に受診する診療科や検査の予約時間が一覧に記載されたA4の予約表がプリントアウトされ、その時間に該当の窓口に行って診察や検査を受けるシステムになっています。(私は今回初めての経験)
私の場合、診察をおこなうのは、陽子線科、耳鼻咽喉科、口腔外科、そこで指定される様々な検査をおこないました。
治療開始までに受けた検査と回数はこんな感じです
CT検査 4回
MRI検査 2回
血液検査 5回
心電図 1回
心エコー検査 1回
胃カメラ検査 1回
大腸カメラ検査 1回
病院の中を行ったり来たり。
最後のほうは手慣れてきて、小さなトートバッグを導入し、予約表やペットボトルの飲料などを入れて、病院内をスムースに行き来していました。
歯の金属を全部取らないといけない!
陽子線治療を決めたとき、主治医の先生から、
「歯の金属を全部外してもらわないといけませんので、口腔外科を受診してください。治療開始のスケジュールはそれ次第になります」
少しでも早く治療を開始したいところに、あらたなハードル出現です。
口腔外科で説明を受けます。
金属を外す理由は二つ
CT撮影で金属に反射して患部の大きさや場所が不鮮明になってしまう。陽子線治療ではCT画像をもとに陽子線を照射する場所を細かくプログラミングするため、これは重要。
陽子線が歯の金属に反射して、必要のない部位に照射されることを防ぐため、という事でした。
そして、大学病院の口腔外科では歯の金属を外す器具は常備していないこと、また、通いやすいように、ということで家の近所のいきつけの歯医者で金属を外すことになりました。紹介状を書いていただきます。
すぐにいきつけの歯医者さんに電話します。
ちょうどゴールデンウイークの直前だったため、予約がいっぱいで、1週間後しか予約が取れず。。
少しでも早く治療を開始したい気持ちから、大学病院から帰宅する足でそのまま歯医者さんへ向かいました。
紹介状をお渡しし、事情を説明し、予約の空きができたら連絡をいただけるようにお願い。
すると、その日のうちに電話があり、明日の予約が空きました!と。ラッキー!
翌日、歯医者の先生に事情を説明し、少しでも早く完了させたい、とくいぎみにお願い。
しかし、なんと!!歯の金属が19本もあり、土台までしっかりと入っている歯も複数あるので、どれくらいで完了できるかやってみないとわからない、と。。
とりあえず予約の取れる日は毎日予約を入れていただき、進めていくことに。(お医者さんっていろんな事情の患者さんの話を聞かなきゃいけなくって大変。。とわがままを言いながらも思いました。すみません。。)
しかし治療開始のスケジュールが決まらないのは落ち着きません。。
マウスピースと固定具の作成
歯の金属はGWをはさみ、約1か月をかけ、12回の通院ですべて外していただきました。
わがままを聞いていただいた歯科医院のみなさま、ありがとうございました。
治療開始に向けて、次の準備が始まります
まずはマウスピースの作成
口腔外科で作っていただきます
口を開いた状態で固定して、陽子線が患部に当たりやすいようにするためです。また、舌を固定することで舌の組織を守る役目もあるそうです。
1日目に歯の型をとり、翌日その型から作成いただいた透明のプラスチックのマウスピースの元(上下ふたつ)を歯にはめて口を開いた状態での高さを調整して固定します。これは、その場で完了し、マウスピースの完成です
おお、こんなに早くできるものなのね。。
次に、そのマウスピースをもってMRI検査へ。
マウスピースを装着した状態で撮影を行います。のどを撮影するため、唾液を飲み込まないように言われますが、マウスピースになれず異物感がすごいため、何度も我慢できず唾液を飲み込むことに。。撮影結果大丈夫だったかな??
翌日、陽子線科へ。
陽子線治療のときに陽子線を狙った場所に狂いなく当てるために、顔と体を固定するための器具をつくってもらいます。
陽子線治療の台を模した台の上に横になります。あおむけの状態で肩から腕にかけて下から包むようにして、固めのクッション素材を体の形に沿うように、若い技師の先生二人がかりで成形してくれます。
中にビーズが入っていて、空気を吸引することで固まるとのこと!(バキュームクッションというらしい)
次にシェルという、顔から肩にかけて固定する固定具の作成です。
先ほど作成したマウスピースを装着した状態で、温かいプラスチックが顔を覆います。
「なんか少し気持ちいいかも。。マウスピースはまだ慣れずに少し苦しいけど。。」
技師さんが顔に手を沿わせて形を整えてくれています。でもなんか、あごから首にかけてプラスチックが浮いているかんじがして、ちゃんと固定されるのかなこれ?
などどおもっていたら、固まるにつれてどんどん上から圧迫されてきて
「こ、これは苦しい。。こんなに圧迫されるの!?」
鼻の穴も完全にふさがり、マウスピースのおかげで呼吸がしにくい上に、さらに唾液がのみ込みずらくのどにたまっていて。。
「い、息ができない。。これは下手したら溺れる!!」
という状態に。。
「そろそろ終わりますね」と声がかかります
「早く!早くおわってくれ!!」
と思うときほど時間は長く感じるもので、、溺れないようにほそーく、ながーく呼吸をしつつ、永遠にも感じる時間を耐えに耐え、ようやくシェルマスクが完成。外してもらうのでした。
あー、死ぬかと思った。。
次は固定具とマウスピースを装着した状態でCT撮影を行います。
CT撮影前に、鼻から息が吸えるように穴をあけてもらえるかを確認。
「あ、苦しかったですか?穴開けますね。ほかは大丈夫ですか?何かあれば遠慮なく言ってください」とCT撮影の技師の先生。
よかった。このままCT撮影されてたら今度こそ溺れてた。。笑
無事CTの撮影が終了しました。
治療計画
固定具の作成が完了し、具体的な治療計画が作成されます。
陽子線治療は土日を除く週5日、計35回
抗がん剤は1クール3週間を3回
というスケジュール。約2か月の治療となります。
この大学病院では、入院するのは抗がん剤投与の1日前から約1週間だけで、それ以外は通院で治療をするのがスタンダードとなっていて、それに従い治療をおこなうことになりました。
6月6日に最初の入院をすることに決定です。
入院も初めての経験。色々調べて、必要なものを準備しないと。
入退院を3回繰り返すことになるため必要と思い、キャリーカートも購入。(病院の駐車場は診察の場合無料ですが、入院患者の長期駐車は認められておらず、30分単位で課金されるため、電車での往復となります。セレブじゃないので!笑)
入院については入院してみてから、感じたことをまた書きたいと思います。
職場の皆様に感謝!!
治療計画作成とともに、職場に提出する診断書を主治医の先生に書いていただきました。治療完了予定の7月末から1か月を療養期間として8月末までの長期休業を必要とする。と。
職場の上司は、がんが見つかって、数日連続しての検査が必要となり、休暇の申請を行った際に、「なにかありましたか?」と異常を察してくれ、病気のことを話したら、即時にうごいてくださり、休業を余儀なくされる間の仕事の分担を、人の手配を含め、速やかに検討をすすめてくれました。
「仕事のことはわすれて、治療に専念してくださいね。」と
(ありがたき幸せ。。)
また、会社の上層部の方が病気の話を聞きつけ、
会社がパイプのつよい病院に話を通すことができるから、もし希望する治療が受けられないなどのことがあれば遠慮なく頼ってください
とおっしゃっていただいたり
同僚の方々も業務上、多大な迷惑をかけてしまうにもかかわらず、みなさん、本当にとてもあたたかく
「仕事のことなんかどうでもいいから!いまは自分の体のことだけ考えて、ちゃんと元気に戻ってきて、また飲みに行きましょう!!」と😭😭😭
みなさん本当にありがとうございます。しっかり治療して、少しでも早く復帰して恩返しできるように全力で励みます!!
いよいよ治療が始まります。
治療の副作用がどれほどのものになるのか!??
不安でいっぱいですが。行ってまいります。
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